昔むかし、コピーライターが輝いていた時代がありました。
糸井重里さん、仲畑貴志さん、真木準さん、秋山晶さん・・・キラ星のごとく1行のコピーをひっさげ、新聞媒体、雑誌媒体、ポスター、テレビ媒体、ラジオ媒体に大きく露出していました。
1行100万円というギャラも都市伝説のように語られていました。
当時は、インターネット広告やデジタルサイネージといったものはなく、あくまでアナログ。
切り口の鋭いコピーは、心に突き刺さりました・・・。
大学4年の時には、法学部法律学科だったのですが、
宣伝会議コピーライター養成講座(クボセン)、東京デザイナー学院コピーライティング科に隠れて通っていました。
今でいうダブルスクールというやつでしょうか。
それにしても、あの頃、夜の学校で共に勉強していた学友は元気でやっているのかなあ?
フリーターをしながら通う者・・・アルバイトをしながら学ぶ者・・・田舎から上京して決死の覚悟でコピーライターを目指す者・・・なかなかハングリーで目の輝く若者たちでした。
今にして思うと、世間知らず・・・でも楽しく密度の濃いひと時でした・・・。
そんなわけで、今でもコピー本を見ると、思わず買ってしまう習性があります(笑)。
宣伝会議の「コピーバイブル」や文春文庫の「傑作!広告コピー516」は座右の書。
今回、新たにビジュアルな一冊が加わりました。
「心に残る名作コピー」
パイインターナショナル刊 1900円+税
金色の派手な表紙の同書。
タイトルは、「心に残る名作コピー」。
思いっきりベタです。
「心に残る」という表現は思いっきり手垢が付いた言葉ですし、また、「名作」という表現も書くことがスゴく恥ずかしい言葉です。
でも、それをサラリと使う・・・なかなか出来ないことです。
変化球を待っているのに、予期せぬ直球で、あえなく三振といった感じです。
目次
1.1970-1980年代のコピー
特集・・・としまえん・三和酒類
2.1990年代のコピー
特集・・・岩田屋・大阪府県警本部
3.2000年代のコピー
特集・・・ルミネ
本書は、グラフィックデザイン・・・ポスターや新聞雑誌の表現をそのまま掲載しています。
モノクロ、カラーで当時の面影をそのままに伝えています。
「じふん、新発見」 西武百貨店 コピーライター・糸井重里
「不思議、大好き」 西武百貨店 糸井重里
エジプトのクフ王のピラミッドが懐かしいです。
「おいしい生活」 西武百貨店 糸井重里
ウディ・アレン・・・いましたね~。
「ひとりよりふたり」 丸井 魚住勉
「好きだから、あげる」 丸井 仲畑貴志
「今日は、何時間生きていましたか。」 パルコ 仲畑貴志
「恋を何年、休んでいますか。」 伊勢丹 真木準
「高気圧ガール、はりきる。」 全日空 真木準
「サラリーマンという仕事はありません。」 西武セゾングループ 糸井重里
「諸君。学校出たら、勉強しよう。」 日経新聞
「ボーヤハント」 日本ビクター 真木準
「プール 冷えてます」 としまえん
「hungry?」 カップヌードル
「恋は、遠い日の花火ではない。」 サントリーオールド
「日本を休もう」 JR東海
「40歳は2度目のハタチ。」 伊勢丹 真木準
「NO MUSIC、NO LIFE」 タワーレコード
こうして見ると、やはり1980年代は、「名作」コピーがたくさん生まれた10年間でした。
当時のコピーを見ると、句読点がアクセントとして、よく効いています。
コピーにもブームがあるんですね。
学校を卒業して、晴れて、広告代理店に入社。
仕事は超ハードながらも、楽しいアドマン生活を送ることができました(過去形です)。
当時のコピーを見るたびに、思い出が走馬灯のように蘇る楽しい瞬間を楽しむことが出来ます。