司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

「ADR制度 司法書士の役割,より重要に」

2012-04-13 10:26:32 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 本日の京都新聞7面「私論公論」に,井上利博日司連副会長が「ADR制度 司法書士の役割,より重要に」を寄稿されている。ぜひご覧ください。

 京都司法書士会調停センターもぜひ御利用ください。

cf. 平成24年3月20日付「京都司法書士会調停センター」
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特定非営利活動促進法の一部を改正する法律の施行に伴う法人登記実務の取扱いについて

2012-04-12 20:06:29 | 法人制度
 民事月報Vol.67 No.2に,「特定非営利活動促進法の一部を改正する法律の施行に伴う法人登記実務の取扱いについて」が掲載されている。
 
 標準的なケースとしては,改正法の施行の際,理事が任期中であり,その後,理事の任期満了前に改正法対応の登記をする場合であろうが,いわゆる「代表権の全部を制限されている理事について,代表権喪失の登記」をすればよい。しかし,こうした標準形以外に,いろいろなケースが考えられる。

 上記民事月報の記事では,事例ごとに整理されているので,要点のみ取り上げる。


(1)改正法の施行の際,理事の任期が既に満了し,その後任者を選任していない特定非営利活動法人における理事の代表権に関する登記

① 理事全員の任期満了による退任の登記
② 代表権を有する理事の就任の登記

 ただし,②の登記にあたっては,後任理事の選任について,所要の手続を踏む必要がある。
cf. 平成22年3月27日付「医療法人の理事の任期と平成18年改正医療法の経過措置について」



(2)改正法の施行の際,理事の任期満了による後任者の選任はしているが,これに伴う理事の退任の登記及び後任者の就任の登記をしていない場合

① 理事全員の任期満了による退任の登記
② 後任の理事全員について就任の登記 ※①②セットで「重任」を含む。
③ 代表権の全部を制限されている理事について,代表権喪失の登記



(3)改正法の施行の際,理事が任期中であり,その後,理事の任期満了による後任者の選任をした場合

① 代表権の全部を制限されている理事について,代表権喪失の登記
② 代表権を有する理事の退任の登記
③ 後任の代表権を有する理事について就任の登記 ※②③セットで「重任」を含む。


 また,改正法対応の登記がされていない特定非営利活動法人について,代表者事項証明書又は印鑑の証明書の交付請求があった場合,応じて差し支えない,とされている。

cf. 平成22年7月26日付「登記記録上任期が満了していることが明らかな社会福祉法人の理事に係る資格証明書及び印鑑証明書」
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「登記官の目 会社分割と根抵当権」

2012-04-12 16:39:17 | 不動産登記法その他
 月刊登記情報2012年4月号に,「登記官の目 会社分割と根抵当権」があるが・・・通り一編の内容で,視点が全くない。

 次のような問題意識での「登記官の目」を期待したい。

cf. 平成22年10月28日付「根抵当権の変更登記をめぐる諸問題」

平成22年4月13日付「会社分割と根抵当権」
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資格者代理人としての記名

2012-04-12 13:35:03 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 資格者代理人として文書に記名する場合には,「司法書士○○○○」のように,資格を表示するのが,ある意味常識であるように思われる。

 しかしながら,司法書士の一部には,昔からの慣習であるのか,登記申請書や委任状に,「司法書士○○○○」と記載せず,単に「○○○○」と氏名のみを記載する例が見受けられる。いわゆる権利証をみても,相当数の司法書士がそのような実務慣行を保持しているようだ。

 ん~,なぜ?

 司法書士という資格とは無関係に何らかの委任を受けるケースでは,もちろん単に「○○○○」と氏名のみを表示すべきであるが,司法書士の職務に関して,資格者代理人として文書に記名する場合には,「司法書士○○○○」のように,資格を表示すべきであろう。

 「登記申請が受理されているから」という理由にならない理由のみで,従来のやり方に拘泥する向きもあるが,司法書士界全体で,実務の在り方を見直すべきであろう。
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NPOの社会貢献をもっと広げていくために特定非営利活動促進法が改正されました!

