心訓抄・Ⅺ「一期一会」
ぼーるぺんを忘れたので
大いに戸惑ったのだ、今朝は
呼吸を一回失念したように
三秒ばかり動悸が止まったように
脳内の歯車が一つ欠けたように
息苦しくなった
降ってくるもの達は、容赦なく僕を擦り抜け
事情など寸借する素振りも見せず
一期一会の一瞥を置いて
つぎつぎに過去へと傾れた
一頻りの後悔の後で
めぐり合い、触れ合い、交わえる、奇蹟の瞬間は
ほんとうに一度限りなのだと
再び胸の石板に刻む込む
*09/01 17:17:17
心訓抄・Ⅺ「一期一会」
ぼーるぺんを忘れたので
大いに戸惑ったのだ、今朝は
呼吸を一回失念したように
三秒ばかり動悸が止まったように
脳内の歯車が一つ欠けたように
息苦しくなった
降ってくるもの達は、容赦なく僕を擦り抜け
事情など寸借する素振りも見せず
一期一会の一瞥を置いて
つぎつぎに過去へと傾れた
一頻りの後悔の後で
めぐり合い、触れ合い、交わえる、奇蹟の瞬間は
ほんとうに一度限りなのだと
再び胸の石板に刻む込む
*09/01 17:17:17
気づけない程の窪みで
儚げな呼吸の音が聞こえる
あの人の吐き出す切ない情感の息が
静かに揺らめきながら届いてくる
あの人の影が僕の網膜を掠めて過ぎる
五感に触れて
陽炎のように散見する
めぐり合う瞬間には
いつでも
些かの衝撃を受けるが
その出会いが本物かどうかは
その波動を
綿花のように胸に含めるか否かなのだ
めぐり逢いや出逢いや縁の種は
彼方此方の隙間や、思い掛けない石榑や
気づけない程の窪みで
何時でも
息をひそめて待っているけれど・・
*09/01 06:20:06 万甫
存在の影を
いつでも言葉に
存在の影を伴わせて
送り出したい
それこそが
僕の分身の役目だと
明と暗と、光と影と
有無と夢現と永劫と刹那と
それから、生と死と
分かち難く融合する
その不可思議を語らせて
*09/01 05:52
誰かに
壊れ続ける時間軸に
杭打ちをしてゆく職人なのだ
俺は
・
握れぬ砂に
楼閣を与えようとする手品師のように
零れ落ちる時間と水を
意識の鑿で
時空に繋ぎ止めようとする
絶望的なその作業を
押し潰されそうな黒暗に
ZEROグラビティを穿って続ける
霊長類ヒト科ヒト属の一職人
・
誰か、その音を聴け!
何処かにその音を運んで
滞って、何時か弾けよ!
暗中を走る
流星のように
何時か何処かの誰かの胸に・・
*09/01 04:01:04 万甫