素人の若者が撮ったネコの動画が、プロの映像クリエイターが撮った映像を凌駕する・・・。
シロウトがプロを喰う・・・大変な時代になりました。
昔、「ヘタうま」というクリエィティブの流儀、技法がありましたが、こちらはプロがプロを喰う奇襲攻撃でした。
デジタル、イノベーション、DX・・・時代は変わりました。
今までは考えられなかった事象がおこるwebの世界です。
シェアや「いいね」、ポストなどで、バズったり、大ブレークすることが多々あります。
電通のコピーライター橋口幸生さんは、「コピーライターは猫に勝てるか?」という命題を立て、一冊の本にまとめています。
100万回シェアされるコピー いますぐ使えるwebコピー「4つのルール」
橋口幸生著 誠文堂新光社刊 1500円+税
著者は言います。
「ソーシャルメディアは、発信からシェアに変えた」
「短文と断定がソーシャルメディア」
今までとは異なるSNSの世界・・・コトバもコピー(広告文案)も変わっていくになります。
たった10文字・・・バズった「保育園落ちた日本死ね」というSNSでの発信は社会を動かしたこともありました。
著者は、web上でのコピーのほとんどが「4つのルール」に沿って作られていると指摘します。
1 本音
2 驚き
3 共感
4 反感
実にシンブルです。
各章には、「まとめ」がある親切な本になっています。
1 本音
・ソーシャルメディアは背伸びリア充空間。本音が逆に目立つ。
・イベントにうまく乗る
・ストレートなメッセージは反転させてみる
2 驚き
・驚きには「回収型」「非回収型」の2種類がある。
・ネタばらしするのが「回収型」。商品の直接訴求に向いている。
・ネタばらししないのが「非回収型」。
・会話をうむ訴求点を設定する。
3 共感
・ソーシャルメディアは「放課後の教室」。共感できる話題がシェアされる。
・「揶揄」と「LOVE」が共感される。
・ウェブにアーカイブされることを意識する。
4 反感
・反感も共感のうち。
・反感コピーは賛否でそれぞれからシェアされるので拡散が倍になる。
・テンプレートとして使えるコピーはパロディとしてシェアされる。
・炎上対策は「特定しないこと」と「商品力」。
著者が強調するのが「よいコピーとは共感と発見」。
誰かに何かを気づかせることがプロフェッショナルとしてのコピーライターであると喝破します。
そのとおりだと思います。
最近、生成AI、ChatGPTにコピー案を書いてもらうことが多いのですが、そのアウトプットはなかなか秀逸です。
プロンプトをうまく入れれば、コピー文案やネーミング案が山のように出てきます。
デジタルのイノベーションから、コピーライターやデザイナーの失業も考えられます。
むしろ、こちらの方が脅威かもしれません。
同書の装丁、デザイン、イラスト、写真は、さすが誠文堂新光社、広告代理店。
美しく素敵なデザインになっています。
また、たくさんの事例、ケーススタディが掲載されており、学びが深まります。
webの世界に関心のある方に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。