能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

MBA入門 早稲田大学ビジネススクール著・・・ワセダのMBAは実戦で役立つのか?

2012年09月23日 | 本と雑誌

「ビジネスマンの基礎知識としてのMBA入門」

早稲田大学ビジネススクール著

日経BP社 1890円


最近、MBAと題した書籍を買っていなかったのですが、日経ビジネスの書評を見てアマゾンで購入。

いまどきMBA入門なんて早稲田らしいなあと思っていたのですが、巻末を読むとWBS内田ゼミが東日本大震災のチャリティとして実施した講演会を書籍化したものとのこと。

ビジネススクールの新しい社会貢献を垣間見ることができました。


講演ベースということもあり、難しい横文字も計算式はでてきません。

事例が多用されているので読みやすく理解しやすい一冊。

マネジメントやストラテジーに興味を持たれている方には、ぜひとも一読いただきたいと思います。


それにしても、肝いりでスタートした法科大学院や専門職大学院・・・。

なかなかうまく機能していないようです。

司法試験の合格率は25%程度に低迷、MBAや会計大学院に通う人たちは、時間とお金のあるバックヤードで働く人たちで組織の外野席にいる方たち(スミマセン)・・・。

今もう一度、ロースクールやビジネススクール、アカウンティングスクールのあり方を見直す時期なのかもしれません。


12章「経営者の役割」を書かれている法木教授は、ジョブズの「ステイハングリー ステイフーリッシュ」を取り上げ、先取りして仕事をしている人ははたからみると愚か者に見えると指摘しています。

確かにそのとおりで、本当に愚かなのは、先取りしている人を愚か者だと思っている人たちなのです。

ジョブズは、「ビーハングリービーフリッシュ」と言ってはいません。

「stay」としているのです。

自分自身で意図して主体的に、その場に身を置くということだと再認識した次第です。


法木教授は、その上で必要条件としてのMBA、十分条件としてのビジネスプラクティス・キャリアの重要性を指摘します。


「会社の上司にビジネススクールに行きますと言ったら、そんなところに行っても頭でっかちになるだけだぞと反対されるかもしれません。

そういわれながらも、あえてビジネススクールへ行ったら周りの人たちはフーリッシュだと思うでしょう。

けれども、そう思っている人のほうがフーリッシュなのです。」

同書314ページ


個人的には、仕事経験を5年から7年経験し、30歳前後でビジネススクールやアカウンティングスクールで学ぶこと。

それがBSの最も効果的、効率的な活用方法だと考えています。


知識だけではなく、プレゼン方法や対話・討論の実戦スキル、そして同じ志を持って集った仲間から触発され、修了後もつながるネットワーク、人脈・・・。

2年間という時間と数百万かかる投資のリターンを最大にするものだと思います。

MBAであれば、できれば英語を駆使できる海外のBSがお勧め。

わたしの友人のMBAホルダー(シカゴ)の持つ海外の同窓生の広さと厚みに脱帽した記憶があります。


同書 目次より

1.戦略的であるために

2.異業種との競争 内田和成教授

3.マーケティング

4.戦略の整合性

5.模倣困難性

6.オペレーション 遠藤功教授

7.人と組織

8.インターナルマーケティング

9.リーダーシップ

10.グローバルマネジメント

11.アカウンティングとファイナンス 西山茂教授

12.経営者の役割


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