今日で5月も終わり・・・。
新型コロナウィルスの影響で自粛生活が続いた、この3か月。
脱3密のため、人にも会えず、旅にも出れず、海にも出れず・・・マスク、手洗い、アルコール消毒・・・コロナストレスが溜まってきました。
もう5月も終わり・・・。
仕事も何とかこなしていきましたが、達成感や充実感もなく不発ムード・・・。
ただ、唯一良かったのが、読書時間が大幅に増えたこと。
たくさんの本を読むことが出来ました。
久々に九鬼周造やハイデカー、ドラッカーやトム・ピータースの本を読み返すことの至福。
そんな中、書棚から取り出したのが、朔太郎の詩集。
大好きだった萩原朔太郎(1886~1942)。
「絶望詩人」「日本近代詩の父」と言われる朔太郎・・・個人的には、こんな天才詩人は出てこないと思います。
中也も好きですが、ちょっと生活感がありすぎます・・・それよりも朔太郎。
朔太郎をむさぼるように読んでいた若き日を思い出してしまいました。
ウイスキーをなめながら、読む朔太郎・・・至福のひと時です。
5月も終わりということで・・・
旅上
ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みづいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもはむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに。
そして、夜はふけていきます。
ウイスキーに氷をつぎ足しながら、詩集「青猫」に・・・
青猫
この美しい都会を愛するのはよいことだ
この美しい都会の建築を愛するのはよいことだ
すべてのやさしい女性をもとめるために
すべての高貴な生活をもとめるために
この都にきて賑やかな街路を通るのはよいことだ
街路にそうて立つ桜の並木
そこにも無數の雀がさへづつているではないか。
ああ このおほきな都会の夜にねむれるものは
ただ一疋の青い猫のかげだ
かなしい人類の歴史を語る猫のかげだ
われの求めてやまざる幸福の青い影だ。
いかならん影をもとめて
みぞれふる日にもわれは東京を恋しと思ひしに
そこの裏町の壁にさむくもたれてゐる
このひとのごとき乞食はなにの夢を夢みて居るのか。
夜は更に更けていきます。
朔太郎に乾杯!
皐月・5月よ、さようなら。