司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

商業・法人登記制度に関する外国法制等の調査研究業務報告書

2017-03-15 23:15:50 | 会社法(改正商法等)
商業・法人登記制度に関する外国法制等の調査研究業務報告書(平成28年1月)by 法務省
http://www.moj.go.jp/kaikei/bunsho/kaikei03_00024.html

 ん~,こういう報告書が出ていたとは・・・。

 しかし,

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こんなところに,埋もれさせなくても・・。
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株主が死亡した場合の株式会社の対応は?

2017-03-15 11:28:11 | 会社法(改正商法等)
 公開会社でない株式会社において,株主が死亡した場合の株式会社の対応は?

(1)遺贈の場合
 遺贈は,株式の譲渡(会社法第127条)に該当するので,公開会社でない株式会社においては,当該株式会社の承認を要する。

 この場合における譲渡の承認の請求手続については,会社法の原則どおりであり,株券発行会社である場合に,受遺者が株券を提示して請求(会社法施行規則第24条第2項第1号)することができるときは,受遺者からの単独請求が可能であるが,それ以外の場合には,受遺者は,死亡した株主の相続人と共同で請求しなければならない(会社法第137条第2項)。

 この承認の請求を受けて,株式会社は,その承認をするか否かを,取締役会等の承認機関が決定することになる(会社法第139条第1項)。


(2)特定の相続人が相続した場合
 相続その他の一般承継の場合には,株式会社の承認の問題は生じない。

 しかし,定款に相続人等に対する売渡しの請求に関する規定(会社法第174条)を置いている株式会社にあっては,売渡請求をするか否かを判断すべき場面が生じ得る。

 また,この定款の定めは,相続開始後に置いてもよいと解されている。

 したがって,いずれにしても,取締役会の報告事項にしておくべきであろう。


(3)相続人間の遺産分割協議が未了の場合
 遺産分割協議がまとまるまでは,株式は,共同相続人の共有となるので,その議決権の行使の場面で注意が必要である。

cf. 平成27年2月20日付け「共有に属する株式に係る議決権の行使」

主要な株主Aが死亡した場合の株主リストの記載 by 法務省
http://www.moj.go.jp/content/001214714.pdf


(4)相続人不存在の場合
 相続財産管理人が選任された場合(民法第952条第1項)には,当該財産管理人が株式を第三者に譲渡することになろうから,(1)と同様となる。

 相続財産管理人が選任されていない段階で,株式会社が,利害関係人として,家庭裁判所に選任を請求することができるかについては,微妙であろう(私は,積極に解したいが。)。

cf. 平成23年5月16日付け「株主の死亡と相続人不存在」
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