司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

絶望の裁判所

2014-03-23 17:05:36 | いろいろ
瀬木比呂志「絶望の裁判所」(講談社現代新書)
http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2882507

 比較的著名な部類に属する元裁判官による内部告発本として話題の書。

 竹崎最高裁長官の辞任の引き金となったとも言われている。

 裁判所組織の内幕を描いたものとしては,「法服の王国」その他諸々存するし,個人的体験談(これが生々しいわけであるが。)を除けば,概ね目新しいものでもないが,エリートに属する元裁判官の告発本だけに,激震が走ったであろう。

 著者は,現在,明治大学法科大学院教授である。
http://www.meiji.ac.jp/laws/teacher/segi.html
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生存配偶者の居住権を法律上保護するための措置

2014-03-23 01:12:00 | 民法改正
相続法制検討ワーキングチーム 第2回会議(平成26年2月24日開催)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00150.html

 「生存配偶者の居住権を法律上保護するための措置」について,議論されている。

 「江戸時代の遺言慣習について」が興味深い。

○ 江戸時代の遺言制度について補足すると,江戸時代初期から幕末に至るまで,上方(京都・大阪)では町人の遺言(譲状)の慣習が一般的であり,具体的には,被相続人が生前に遺言を作成して年寄五人組町中に預けるという取扱いが行われていた。その後,明治時代に急速に遺言の慣習がなくなっていったが,その要因としては,①明治3年新律綱領(戸婚律立嫡違法条)及び明治6年華士族家督相続法によって,嫡長子単独相続が原則とされ,その後,この原則が行政通達によって広く普及したこと,②中央集権国家となったことで旧来の町の機能が失われたこと,③明治19年に,現在の公証人に当たる「証書人」に関する法整備が行われ,それが遺言の執行等を担うことが予定されたが,現実には機能しなかったことなどがあると考えられている。

○ 江戸時代の町人については,戸主の経営能力を考慮して娘婿や養子が相続することも多かったが,それは遺言によって行われていたようである。また,江戸時代においては,数人で遺産を分割することを家訓で禁ずることもあった。
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特定の増改築等がされた住宅用家屋の所有権の移転登記の税率の軽減

2014-03-23 00:43:03 | 不動産登記法その他
 平成26年度税制改正においては,登記実務に関して重要なものは少ないが,次の点は,留意すべきである。

○ 個人が、平成 26 年4月1日から平成 28 年3月 31 日までの間に、宅地建物取引業者により一定の増改築等が行われた一定の住宅用家屋を取得する場合における当該住宅用家屋に係る所有権の移転登記に対する登録免許税の税率を、1,000 分の1(一般住宅 1,000 分の3、本則 1,000 分の 20)に軽減する措置を講ずる。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2014/251224taikou.pdf
※ 55頁

 第74条の3の規定が新設され,それに伴って第73条の規定が改正される。

改正後租税特別措置法
 (特定の増改築等がされた住宅用家屋の所有権の移転登記の税率の軽減)
第74条の3 個人が、平成二十六年四月一日から平成二十八年三月三十一日までの間に宅地建物取引業法第二条第三号に規定する宅地建物取引業者が増改築等をした建築後使用されたことのある住宅用家屋で政令で定めるものを当該宅地建物取引業者から取得をし、当該個人の居住の用に供した場合には、当該住宅用家屋の所有権の移転の登記に係る登録免許税の税率は、財務省令で定めるところにより当該住宅用家屋の取得後一年以内に登記を受けるものに限り、第七十三条及び登録免許税法第九条の規定にかかわらず、千分の一とする。
2 前項に規定する増改築等とは、同項に規定する宅地建物取引業者が同項に規定する住宅用家屋(同項の取得前二年以内に当該宅地建物取引業者が取得をしたものに限る。)につき行う増築、改築その他の政令で定める工事(当該工事と併せて行う当該住宅用家屋と一体となつて効用を果たす設備の取替え又は取付けに係る工事を含む。)であつて、当該工事に要した費用の総額が当該住宅用家屋の同項の個人に対する譲渡の対価の額の百分の二十に相当する金額(当該金額が三百万円を超える場合には、三百万円)以上であることその他の政令で定める要件を満たすものをいう。

 (住宅用家屋の所有権の移転登記の税率の軽減)
第73条 個人が、昭和五十九年四月一日から平成二十七年三月三十一日までの間に建築後使用されたことのない住宅用家屋又は建築後使用されたことのある住宅用家屋のうち政令で定めるものの取得(売買その他の政令で定める原因によるものに限る。次条第二項、第七十四条の二第二項及び第七十四条の三第一項において同じ。)をし、当該個人の居住の用に供した場合には、これらの住宅用家屋の所有権の移転の登記に係る登録免許税の税率は、財務省令で定めるところによりこれらの住宅用家屋の取得後一年以内(一年以内に登記ができないことにつき政令で定めるやむを得ない事情がある場合には、政令で定める期間内。次条第二項、第七十四条の二第二項及び第七十五条において同じ。)に登記を受けるものに限り、登録免許税法第九条 の規定にかかわらず、千分の三とする。
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「会社法改正法案の解説と企業の実務対応」

2014-03-22 17:57:25 | 会社法(改正商法等)
菊地伸・石井裕介「会社法改正法案の解説と企業の実務対応」(清文社)
http://www.skattsei.co.jp/search/054683.html

 法律案ベースでの解説書。何気に読み始めたが,「今から何を準備するべきか」の実務対応の勘所を押さえ,簡明に解説されている。お薦め。
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「対談 裁判官から見た訴訟進行の望ましい姿(上)」

