本日の マンション管理士試験過去問学習です
その他試験受験者の方も マンションにお住いの生涯学習者の方も よろしければ 眺めて
みてください
※ 〔問い方(肢の順番を変える等も含み)を変えて
利用させていただいている場合があります
法令等改正があった場合に内容を現行のものと
整合させるため出題当時の問題を改めているこ
と等もあります〕
Aがその所有する甲マンションの 301 号室をBに賃貸し、CがBの賃料支払債務について
連帯保証した場合に関する次の記述につき、民法の規定及び判例による正誤を答えなさい。
1
Bが賃料の支払を怠り、Aから保証債務の履行を請求されたCは、Aに対
し、まずBに対して賃料支払の催告をするよう請求することはできない。
2
AB間の賃貸借契約において賃料債務についての遅延損害金の定めがない場
合には、AC間の連帯保証契約において保証債務についてのみ遅延損害金を
定めることはできない。
3
Bの賃料支払債務が時効により消滅した場合、Bが時効の利益を放棄しても、
Cは自ら賃料支払債務の消滅時効を援用し、保証債務を免れることができる。
4
AがCに対して保証債務の履行を請求し、その時効の更新が生じても、Aと
Bが別段の意思表示をしない限り、Bに対する時効更新の効力は生じない。
1 について 正しい
Cは連帯保証人なので 肢における請求はできない
下記 452条 を 参照ください
2 について 誤 り
肢において 保証人は その保証債務についてのみ 違約金又は損害賠償の額を約定できる
(448条との関連で 問題があるようにも考えられそうだが 保証債務の目的または態様
自体がかえられるのではなく 単に その履行を確実にすることが考えられているにすぎ
ないので という説明が 基本書等ではなされている)
下記447条 を 参照ください
3 について 正しい
主たる債務がなければ保証債務は成立できず 主たる債務が消滅なら保証債務履行請求権も
また消滅する(保証債務の付従性)
肢において 保証人であるCは主たる債務の消滅時効を援用できる(145条)
CがBの賃料支払債務の消滅時効を援用して主たる債務である賃料支払債務を消滅させると
付従性によって保証債務は消滅し Cは保証債務を免れることができる
下記 145条 を 参照ください
4 について 正しい
民法に特別な定めがないかぎり 連帯保証人について生じた事由は債権者及び主たる債務者が
別段の意思を表示していないならば 主たる債務者に対しその効力を生じない(458・441)
債権者が連帯保証人に対し保証債務の履行を請求してもその効力は主たる債務者には及ばないの
でAとBが別段の意思表示をしないかぎり Cに対する履行の請求によってはBに対し時効の更
新の効力は生じない
繰り返しになりますが 改正後も連帯債務規定は準用されていますが(458条)その内容は
改正前と異なっています
連帯保証人が請求を受けても その効力は原則として主たる債務者には及ばず(458・441)
効力を拡張しておくには事前の合意が必要となっています【441条ただし書】ので Cに対する
請求の効力を主債務者Bに対してもというのならば事前にAとBの間での合意が必要です
下記 458・441条 を 参照ください
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記 条文に省略があることがあります
の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をす
ることができない。
示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同
時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
債務者の債務は、その効力を妨げられない。
者の利益のために消滅する。
相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
いて、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
したものとみなす。
者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。
ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対
する効力は、その意思に従う。
たる債務の限度に減縮する。
されない。
告をすべき旨を請求することができる。
ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限
りでない。
は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。
以前から当ブログに載せさせていることですが
民法改正後 それなりの月日を経ていますが 基本中の基本 といえるような
改正箇所についてさえ 未だ 改正前の知識のまま という方も おられます
以下のことなど シッカリと掴まえておられますか ?
( 連 帯 債 務 に関する見直し等 の いくつか のこと)
・・・改正前のものを(旧・・)と示しています
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: 連帯債務者の1人に対する履行の請求は 他の連帯債務者に対しても
その効力を生ずる(旧434)
〈次のような問題が生じていた〉
連帯債務者の一人に対する履行の請求があったとしても 他の連帯債務者は当然
にはそのことを知らず いつの間にか履行遅滞に陥っていたなどといった不測の損
害を受けるおそれがある
: 連帯債務者の一人についての免除 消滅時効の完成も その連帯債務者
の負担部分については 他の連帯債務者にも効力が生ずる(旧437・439)
〈次のような問題が生じていた〉
免除をした結果 他の連帯債務者に対して請求することができる額が減少するが
これは免除をした債権者の意思に反するおそれがある
ある特定の連帯債務者から履行を受けるつもりであっても 全ての連帯債務者と
の関係で消滅時効の完成を阻止する措置をとらなければならず 債権者の負担
が大きい
ということで・・・・
(改正されたところの 概要)
は 以下のようなこと
・連帯債務の 絶対的効力事由 を 削 減 する
・ 連帯債務者の一人に対する履行の請求は 他の連帯債務者に対してその
効力を生じない(旧434削除 441)
・ 連帯債務者の一人についての免除・消滅時効の完成も他の連帯債務者
に効力が生じない(旧437・439削除 ・ 441)
※ 本来は連帯債務者Aに生じても他の連帯債務者Bに効力が生じない事由
(相対的効力事由)に関し 債権者Cと他の 連帯債務者Bにおいて Aに
その事由が生ずればBにもその効力が生ずるなどという別段の意思を表示
していたときは Aに生じた事由のBに対する効力は その意思に従う
(441但書)
※ 連帯保証人についても 同様の改正
(保証人に対する履行の請求は 主債務者に対して効力を生じない 458参照)
第四百三十八条、第四百三十九条第一項、第四百四十条及び第四百四十一条の規定は、
主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。
連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益
のために消滅する。
連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を
援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をした
ものとみなす。
連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。
ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯
債務者に対する効力は、その意思に従う。
本日の学習問題は
令和3年度 問 16