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自動車の歴史 T型フォードからEV、自動運転まで 鈴木均新潟県立大学准教授の新刊 クルマ大好きな大人のための一冊

2023年12月10日 | 本と雑誌

こどもが図鑑を読むように楽しく読める本に出合いました。

自動車の歴史本です。

世界の歴代の名車が100台以上登場、写真もモノクロですが、たくさん載っています。

クルマ好きには、たまらない一冊です。

自動車の歴史 T型フォードからEV、自動運転まで

鈴木均著  中公新書  960円+税

 

著者の鈴木均さんは、新潟県立大学准教授。

主にヨーロッパ史を研究されている学者です。

同書では、自動車という工業製品を通じて、各国の盛衰と国際関係の歴史をたどっていきます。

ジャパンアズNo.1と言われたわが国も、電動化、自動運転、CASE(つながる・自動化・シェア・電動化)といった流れの中で遅れをとっていると言われています。

EVをリードする米国のテスラ社や中国のBYD社・・・トヨタやホンダ、ニッサンは対抗していくことが出来るのでしょうか?

 

目次

序章 自動車産業の夜明け

第1章 大衆車普及への道 終戦と高度成長

第2章 貿易摩擦の時代 省燃費化のスタートからスーパーカーブームまで

第3章 狂乱の80年代 日本車の黄金時代と冷戦終結

第4章 グローバル市場の誕生 台頭する新興国と日本の衰退

第5章 中国の台頭とCASE エコカー・電動化・自動運転の波

第6章 失われた40年か、ブレークスルーか テロとの戦い、気候変動、コロナ危機

学者の執筆ということで参考文献やソースについて、巻末でしっかり紹介されています。

社史や自動車メーカーのHP、著作物なども幅広く紹介されています。

 

メルセデスベンツやフェラーリ、アストンマーチンやルノー・・・伝説のクルマを産み出した自動車メーカーのことがよく理解できる解説です。

また、コラムとして入っている「世界の公用車」の解説も面白かったです。

国の威信をかけた大統領や首相の乗るクルマをどうするか?なかなか興味深いテーマです。

 

これから自動車は、どうなっていくのか?

どこの国、どこのメーカーが主導権を握るのか?

いろいろ想像を膨らませてくれる一冊です。

 

米国では、現在ハイブリッド車が売れているようですし、中国にはEVの墓場があるといった話がネットを賑わせています。

日本国内ではEVバッテリーの充電器は数が少ないですし、充電器の普及にはまだまだ時間がかかりそうです。

EVの普及・・・
ちょっと見当がつかない昨今です。

欧州で生まれた自動車という工業製品、ドイツや英国、フランス、イタリアから米国、日本、そして中国へと工業力、技術力が移っていくことを俯瞰することが出来る一冊です。

大人の絵本、ならぬ大人の字本・・・お薦めの一冊です。


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