2012-04-11 09:39:47 | 法人制度
NPOの社会貢献をもっと広げていくために特定非営利活動促進法が改正されました!by 政府広報オンライン
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201204/2.html

 概要が紹介されている。
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整備法第53条と監査役設置会社

2012-04-11 08:24:43 | 会社法(改正商法等)
 会社法施行時の司法書士にとっては,常識の類であったが,「去る者,日々に疎し」であろうか。当時の記事を再掲しておく。


会社法第2条第9号
監査役設置会社  監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。

 会社法第2条第9号において,「この法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社」とは,公開会社(第327条第1項第1号、同条第2項)又は大会社(第328条第1項、同条第2項、第327条第3項)である。
 公開会社でない株式会社であり,かつ,大会社でない株式会社においては,監査役は,任意の機関(第326条第2項)であり,取締役会を置くことで会社法第327条第2項の適用を受けるとしても,それは「取締役会+監査役」を任意に置いている,ということになる。したがって,「監査役を置く会社」であり,監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある場合には,監査役設置会社の範疇に属しないことになる(第2条第9号かっこ書)。
 会社法施行時の整備法第53条により,既存の小会社であり,かつ,株式譲渡制限の定めがある株式会社は,監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものとみなされたので,監査役設置会社に該当しない(ただし,定款変更により,いつでも限定を外して,監査役設置会社となることができる。)。
 しかし,このような場合であっても,登記上は「監査役設置会社である旨」の登記(第911条第3項第17号)がなされ,監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるか否かは明らかでないので,定款で確認する必要がある。

 監査役設置会社に該当するか否かにより,会社法上異なる取扱いとなるので,留意しておく必要がある。

cf. 平成24年4月10日付「会計監査限定監査役と監査役設置会社の登記の問題~会社法制の見直しの裏事情?」

平成18年4月3日付け「監査役設置会社」

会社法
 (定款の定めによる監査範囲の限定)
第389条 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第381条第1項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。
2~7 【略】

会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17年7月26日法律第87号)
 (監査役の権限の範囲に関する経過措置)
第53条 旧株式会社がこの法律の施行の際現に旧商法特例法第1条の2第2項に規定する小会社(以下「旧小会社」という。)である場合又は第66条第1項後段に規定する株式会社が旧商法特例法の適用があるとするならば旧小会社に該当する場合における新株式会社の定款には、会社法第389条第1項の規定による定めがあるものとみなす。
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旧武富士が過払い利息に基づく法人税の還付請求訴訟を提訴

2012-04-11 07:57:52 | 消費者問題
日経記事
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819694E3E2E2E2958DE3E2E2E6E0E2E3E09797E3E2E2E2

 旧武富士(現・TFK株式会社)は,国に対し,過去に納めた法人税の還付を求める訴訟を東京地裁に起こしたそうだ。

 しかし,税務においては,違法収益についても課税対象となるとする考え方が受容されており,例えば,最高裁昭和38年10月29日第三小法廷判決(訟務月報9巻12号 1373頁)は,「税法の見地においては,課税の原因となった行為が,厳密な法令の解釈適用の見地から,客観的評価において不適法,無効とされるかどうかは問題でない」と判示しているので,難しいであろう。

cf. 平成23年3月5日付「武富士管財人が,過払い利息に基づく法人税の還付を請求」


プレスリリース「法人税の還付を求める訴訟の提起について」by TFK株式会社
http://www.tfk-corp.jp/pdf/120411.pdf

【請求の内容】
 更生会社は、これまで収受した利息制限法所定の利率を超える利息(制限超過利息)を税務上の益金に算入して課税所得および税額を計算し、法人税の納付を行ってきましたが、利息引き直し計算および債権調査の結果、更生会社が過年度に収受してきた制限超過利息が無効であることが法的に確定したことから、過年度の課税所得および法人税額を減額して法人税の還付を受けるべく、課税庁に対して、国税通則法23条2項2号の規定に基づく更正の請求を行いました。
 しかしながら、課税庁より、上記更正の請求に理由がない旨の通知処分を受け、これを不服として国税不服審判所に対して審査請求を申し立てておりましたが、申立てから3か月を経過し訴えの提起が可能となったことから、法人税の早期の還付を実現すべく、課税庁の通知処分の取消し(法人税の還付)を求めて、本件提訴に及んだ次第です。
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京都市内の桜満開

2012-04-11 00:10:52 | 私の京都
京都の桜情報2012 by 京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/koto/sakura/

 事務所にほど近い京都地方法務局敷地内の桜や川端通沿いの桜並木も満開です。
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会計監査限定監査役と監査役設置会社の登記の問題~会社法制の見直しの裏事情?

2012-04-10 21:00:38 | 会社法(改正商法等)
 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めている株式会社については,会社法第386条の規定は適用されない(会社法第389条第7項)ため,当該株式会社が取締役に対して訴えを提起する場合には,当該訴えについては,原則として,代表取締役が当該株式会社を代表する(会社法第349条第4項,第353条,第364条)。

 しかし,この点を看過してされた高裁判決があり,最近最高裁で差戻判決があったそうだ。

 原審は,これかな?
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=80140&hanreiKbn=07

 「会社法制の見直しに関する中間試案」において,会計監査限定監査役と監査役設置会社の登記の問題が論点に上がっているのは,こういう事情があったから?

