広島市の中心部にある旧日本銀行広島支店。
被爆建物です。
1945年8月15日に世界で初めて原子爆弾が投下された広島市。
14万人の市民や軍属、アジアや米人捕虜の人たちが一瞬の間に虐殺されました。
現在、旧日本銀行広島支店の1階ロビーで「命を描く 山内若菜 広島展 過去と現在、そして未来へ」が開催されています。
山内若菜さんは、1977年神奈川県生まれ。
武蔵野美大を出て、シベリア抑留を忘れないための文化交流、福島でのフィールドワーク、横浜市での芸術鑑賞授業、ロシア国立極東美術館での作品展などをしている社会派のアーティスト。
2021年には、東山魁夷記念日経日本画大賞に入選、2022年には平塚市美術館に常設展示されています。
週末、ギャラリートークが開催されました。
旧日銀の高い天井から吊り下げられた巨大な絵画、オブジェ・・・迫力があります。
特に、「命と希望の三部作」広島・長崎・福島を描いた大作は圧巻です。
山内若菜さんからの作品の説明がありました。
命の尊さ、平和の大切さ、生きる人間や動物・・・力強いタッチで描かれています。
小柄なお譲さんが、これだけのパワフルな作品を描かれたことに驚かされます。
山内さんは、被爆建物であるこの旧日銀広島支店で個展を開くことが夢だったそうです。
「命」「生」を描く山内さん。
巨大な絵、オブジェに圧倒されます。
シャガールの画を彷彿させる動物たちが美しく素敵です。
山内さんは言います。
「広島の町を歩いていると、思わず立ち止まり、見入ってしまう光景に出会います。
いつ歩いても、新しい発見があり、町全体がまるでアート作品のように感じられ、同時に遺されたものから、声なき声が聞こえてくるような、それが私にとっての広島です。」
歩いて移動できるコンパクトシティ広島・・・山内さんが街の光景を切り取ってたくさんの作品にまとめられています。
山内若菜 広島展は、明日25日までの開催です。
入場料無料。
14時からはギャラリートークがあり山内さんからの説明を聞くことが出来ます。
お薦めの展覧会です。