判例タイムズ2017年6月号に,宮﨑文康「近時における相続登記に関する裁判例の動向」が掲載されている。
筆者は,前法務省民事局民事第二課局付である。御一読を。
取り上げられている裁判例は,
1.奈良地裁平成27年12月15日判決
cf. 平成28年2月3日付け「擬制自白により認定された調書判決書が「他に相続人がいないことを証する書面」と言えるか」
2.東京地裁平成26年3月13日判決
cf. 平成27年4月16日付け「ひとりでも遺産分割の可否(東京高裁判決)」
「相続人たる地位の併有は認められ得るが,遺産共有状態が解消されている以上,第2次相続後に遺産分割を行う余地はないと考えることもできるように思われる」旨のコメントである(上掲49頁)。
東京地裁判決は,相続人たる地位の併有を否定しているが,私見は,肯定すべきと再々述べてきたところである。上掲宮﨑解説は,この点を肯定しており,評価することができますね。
3.福岡地裁平成27年4月13日判決
遺言に基づく登記の申請に対する登記官の処分が取り消されたもの(いわゆる後継遺贈の効力が争われた事例)
「本判決は,昭和58年判決を踏まえて,遺言書作成当時の事情を仔細に認定した上,個別具体的な事情の下において本件遺言を解釈したものである」(上掲53頁)
cf. 最高裁昭和58年3月18日第2小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=66874
【判示事項】
遺言書中の特定の条項の解釈
【裁判要旨】
遺言の解釈にあたつては、遺言書の文言を形式的に判断するだけでなく、遺言者の真意を探究すべきものであり、遺言書の特定の条項を解釈するにあたつても、当該条項と遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して当該条項の趣旨を確定すべきである。
筆者は,前法務省民事局民事第二課局付である。御一読を。
取り上げられている裁判例は,
1.奈良地裁平成27年12月15日判決
cf. 平成28年2月3日付け「擬制自白により認定された調書判決書が「他に相続人がいないことを証する書面」と言えるか」
2.東京地裁平成26年3月13日判決
cf. 平成27年4月16日付け「ひとりでも遺産分割の可否(東京高裁判決)」
「相続人たる地位の併有は認められ得るが,遺産共有状態が解消されている以上,第2次相続後に遺産分割を行う余地はないと考えることもできるように思われる」旨のコメントである(上掲49頁)。
東京地裁判決は,相続人たる地位の併有を否定しているが,私見は,肯定すべきと再々述べてきたところである。上掲宮﨑解説は,この点を肯定しており,評価することができますね。
3.福岡地裁平成27年4月13日判決
遺言に基づく登記の申請に対する登記官の処分が取り消されたもの(いわゆる後継遺贈の効力が争われた事例)
「本判決は,昭和58年判決を踏まえて,遺言書作成当時の事情を仔細に認定した上,個別具体的な事情の下において本件遺言を解釈したものである」(上掲53頁)
cf. 最高裁昭和58年3月18日第2小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=66874
【判示事項】
遺言書中の特定の条項の解釈
【裁判要旨】
遺言の解釈にあたつては、遺言書の文言を形式的に判断するだけでなく、遺言者の真意を探究すべきものであり、遺言書の特定の条項を解釈するにあたつても、当該条項と遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して当該条項の趣旨を確定すべきである。