東急の二子玉川駅の構内の書店でベスト3に入っていたため思わず手に取った一冊。
原題は、「The 10 Natural Laws of Successful Life Management」。
文庫本ながら475ページの長編です。
やすらぎを得る究極のタイムマネジメント
ハイラム・W・スミス著
ソフトバンク文庫 850円+税
著者は、フランクリン・コヴィーの元会長。
第1章では、自分の時間を守るために「時間泥棒」を排除しようという投げかけから始まりますが、
同書の主題は、自分自身の価値観を尊重して時間の使い方を慎重に吟味しようというもの。
かなりコンセプチュアルです。
忙しいビジネスシーンを、能率的にこなすために、テクニカルな手法によって時間管理しようというハウツーではなく、自分自身ま価値観、大切にする信条をベースとしてジャッジしようという方法論。
まさに、西洋風の陽明学です。
ハイラム・スミスの「成功を約束する10の自然の法則」
1.時間をコントロールすることにより人生をコントロールする。
2.価値観が自己実現の土台である。
3.日々の行動が価値観を反映しているとき、心の安らぎを経験する。
4.有意義な目標は安心領域(安楽と怠惰の習慣)を出ることにより達成される。
5.毎日の計画は集中力を高め、時間の有効活用を可能にする。
6.行動とは、自分の本当の想いを反映したものである。
7.想いが現実に即しているとき、自分の欲求が満たされる。
8.誤った想いを改めることにより、否定的な行動は克服できる。
9.本当の自尊心とは自分の中から生まれてくるものである。
10.多くを与えれば多くを得られる。
同書では、生産性のピラミッド、リアリティー・モデルといったフレームワークを提言しながら、
「結果」に結びつくステップを提示しています。
日本人としては、ごく当たり前な成功へのステップを丁寧に解説していきます。
本書の帯には、「7つの習慣のスティーブン・R・コヴィー博士も大絶賛」というコピー。
単なるハウツー論ではなく、コンセプチュアルな人生のモノサシを付加したところにこの本の売りがあるように思います。
目次
序章 なぜこの本をよまなければならないか
第1章 時間を奪還する
第2章 価値観を発見する
第3章 心の安らぎを体験する
第4章 安心領域から脱出する
第5章 計画的行動を実行する
第6章 想いと行動を合致させる
第7章 欲求と現実を検証する
第8章 誤りを修正する
第9章 自尊心を確認する
第10章 奉仕の精神を抱く
終章 究極の心の安らぎに向かうために
本書の中では、著者のハイラム・スミスさんが経験した実例を中心にリアルなライブ感を感じさせる記述になっています。
新年度、自分の人生を再度見直してみたい、これからの人生設計を考えてみたいという人に読んでいただきたい一冊です。