2014-03-22 15:30:05 | 民事訴訟等
 ビジネス法務2014年5月号に,「対談 裁判官から見た訴訟進行の望ましい姿(上)」が掲載されている。

 語り手は,かつて東京地裁商事部の部総括等を務めた大谷禎男弁護士である。

 裁判所の訴訟進行における思考回路がわかりやすく語られている。お薦め。
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複数議決権種類株式採用会社の上場

2014-03-22 14:54:09 | 会社法(改正商法等)
日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGD190AB_Z10C14A2TJ0000/

 3月26日に東証マザースに上場するサイバーダイン株式会社は,上場させる普通株式の単元株式数を100株,上場させないB種類株式の単元株式数を10株とすることにより,B種類株式を有する経営陣が,上場後も90%の議決権を維持することとなるそうである。

 このような種類株式発行会社の上場は,日本では,初。

cf. 平成20年5月7日付け「議決権種類株式の上場に関する制度の整備について」
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コンビニの店長は,労働組合法上の労働者にあたるか

2014-03-21 15:15:41 | 労働問題
毎日新聞記事
http://mainichi.jp/select/news/20140321k0000m040110000c.html

 岡山県労働委員会が,コンビニの加盟店主を労働組合法上の労働者にあたる,と認定。

 ただし,労働法の研究者の間でも見解が分かれるようで,これが一般化するかは,不透明。
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「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会」の最終報告について

2014-03-21 07:17:33 | 空き家問題&所有者不明土地問題
「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会」の最終報告について~「借主負担DIYの賃貸借」と「適切な空き家管理」の指針~
http://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000091.html

 国土交通省が,「所有者(貸主)と利用者(借主)双方のニーズや懸念事項に対応した個人住宅の賃貸流通に資する指針(ガイドライン)」(同省)を作成。
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社外取締役の日給100万超

2014-03-20 22:10:40 | 会社法(改正商法等)
週刊ポスト
http://www.news-postseven.com/archives/20140320_246481.html

 毎月1回の取締役会に出席して,年俸1000万~2000万。もちろん限られた方ではあるが。
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臥龍企業

2014-03-20 12:56:05 | 会社法(改正商法等)
臥龍企業の海外進出に向けて by 戸堂康之東京大学新領域創成科学研究科国際協力学専攻教授
http://www.rieti.go.jp/jp/events/10021501/pdf/2-3_4-1_J_Todo.pdf

 臥龍企業とは,「生産性が高く,世界で競争できるはずなのに,国内にとどまっている企業」あるいは「日本国内に眠っている潜在力にあふれた中小企業群」と定義されているらしい。
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業務上の飲酒による死亡であるとして労災認定

2014-03-20 08:35:06 | 民事訴訟等
讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140319-OYT1T00856.htm?from=main7


 判決は,「取材を円滑に進めるための宴会で,業務遂行のために限界を超える量を飲酒した」と認定。
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民事訴訟費用規則の改正に伴う申立手続費用の変更

2014-03-19 10:56:37 | 民事訴訟等
民事訴訟費用規則の改正に伴う申立手続費用の変更について
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/20140317-1.pdf

 平成26年4月1日からの消費税増税による郵便料金の変更に伴い,「民事訴訟費用等に関する規則」が改正され,手数料等の額が変更される。
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市町村の合併

2014-03-19 10:52:21 | 不動産登記法その他
 市町村が合併する場合,法律用語としては,「合併」ではなく,「廃置分合」(地方自治法第7条第1項)である。

地方自治法
第7条 市町村の廃置分合又は市町村の境界変更は、関係市町村の申請に基き、都道府県知事が当該都道府県の議会の議決を経てこれを定め、直ちにその旨を総務大臣に届け出なければならない。
2~8 【略】

cf. 合併まめ知識
http://www.otokuni-cbk.jp/category/1164197.html

 いわゆる「新設合併」の場合は,「A市及びB町を廃し,その区域をもってA市(又はC市)を設置する」であり,「吸収合併」の場合は,「B町を廃し,その区域をA市に編入する」である。

 不動産登記においては,もちろん権利承継等の登記が必要となる場合があり,登記原因は,「年月日合併による承継」である。

 ただし,「甲市と乙市とを廃し,その区域をもって新たに甲市を置く旨の新設市町村合併の場合において,合併前の甲市が所有する不動産については,新設された甲市への承継の登記を便宜省略して差し支えない」ものとされている(平成18年7月26日付け法務省民二第1721号民事局長回答)。新設合併の場合であっても,当該合併前後で名称の変わらない市町村間の承継に限り,承継の登記の省略を認める取扱いである。
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京都府消費者教育推進計画

2014-03-18 18:56:47 | 消費者問題
京都府消費者教育推進計画の策定について by 京都府消費生活安全センター
http://www.pref.kyoto.jp/shohi/news/20130312.html

「私たちの消費行動はひとつひとつは小さくても、まとまれば経済や環境に大きな影響を及ぼします。近年、スマートフォンやパソコンなどの普及に伴い、デジタルコンテンツの被害の増加や高齢者を狙った「送りつけ商法」や詐欺まがいの悪質商法の手口が巧妙化する中、被害を回避したり、トラブルに対処でき、社会的や環境に及ぼす影響を考えて行動する消費者を増やしていくことが求められています。この度、京都府では、消費者団体や事業者団体などと連携・協働し、取り組みを進める「京都府消費者教育推進計画」を策定しましたのでお知らせします。」
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東証における株式の売買単位の集約

2014-03-17 23:10:00 | 会社法(改正商法等)
東京証券取引所のニュースリリース
http://www.tse.or.jp/news/09/140317_a.html

「これまで、売買単位を100株に統一する前段階の当面の目標として「100株と1000株の2種類への集約」に向けた取組みを進めてまいりましたが、このたび2種類への集約期間が終了し、今後は100株への統一のための移行期間が開始されることになりましたので、お知らせいたします。」
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