資本主義下の中での企業と社会の関係・・・この20年で大きく変化しました。
メセナ、フィラナソロピー、そしてCSR(企業の社会的責任)。
ただ単に儲けるだけでは駄目で、ゴーイングコンサーン(継続企業)としてサステナブルな発展、永続ができなくなってきています。
そして、国連のSDGs、投資家としてのESG(環境・社会・企業統治)、そしてマイケル・ポーター教授が提唱するCSV(Creating Shared Value)が違和感なきスタンダードになってきました。
ポーター教授はHBSハーバードビジネススクールにおいて最年少で教授になった経営学者。
もともと理科系なので、ロジカルで切り口が鋭いお方。
競争戦略、5フォース、バリューチェーン、集中戦略、差別化戦略などを打ち出し、マーケティングの枠組みを築き上げました。
そのポーター教授が提唱するCSV(Creating Shared Value)。
企業が求める経済価値と社会にとっての価値てある社会価値を同時に実現しようというコンセプトです。
まさに、「ソーシャル」です。
この考え方、「日本の資本主義の父」と言われる渋沢栄一の合本主義にも通ずるところがあると思います。
日経ビジネス誌2021.3.1号で岡本慶大教授が解説されている「社会と企業の一挙両得を狙え」が分かりやすいです。
社会課題
・バリューチェーンの社会的インパクト(自社→社会)
・競争環境の社会的側面(社会→自社)
3種類のCSVで社会問題解決を目指す
1 次世代製品、サービス創造
2 バリューチェーン全体の生産性改善
3 地域生態系構築
今からは、この「生態系」というコンセプトが、企業経営やマーケティング、マネジメントにも大きくかかわってくると思います。
約10年前にポーター教授が、CSVを提唱した時にインタビューを受けた時のエピソードがあります。
共和党員で資本主義の申し子のポーター教授への質問。
「競争とか戦略とか企業第一、資本主義第一と言われている教授が、どうしてCSVを打ち出されたのですか?」
ポーター教授は答えました。
「だって、それが一番儲かるから。」
ドラッカー博士もコトラー博士も、キーワードは「ソーシャル」。
その先は、「企業<社会」という図式になっていくと思います。