司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

神社の登記 小資料室

2013-02-08 20:03:38 | 法人制度
神社の登記 小資料室
http://www.ac.auone-net.jp/~jtksry0u/

 本日は,京都司法書士会会員研修会で,「宗教法人の承継登記」ほか。宗教法人は,宗教法人法が昭和26年4月3日に施行される前に不動産を取得している場合には,宗教法人法附則第18項による権利承継の登記(相続登記のようなもの)をする必要がある,というお話。講師は,李光雄会員。

 近司連の新人研修の「法人登記」の講義で,私も簡単に紹介しているが,本日の講義は,宗教団体法,宗教法人令及び宗教法人法と時系列に,詳細で,わかりやすいものでした。

 ところで,「神社の登記 小資料室」というサイトを発見。過去の閲覧者が少ないのが不思議なほど,実務的にも充実している。管理人は,司法書士等の実務家ではないようであるが,ありがたいことである。
コメント

代表理事の変更の登記申請において添付する理事会議事録の押印及び印鑑証明書について

2013-02-08 15:38:06 | 法人制度
 コメント欄の,みうらさんの質問にお答えして。


 理事会設置一般社団法人又は一般財団法人において,代表理事の就任による変更の登記の申請書には,理事会に出席した理事及び監事が理事会議事録に押印した印鑑についての市区町村長発行の印鑑証明書を添付しなければならないのが原則である(法人登記規則第3条,商業登記規則第61条第4項)。

 ところで,理事会設置一般社団法人等は,定款において理事会議事録に署名又は記名押印をすべき理事を出席した代表理事とする旨を定めることができる(一般社団・財団法人法第95条第3項)。

 この場合には,上記代表理事の選定を証する書面としての理事会議事録には,出席した代表理事及び監事のみが記名押印をすれば足り,それらの印鑑証明書を添付すれば足りる(変更前の代表理事が登記所に提出した印鑑を押印した場合は,不要。)。

cf. 「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律等の施行に伴う法人登記事務の取扱いについて」(平成20年9月1日付け民商第2351号民事局長通達)

杉浦直紀・希代浩正「一般社団・財団法人の登記実務(第2版)」(公益法人協会)47頁



 コメント欄にあるとおり,若干混乱があるようである。理事全員の押印及び印鑑証明書の添付を要すると解する向きは,おそらく,代表取締役を書面決議で選定した場合の取扱いと混同しているのであろう。

 しかし,理事会設置一般社団法人等においては,一般社団・財団法人法が署名等の義務者の簡略な扱いを定めているのであり,省令がこれを覆して「理事全員」を要求するように解するのは,失当であろう。

 また,法第95条第3項のような規定が置かれたのは,従来からの民法法人においては理事が多数であり,全員の署名又は記名押印を要求することが適当でない場合があるとの判断であったからと推察されるところであり,そのような立法趣旨(?)からも,法第95条第3項の定款の定めがあるときは,代表理事が交替する場合の理事会議事録であるからといって,理事全員の押印及び印鑑証明書を要求するのは,妥当ではないであろう。

 なお,新たに代表理事に選定された者も,理事会の最中に即時就任することを承諾した以上,その時点から代表理事に就任するのであるから,「出席した代表理事」に該当するのはもちろんである。

 上記通達の取扱いが変更されたという話は,聞き及んでおらず,これと異なる取扱いをしている登記所があるとすれば,誤解に基づくものであろう。
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