仕事や家事の能率アップするためには、いくつかの視点が大切になります。
今から約百年前に、能率学者の上野陽一(1883年~1957年・産業能率大学創設者)は、能率の6原理を提唱しています。
何か壁にぶち当たった時、何かの改善や効率化を進めていく場合、次の視点からアイデア出しをすることをお勧めします。
能率の6原理
1.移転(ウツシ)の原理・・・手仕事を機械や道具に置き換えられないか? 例/手計算をパソコンに自動計算させる。
2.補足(オギナイ)の原理・・・人間の持っている能力で不足しているものを何かでオギナえないか? 例/記憶をハードディスクに代用させる。広い会場でマイクを使う。
3.分担(テワケ)の原理・・・誰かと労働を分担することはできないか? 例/誰と仕事を分担し同時並行で進めていく。
4.連結(ツナギ)の原理・・・何かと何かを組み合わせて効率的な進め方はできないか?例/化粧をしながら英会話のテープを聞く。
5.集約(マトメ)の原理・・・単純化、標準化し、いつでもどこでも誰でもできるようにはできないか? 例/自分なりの手順書、メモを作り、いろいろ悩まずその手順に従って進める。
6.発奮(ハゲミ)の原理・・・ヤル気やモチベーションを高めるツボはないか? 例/家事が終わったら珈琲を飲む。試験に合格したら海外旅行に行く。
上野陽一は、東京帝国大学哲学科で心理学を専攻、日本に入ってきたばかりの心理学、当時最新の学問から科学的管理法の世界に入りました。
六つ目のハゲミは、まさに心理学者としての側面が表れていると思います。
ただし、気持ちだけが前に出て空回りするのはダメ、やはり目的-手段のバランスが大切です。