それにしても、世の中、コツコツ地道に研究される人がいるものだと感心してしまいます。
面白い本を購入しました。
日本語 笑いの技法辞典
中村明著 岩波書店 3400円+税
神田神保町・岩波書店の知的なユーモアとエスプリを感じます。
マルセル・パニョルの名著「笑いについて」以来、岩波は笑いとインテリジェンスを大切にしているようです。
著者の中村さんは、1935年生まれ。
国立国語研究所室長などを経て母校の早稲田大学の教授をされていました。
姉妹書として、「音の表現辞典」「感情表現辞典」なども出されていますが、今回の「笑いの技法辞典」は、日本語の世界をもっとディープに掘り起こした大作です。
実に、630ページ。
日本の名著、落語、漫才などから、笑いのテクニックを抽出しています。
あまりに冷静に、かつ学術的に読んでいくと半分以上のネタは笑えませんが・・・笑。
笑いを、12類287種に整理するという、膨大な研究です。
「笑い」は、展開、間接、転換、多重、拡大、逸脱、摩擦、人物、対人、失態、妙想、機微の12に分類されるそうです。
ドイツのレストランにて
客「ワインの中にハエが泳いでいるじゃないか!」
ボーイ「そんな小さなハエじゃ、たいして飲めませんよ」
じゃんじゃん・・・
教室にて
先生「三羽の鳥が木の枝にとまっていました。ハンターがやってきて、一羽を打ち落としました。木の枝には何羽残っているでしょうか?」
児童「ゼロです。」
先生「キミは引き算というものが分かっていないね。」
児童「先生こそ鳥のことが全く分かっていないよ。銃声がしたとたんに鳥たちは飛び立ちますからね。」
じゃんじゃん・・・
調べる辞典というよりは、読んで楽しむ辞典だと思います。
笑いのネタは、この本の中に3000以上あると思います。
一ネタ、1円・・・とてもお得な一冊です(笑)。
新型コロナウィルスの自粛、ステイホームの中、チビチビやりながら読んでみようと思います。