夏休み積読(つんどく)解消計画の中で読んだ書店ランキングベスト5に入っている新刊本。
夏休みに読んだ本で、最もインスパイアされた一冊でした。
GAFA 四騎士が創り変えた世界
スコット・ギャロウェイ著 渡会圭子著 東洋経済刊 1800円+税
著者は、ニューヨーク大学スターン経営大学院教授。
MBAでブランド戦略とデジタルマーケティングを教えている方。
しかも、シリアルアントレプレナー(連続起業家)として、実際の起業をし、成功に導き、話の展開に説得力があります。また、ニューヨークタイムズやゲートウェイコンピュータの役員も歴任。
口先だけの理屈だけではない、迫力ある一冊です。
GAFAとは、
Google
Apple
facebook
amazon
の米国経済を牽引する4社のこと。
頭文字を取って、ガーファと呼んでいます。
中国では、百度、アリハバ、テンセントの三つのIT起業を、BATと言うそうです。
目次
第1章 GAFA 4騎士が作り変えた世界
第2章 アマゾン 1兆ドルに最も近い巨人
第3章 アップル ジョブズという教祖を崇める宗教
第4章 フェイスプック 人類の1/4をつなげた怪物
第5章 グーグル 全知全能で無慈悲な神
第6章 四騎士は「ペテン師」から成りあがった
第7章 脳・心・性器を標的にする四騎士
第8章 四騎士が共有する「覇権の8遺伝子」
商品の差別化、ビジョンへの投資、世界展開、好感度、垂直統合、AI、キャリアの箔付けになる、地の利
第9章 NEXT GAFA 第五の騎士は誰なのか
アリババ?テスラ?ウーバー?エアビーアンドビー?ウェルマート?マイクロソフト?・・・
第10章 GAFA以後の世界で生きるための武器
第11章 少数の支配者と多数の農奴が生きる世界
同書で圧巻なのが、「第2章 アマゾン 1兆ドルに最も近い巨人」の米国、いや世界の小売の歴史を解説した部分。
格調高い文章・・・翻訳者の努力もあるのでしょうが、素晴らしい展開になっています。
人類の特性としての、狩猟と採取、男性と女性の性差などをベースにして、
町角の店舗、デパート、ショッピングモール、大規模小売店、専門店、eコマースという小売業の歴史が説明されます。
こんなMBA教授の講義、聞いてみたいです。
そして、結論としての「少数の支配者と多数の農奴が生きる世界」となるのですが、
その前章では、「GAFA以後の世界で生きるための武器」を教えてくれます。
農奴になりたくない日本の20歳代の若者に、ぜひ読んでいただきたい部分です。
心理的成熟、好奇心、当事者意識といった内面的要素、一流のブランド大学に行くこと、資格や証明、何かを成し遂げた経験、都市に出よ、自分のキャリアをよく見せる、新しいものを受け入れる、株購入、好きなことではなく得意なことでキャリアを磨く、不満を口にしない、頑強さ・・・。
百戦錬磨の著者は、50ページを割いて、若者たちに語り掛けます。
不安定な、不確実な経済状況の中でも、上へ上へを目指す米国の若者たち・・・かなりハングリー・・・。
さすが、GAFAを生んだ国、USAです。
コンサバティブな傾向にある日本・・・このままでは、第二の敗戦、植民地化のリスクも高し!です。
「農奴」ばかりの国にしてはいけません。
日本に、NEXT GAFA、第五の騎士を産み出したいものです。