日本を代表する企業における不祥事や事故、過失・・・。
世界最高水準にあったニッポンの品質管理にも疑問符がついています。
消費者や株主をはじめとするステークホルダーにも多大な影響を及ぼしています。
日本の真面目な社員・・・ミスや不正は現場の怠慢や倫理観の欠如ではないと思います。
それよりも、組織作りや会社の風土、目標設定など「経営の失敗」に起因している方が多いのではないでしょうか。
今週の日経ビジネス誌2024.8.26号の特集記事は「失敗を生かす経営 トヨタ・小林製薬・三菱電機の教訓」。
失敗を続ける日本の会社の処方箋を提言しています。
Contents
Part1 繰り返す不正・過失 経営の不作為あらわ
Part2 痛恨の不祥事を企業改革の糧に
Part3 失敗する組織 3つの共通点と対策
日本企業の不正に共通する原因構造として5つの点を指摘しています。
1 タイトなスケジュール
2 無理な目標設定、開発中の目標引上げ
3 人員、予算、機材の不足 過度のコスト削減
4 目標達成に対する極度のプレッシャー
5 社内における立場の弱さ
体育会的な会社組織に多く見られる内容になっています。
そんな組織で働く労働者は、日々「無理ゲー」をさせられることになります。
働き方改革やワークライフバランスどころではない、社畜の世界です。
この特集記事では、不正でタメージを受けた三菱電機、事故を起こした三井化学などの再発防止のための社内改革についてのケースが取り上げられています。
また、内部通報制度を機能させるための工夫や忙しすぎる中間管理職の仕事量を減らすことなどの提言も出ており、たいへん参考になります。
最後のセッションでは、「思い込み」と「緊張」に勝つ6つの習慣を取り上げています。
白井伸之介大阪大学名誉教授の研究成果で、実務に役立ちそうです。
ミスを防ぐ習慣(心理学的アプローチ)
1 人間はいつも「自分に都合の良い思い込み」に支配されていることを理解する
2 数字や客観的な事実に基づいて判断や行動を決める
3 仕事の進め方や成果物について身近な人から「辛口」の意見をもらう
ミスを防ぐ習慣(脳科学的アプローチ)
4 緊張がほぐれる自分なりのルーティンを確立する
5 達成するゴールを具体的に設定し、段取りを決めてから行動する
6 作業は細切れにせず「まとまった時間」を確保し、一つずつ終わらせる
何事も失敗はつきもの・・・。
再発しないために具体的に何をするか?を自問自答し、行動することが最重要になります。