タマ
戻ってくる。
遺骨になって。
今朝は穏やかなお天気。
日向ぼっこ日和だ。
火葬に行く前に
向かいの奥さんに姿を見てもらう。
向かいのネコちゃん(もう亡くなっている)と
仲の悪かったタマ。
向かいの大きな木に登って下りられなくなったタマ。
向かいの畑によく遊びに行っていたタマ。
私が向かいの家に行く時、必ず付いて来たタマ。
人間大好きだったタマ。
19年も生きていれば
あちこちに顔を出して
馴染みの存在だった。
その後
うちの庭、うちの四方を
箱に入ったタマを抱いて
見せてやった。
タマ
あなたがいつも私とかくれんぼをした
西側の庭だよ
あなたが出入りしていた
北側のオーディオの窓だよ
ここはよく遊んだ庭だよ
ここはあなたが最初のころ宿にしていた箱だよ
ここは
あなたがうちに住み始めて建てたサンルームだよ
ここは
ついこの間散歩した東側の庭だよ
思い出が尽きないうちの庭。
全てを見せて
火葬に。
数時間後
赤い刺繍のついた袋に入った骨壷を
受け取りに行く。
すぐにうちに戻ってきた。
今は
いつも寝ていたコタツの上で
カリカリと
スープエサを前にして
座っている。
夫が傍でCDを聴いている。
夫が
タマ、いないんだなあ・・・とつぶやく。
いつもCDを聴く時
椅子に座っていると膝の上に乗ってきたのになあ・・・と。
夫なりに思い出があり
存在の無くなったことに嘆いている。
しばらく
この空虚な気持ちは続くだろう。
でも
人間は立ち直れるから、悲しみから。
良き思い出ばかりがこれからは浮かんでくる。
東京のMさんから
タマの子ネコ時代の写真を送られることになった。
タマの子ネコ時代というのが
なかなかピンと来なくてね。
それはそれは可愛い子ネコ時代だったろうなあと
ワクワクして想像している。
青い目、ちょっと寄った目、丸い目
大きくなっても可愛い顔をしていたもの
子ネコ時代はどんなに可愛いかったかと
写真が楽しみだ。
その時はUPするね。
これから
病院の先生に手紙、Mさんに手紙を書く。
そして少し
今年度の雑になった資料などの片付けだ。