週末、ソーシャル・イノベーション・スクール広島校で、米倉誠一郎学長が初登壇されました。
20名の受講者の前での白熱教室、東京校ともZoomオンラインで繋いでの授業です・・・インスパイアされました。
ゲストには、広島県知事の湯崎さん。
スタンフォードのMBAホルダーです。
「米倉先生の授業を受けることの出来る皆さんは、とってもラッキー!広島にもイノベーションを!」と語られていました。
小柄な身体ながらエネルギッシュ、粋なジョークを交えながら語り掛ける米倉先生。
しゃべる感じが、なぜかカープの鉄人、衣笠選手に似ています。
先生は67歳・・・年金受給世代というお齢で、学校をゼロから始めるという起業家精神に、まず驚かされます。
小職が働く大学は、今から95年前に日本で最初の経営コンサルタント(当時は「能率技師」と呼称)上野陽一(1883年~1957年)先生が創設した日本で最初のビジネススクール。
上野陽一先生が、日本能率学校を創ったのが59歳の時。
「米国から輸入した能率(マネジメント)を日本に普及するためには、自分の分身を育成する必要がある」という使命感からの行動でした。
ソーシャル・イノベーション・スクールにも、ビジョン、ミッション、パッションがあります。
「世界に日本があってよかったと思われる国造り」
「社会課題解決型イノベーションに特化するカリキュラム」
「SDGsのグローバルリーダーの輩出」
「2枚目の名刺を持て」
「社会を1ミリでもいいから、良くする」
先生の志を受けて、しっかりとついて行きたいと思います。
2時間にわたる講義のメモです。
・活かされていない、隠れた、日本に蓄積された経営資源を掘り起こせ
・二人分の仕事をしなさい 2枚目の名刺を持つ
・日本の技術、経営はPlanだけで終わる すぐに行動、明日からスタートせよ!
・この学校は、アウトプットが目的(インプット=お勉強では×)
・ソーシャル・・・社会課題、イシュー、それをイノベーティブな方法で打破する
・ソーシャルイノベーションの中にソーシャルビジネスも含まれる
・NPOはもっともっと稼いでいい 社会に役立ち収益を上げる理事長は年収1000万円以上もらっていいじゃないか
・イノベーションの父シュムペーター(綴りが「m」なので「シュンペーター」じゃない)
・イノベーションを「技術革新」と訳して日本のイノベーションの概念が縮小した
・アバナシーの見解・・・プロダクトイノベーションとプロセスイノベーション
・クリステンセンのイノベーション・・・持続的イノベーションと破壊的イノベーション
・シュムペーター(1883年~1950年)名著「経済発展の理論」 29歳でオーストリアの財務大臣、ユダヤ人ではないがナチを嫌いハーバード大学へ。「馬車をいくら繋いでも機関車にはならない」
・野中郁次郎博士(米倉先生のお師匠さん)暗黙知と形式知を弁証法的につないだという国際的な功績
・フェデックスのイノベーション メンフィス市を中心にハブ&スポークで全米150都市をわずか149機の飛行機で結び翌日配達を可能にした(この発想は大学の担当教授に「不可」の評価を受けた。2万機の航空機が必要!)
