浅草の花やしき・・・日本最古の遊園地と言われています。
1853年、実に江戸時代、造園師森田六三郎により牡丹と菊細工を主とした「花屋敷」として誕生。
明治時代には遊具が置かれましたが、メインは動物園。虎の五つ子やライオンの赤ちゃんが産まれた動物園でした。
当時の浅草は、浅草六区に代表される日本のブロードウェイ。
映画、演劇、落語、お笑い・・・様々なアミューズメントが集積していました。
今では考えられないほどの人、人、人・・・。
戦後の昭和24年に「浅草花やしき」と改名。
これ以降、豆汽車、豆プール、紙芝居、回転ボート、ジェックコースターが設置されていきます。
この「豆」というのが、浅草花やしきのサバイバルできている秘密です。
本当に狭い敷地の中に重層的に配置された遊具。実に40以上のアトラクション、飲食店、お土産店があります。
花やしきの乗り物・アトラクション
・メリーゴーランド
・ちびっ子観覧車
・スカイシップ
・ちびっ子タクシー
・Beeタワー
・スワン
・スリラーカー
・3Dシアター
・お化け屋敷
・ゴーストの館
・ビックリハウス
・カーニバル
・ぴょんぴょん
・ヘリコプター
・ローラーコースター
・リトルスター
・ディスクオー
・スペースショット
(「豆・・・」が「ちびっ子・・・」に変わっています)
まさに、極度に圧縮されたアミューズメントパークなのです。
ムダなスペースを排除、狭い空間でも射的やゲーム、クレープ店や自動販売機などでうめ、スペース、空間を有効活用しています。
小売業的に、坪単価という指標でいうと、東京ディズニーランドより高いかもしれません。
また、設備投資面でも極度に圧縮。
古くて昭和時代のアトラクションが中心ですが、ここを訪れるお客さんは、最新の遊具を期待していません。
むしろ、昭和レトロを楽しむため、童心に帰るために訪れるのです。
この意味でも、富士急ハイランドや東京ドームシティとは異なる戦略をとっていると言えます。
ここで働く従業員さんたちも、多くは学生アルバイト。子
供目線で笑顔で接する姿勢は、ホスピタリティ、おもてなしの心が溢れんばかり・・・子供たちも、おにいちゃん、おねえちゃん的な存在として認知し、いっしょに楽しそうに遊んでいます。
入場料も大人1000円(子供500円)と決して安くはありません(大人2300円のフリーバスもあります)。
各種アトラクションも200円~500円を追加で支払う必要があり、
一人当たり2500円程度落としているのではないでしょうか?
限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を最大限に活かし、強みを伸張させ、弱みを圧縮する。
・・・まさに、ニッポンの中小企業のお手本だと思います。
集客力抜群の浅草寺のそばという立地を最大限に生かし、150年以上続く花やしき。
この遊園地を見るたびに、その生命力、逞しさに励まされる感じがします。
いつまでも続けていただきたい昭和を代表するアミューズメントパークです。