 補足説明にもそれらしい解説あり。

cf. 平成23年12月14日付「『会社法制の見直しに関する中間試案』に関する意見募集」

会社法
 (監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表)
第三百八十六条  第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。
2 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。
 一 監査役設置会社が第八百四十七条第一項の訴えの提起の請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合
 二 監査役設置会社が第八百四十九条第三項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合

 (定款の定めによる監査範囲の限定)
第三百八十九条  公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。
2~6 【略】
7 第三百八十一条から第三百八十六条までの規定は、第一項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。
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携帯電話で,固定電話のような番号を利用できるサービス

2012-04-10 19:24:17 | 消費者問題
産経新聞記事
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120409/biz12040916460009-n1.htm

 KDDIが始めたそうだが,不正の温床になりかねないように思われる。
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創刊号から昭和27年4月30日号までの官報がインターネットで閲覧できる

2012-04-10 19:15:29 | いろいろ
昭和27年4月30日までの官報がインターネットで閲覧できるようになります by 国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2012/1194299_1827.html

 昭和22年5月3日以降については,これまでも電子官報で閲覧できたが,今般,国立国会図書館HPで,創刊号から閲覧可能となった。すばらしい。


cf. 讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/internetcom/20120409-OYT8T00831.htm
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法制審議会会社法制部会第17回会議(平成24年2月22日開催)議事録

2012-04-09 13:51:21 | 会社法(改正商法等)
法制審議会会社法制部会第17回会議(平成24年2月22日開催)
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900121.html

 議事録が公表されている。
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特例財団法人に解散命令,主務官庁の承認を得ずに基本財産を取崩し

2012-04-07 15:51:08 | 法人制度
朝日新聞記事
http://www.asahi.com/national/update/0407/TKY201204070158.html

 主務官庁の承認を得ずに基本財産を取り崩したとして,特例財団法人に対して解散命令が出された。

 司法書士としては,基本財産である不動産の処分に際して,主務官庁の承認を有無を要確認である。
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京都で,成年後見事件の市長申立てが急増

2012-04-07 15:25:52 | 家事事件(成年後見等)
京都新聞記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120406-00000014-kyt-l26

 「市長申立の件数は2004年度は4件だったが、10年度は41件に増え、11年度も2月時点で90件と前年度の倍以上に急増」

 市長申立ての場合の申立費用や後見人報酬の拡充によるものであろう。
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「会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等の税率の軽減」の整理

2012-04-05 18:11:42 | 会社法(改正商法等)
 改正後の租税特別措置法第81条第1項の規定に,「なお従前の例による」場合を織り込むと,次のとおりである。このように改正すれば,わかりやすかったのに。


租税特別措置法
 (会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等の税率の軽減)
第81条 株式会社が、平成18年4月1日から平成27年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割により不動産に関する権利を取得し、当該不動産に関する権利の移転について登記を受ける場合には、当該登記に係る登録免許税の税率は、財務省令で定めるところにより当該新設分割又は当該吸収分割により当該権利を取得した日以後3年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる事項の区分に応じ、当該各号に定める割合とする。

 一 所有権の移転 ①から④までに掲げる場合の区分に応じ①から④までに定める割合
  ① 平成21年4月1日から平成23年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の8
  ② 平成23年4月1日から平成24年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の13
  ③ 平成24年4月1日から平成26年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の15
  ④ 平成26年4月1日から平成27年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の18
  ※ 平成27年4月1日以後に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の20

 二 地上権、永小作権、賃借権又は採石権の移転 ①から④までに掲げる場合の区分に応じ①から④までに定める割合
  ① 平成21年4月1日から平成23年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の4
  ② 平成23年4月1日から平成24年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の6.5
  ③ 平成24年4月1日から平成26年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の7.5
  ④ 平成26年4月1日から平成27年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の9
  ※ 平成27年4月1日以後に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の10

 三 先取特権、質権又は抵当権の移転 ①又は②に掲げる場合の区分に応じ①又は②に定める割合
  ① 平成21年4月1日から平成23年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の1.4
  ② 平成23年4月1日から平成24年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の1.8
  ※ 平成24年4月1日以後に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の2

 四 根抵当権の法人の分割による移転 ①又は②に掲げる場合の区分に応じ①又は②に定める割合
  ① 平成21年4月1日から平成23年3月31日までに新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の1.4
  ② 平成23年4月1日から平成24年3月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の1.8
  ※ 平成24年4月1日以後に新設分割又は吸収分割を行つた場合 1000分の2

2~6 【略】
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