平成18年5月1日に施行された会社法。
学生時代は、商法のゼミに所属していたのですが、当時は商法の中に会社法が含まれていました。
まずは、商法総則を学び、商行為や商人などの定義を理解、その後、会社法やテコギ(手形・小切手法)、保険海商法というステップを踏むのが一般的です。
もちろん商法は民法の特別法であるため、民法の理解が不可欠です。
それにしても、この新会社法。
テクニカルな美しさを持った法律です。
会社というバーチャルな組織体を、文で表現する、しかもモレなくダブリなく・・・。
第2条の「定義」では34もの説明がされています。
譲渡制限株式、取得条項付株式、新設合併などなどムダのない定義には、美の世界を感じさせます。
第一条の趣旨などは、あっけらかんとしたシンプル文。
ムリ・ムダ・ムラが一切ありません。
一般的な法律であれば、目的など高らかな理想や方向性を指し示した浪漫を感じさせるところがありますが、会社法は???
第1条
会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。
味もそっけもなく、思わず笑ってしまいます。
民訴法や刑訴法などに代表される手続法につながる無機質性も感じさせます。
会社法は、7つの編、全979条の条文から構成されています。
1.総則
2.株式会社
3.持分会社
4.社債
5.組織変更、合併、株式交換・・・
6.外国会社
7.雑則
同法施行規則や会社計算規則などを含めると、それを読むだけでも何日もかかると思います。
ウイスキーなどを舐めながら深まる夜を楽しむという趣味を持つ友人がいますが、彼の楽しみも何となくわかるような感じがします。
会社法というテクニカルな美しい世界・・・それを堪能するのも面白いと思います。