・シュムペーターの「新結合(ニューコンビネーション)」the doing of the new things→①ニュープロダクト②ニュープロセス③ニューマーケット④ニューマテリアル⑤ニューオーガニゼーション
・「これは、何に使えるんだろう?」「何と何を組み合わせるのか?」→ルンバ、ロボットスーツ、アイボ、DELL(日本のパソコンメーカーを壊滅させる)、セル生産方式(生産性3倍に)
・コンビニの役割・・・これから高齢者がターゲット 高齢者7割の東池袋 車に乗ってショッピングセンターには行けない高齢者
・「誰にとって、コンビニエンス?」 Jins→眼鏡をかけない人にメガネを売る ブルーオーシャンはどこだ?資生堂の男性向けフェイスケア 居酒屋の女子会
・Newマテリアルだってある→ユニクロのヒートテック、ハードな製造業からエアウェーヴが生まれた、英国の5ポンド札はプラスティック製、ユーグレナ(東大発ベンチャー)社長「日本は産油国である」発言、クモの糸で世界へ関山スパイバー社長
・オープンイノベーション!マーケットニーズは常に変わっている、スピードを上げなければならない オープンソースを使え 内部化の経済性は消滅した
・アダム・スミス 市場を通じた外部効率性 The invisible hand 規制の排除と自由競争
・ロナルド・コース 今や、内部管理コスト>外部取引コスト それは情報コスト 何を外に出すのがダメかコアコンピタンスを考えろ
・ドミナントデザインとプロセスイノベーション 「〇〇って、こういうものですよね」
・GoPro 米国西海岸のサーファーが考案した世界で一番売れているビデオ クリステンセン「優秀だから見逃す」 異なる視点(破壊的イノベーション)
・ソーシャルイシュー「何が一番問題?」
・プラットフォーマーの脅威 GAFAM+BATで545兆円=日本のGDP ジョブズもザッカーバーグもみんな変人
・プラットフォーマーの方程式=ビッグデータ×IT(AI)×ファイナンス
・物売りからas a serviseへ トヨタ&ソフトバンク レクサス定額制(15万円・サブスク) シグマエアユーティリティ(機械ではなく圧縮空気を売る)
・DX(デジタルトランスフォーメーション)の脅威 アマゾン30兆円、アリハバ100兆円、楽天は3.4兆円 アリペイはデータを使いアルファロメオ350台を33秒で完売(カスタマーエクスピアリアンス) 日本の車ディーラーは、誰も見ない広告を打ち、人が来ないショールームを月曜日から日曜日まで開ける・・・これは大きなムダ 顧客を知らない日本の会社
・日本の生産性 OECD諸国で21位 イタリア17位、スペイン19位・・・これでいいの?日本人はシエスタもせず朝から晩まで働いているのに
・日本人の平均年齢は46歳、人口1億人をこえたフィリピン人の平均年齢は24歳・・・どっちのマーケットを取る?
・カリフォルニア州では2035年までにガソリン車をなくする、中国も2035年に同じ施策・・・日本から打ち出していかなければならなかった!
・再生エネルギーに日本の商機 スマートシティ、スマート家電
・フリーミアム いいものを作る→いいものを売る どうやって「売る」かを考えよ
・クリエイティブレスポンスbyシュムペーター 単なる順応(アダプテーション)はなく創造的対応へ 乗数効果(ケインズ)を狙え
・アベノマスクで466億円 全国の中学生322万人にデジタル端末を配布しても322億円、どっちが未来に繋がるの?
・この年になって、スタンフォード大Dスクール(デザインスクール)に行ってきた そこで学んだことは一つ・・・「すぐやれ、早く失敗しろ、学べ、行動しろ」ということ
授業終了後は、米倉先生を囲んで懇親会。
ワイン片手に、マスクをして情報交換しました。
先生からいただいた名刺には、「法政大学経営大学院イノベーションマネシメント研究科教授」「一橋大学イノベーション研究センター特任教授」とありました。
受講者の半数は会社経営者、そのほかの方は地元の銀行、テレビ局、大学職員、木材会社、ベンチャー企業、大学院生、県職員、国際機関など実に多様・・・ダイバーシティです。
東京からZoomで参加した受講者には、小学生のかわいい女の子もいました。
インクルージョン・・・世の中を変えていくイノベーターは、「若モノ」「ヨソ者」「バカもの」なんですね。
若くもなく、ジモピー・ロコの小職に残されたのは、最後の「馬鹿者」になることしかないでしょうかねえ?(もともとバカ者ですが・・・笑)
Stay Foolish!・・・ジョブズの言葉を思い出します。
作家の五木寛之さんは、何かをなす者は、「若くて」「無名で」「貧しい」人だと言われていました(多分、毛沢東の言葉です)。
ということは、小学生のお嬢さんが一番可能性があるように思います。
週末の2時間にわたる米倉学長の熱血講義・・・本当にインスパイアされました。
「自分にも、何かやれるんしゃないか」という錯覚が・・・笑。
次回は、東京有楽町からのオンライン講義。
課題図書をしっかり読んで、準備したいと思います。