ベストセラーになった「ライフシフト」に続く「ライフシフト2」が刊行されました。
シリーズ累計で50万部・・・ライフシフトとグラットンサンは日本で一大ブームになりました。
「ライフシフト2」の原題は「The New Long Life」。
テクノロジーの進化と長寿化が進み人生100年時代となる時代、同書は問いかけます。
この変わり続ける世界で、どう生きるか?
ライフシフト2 100年時代の行動戦略
アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン著 池村千秋訳 東洋経済新報社 1800円+税
著者の二人は、ロンドン・ビジネススクール教授。
スコットさんは経済学、グラットンさんは経営学が専門です。
目次
第1部 人間の問題・・・私たちの進歩 私たちの開花
第2部 人間の発明・・・物語 探索 関係
第3部 人間の社会・・・企業の課題 教育機関の課題 政府の課題
同書では、前著の人生3ステージモデル(教育・仕事・引退)という従来の人生では、人生100年時代に対応できないというコンセプトを踏襲し、マルチステージの重要性を具体化していきます。
マルチステージモデルは、人生のどんな場面でも、キャリアチェンジしたり、学んだり、休んだりして最適化していこうというもの。
日本でも、最近、副業や複業、テレワークやモバイルワーク、ワーケーションなど新しい働き方が出てくるようになりました。
同書では、金沢市に住むヒロキとマドカという20歳代のカップルの日本人も登場します。
親世代では想像もつかなかったようなニッポンの会社の雇用がどう変わっていくかも注目する必要がありますね。
メインとなるのは、第2部。
人生を「物語」「探索」「関係」で再構築せよと提唱します。
「物語」・・・自分の人生のストーリーを紡ぐ 年齢、時間、仕事に対する考え方を変える
「探索」・・・学習と移行に取り組む 生涯にわたって学び続ける
「関係」・・・深い結びつきを作り出す 家族・子ども・世代
前著に続き、学び続け、自分をアップデートしていくことの重要性を指摘します。
第6章の「企業の課題」は、人事労務担当者の方に読んでいただきたいセッションです。
・マルチステージの生き方を可能にする人事制度
・入社年齢を多様化する
・子育て社員の支援
・学びを支援する
・年齢差別をなくす
・高齢の働き手の生産性を維持する
今回のライフシフト2には、「幸福」についてもアリストテレスの幸福論(エウダイモニア)からの引用があります。
「幸福とは、みずからの可能性を開花させることだ。人生に意味を見出し、充実感を味わえる状態こそが幸福なのだ。」
ライフシフト2は、まさにキャリア・ハピネス論です。