行動経済学・・・2017年にシカゴ大学のセイラー教授がノーベル経済学賞を受賞して以降、注目させるようになりました。
経済学は日本では文系ジャンルですが、欧米では理系寄りの位置づけです。
そんな中、セイラー教授は、心理学や文系思考を取り入れ、行動経済学を体系化しました。
経済合理性で動く人間モデル一辺倒から、不確実性の高い人間的な要素を経済学に取り入れた行動心理学は、日本でも受けが良いように思います。
今週の日経ビジネス誌2022.5.23号の特集は、「買わせる心理学 進化する本能マーケティング」。
行動経済学をベースにした本能マーケティングを解説さています。
Contents
Part1 ピーチ、フジパン、アピックス・・・コロナ禍の謎ヒット 読み解くは「不便益」
Part2 本能をゆさぶる4つの法則
Part3 国や自治体も活用 社会を変える礎に
1000円の割引で行先の分からない旅に人が殺到(ピーチ)、自分で焦げ目をつける未完成なクロワッサンが人気(フジパン)、8時間かけて自分で作るドライフード・・・いやいや何で売れるのかなかなか説明が付きません(笑)。
これを行動経済学的に解説すると、「絶妙な不便のバランス」なんだそうです。
「自分を肯定できる」「俺だけ感がある」「ワタシにあう」といった心理が購買に向かわせるとのこと。
多様化の時代です。
本能をゆさぶる4つの法則
1 得するより損が嫌・・・・ヒトは将来の負担より、今すぐに価値を感じる
2 見える範囲で短絡判断・・・ヒトは深く考えず、パッと判断する
3 並べ方で変わる印象・・・「松・竹・梅」では半分の人が「竹」を選ぶ
4 高い安いは、ものさし次第・・・値引きシールは、わざと重ねる
企業のマーケターは、手を変え品を変え、消費者、生活者へのアプローチを考え実行しています。
そう簡単に騙されない賢い消費者にならなければなりません。
逆に、企業もステマや本能マーケティング、スラッジでドツボにはまるパターンも散見されます。
行動経済学でノーベル経済学賞を受賞したセイラー教授が言います。
「企業が勝つための唯一のカギは、信頼。」
コロナ禍、不景気、インフレなどの状況だからこそ、正直ビジネス、共感ビジネスがサステナブルな企業経営に必要だと思います。
この特集では、ナッジ、プロスペクト効果、現状志向バイアス、ハロー効果、バンドワゴン効果、返報性、ザイアンス効果などの心理学用語分かりやすく解説されています。
マーケティングに興味のある方には、ぜひ読んでいただきたい今週の日経ビジネス誌です。