「この国に足りないのはただ一つ、マーケティングだ」
神田昌典さんの新刊が出版されました。

未来実現マーケティング 人生と社会の変革を加速する35の技術
神田昌典著 PHPビジネス新書 1020円+税
同書は、著者が本格的に「ソーシャル」にシフトしたことを集大成した一冊。
SDGsの17の目標を実現するために、マーケティングを活用していこうというものです。
マーケターとしての武器、手法、方法論を具体的にまとめています。
フィリップ・コトラー博士のマーケティング3.0を実務ベースで具体化しています。
持続可能な経済成長・・・この国、いや、この世界、地球をサステナブルな資本主義と同居させていくためには、行動、アクションが必要だというのが著者の訴えです。
ESG、SDGsにマーケティングを連動させることにより、明るい未来が到来すると著者は言います。
VIPプライス、逆転ポジショニング、ザ・モデル、コネクテッド戦略、子ども商品開発プロジェクト、ビジネスモデルキャンパス、逆算思考、未来地図など、著者が実務で活用してきたマーケティングの方法論が具体的にまとめられています。
同書の最終章で紹介されている「SDGsはDNAのらせん構造だ」という指摘。
17の目標は、らせん状に有機的に連動しているというのです。
「貧困」×「パートナーシップ」
「飢餓」×「平和と公正」
「健康」×「陸の豊かさ」
「教育」×「海の豊かさ」
「ジェンダー平等」×「気候変動」
「安全な水」×「つくる責任つかう責任」
「エネルギー」×「まちづくり」
「働きがい」×「人や国の不平等」
例えば、「飢餓」は単に食糧がないということではなく、戦争や疫病などで飢餓地域に食糧が届けられないため・・・ちょうどコインの表と裏の関係だと著者は指摘します。
なるほどです。
ここを読むだけでもSDGsの理解がかなり深まります。
SDGsもバズワードになりつつある昨今。
上着にネットで1000円で買ったSDGsバッジ・・・日本だけの現象のようで、欧米のビジネスパースンにはあまり見られないそうです。
「なんちゃってSDGs」「SDGsウォッシュ」も目立ち始めた昨今。
同書は、行動に移るための良きチャンス、ヒントをいただける一冊です。
特にマーケターや経営企画の方は必読の一冊です。