人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

原田慶太楼 ✕ 景山梨乃 ✕ 東京交響楽団でグリエール「ハープ協奏曲」、リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」他を聴く~フェスタサマーミューザ・フィナーレコンサート

2020年08月11日 07時20分55秒 | 日記

11日(火)。わが家に来てから今日で2141日目を迎え、8月のNNNと読売新聞の世論調査によると、安倍内閣を「支持する」と答えた人は37パーセント、「支持しない」と答えた人は54パーセントで、第2次安倍政権発足以来、最高になった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「安倍政権寄り」と言われる読売グループのデータだけに深刻な内閣不信任状態

 

         

 

昨日、夕食に「鶏釜めし」「ちぎり厚揚げと豚バラの和風炒め」「生野菜サラダ」「ジャガイモと玉ねぎの味噌汁」を作りました 釜めしは市販のものですが、便利で美味しいです

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ参加公演「東京交響楽団フィナーレコンサート」を聴きました プログラムは①ショスタコーヴィチ「祝典序曲」、②グリエール「ハープ協奏曲 変ホ長調 作品74 」、③リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」です 演奏は②のハープ独奏=東響首席ハープ奏者・景山梨乃、指揮=原田慶太楼です

原田慶太楼というと アメリカ音楽というイメージがありますが、1985年東京生まれの彼は 指揮をインターロッケン芸術高校音楽科、ロシアのサンクトぺテルブルクで学び、21歳でモスクワ交響楽団を指揮してデビューしています 2020年からアメリカ・ジョージア州サヴァンナ・フィルの音楽・芸術監督に就任、2021年から東京交響楽団の正指揮者に就任が内定しています プレトークで彼が語った「世界的なコロナ禍のなか、海外ではまだ日本ほど本格的なコンサートは開かれていない。会場に聴衆を入れてコンサートを開くことが出来るのは素晴らしいことだ」という言葉が強く印象に残ります

 

     

 

自席は2LA1列35番、2階左バルコニー最前列の右から3つ目です ちょうど第1ヴァイオリンの背中を見る位置に当たります。オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります 弦楽器は14型で、管・打楽器を含め80人を超える大編成です。弦楽奏者はマスクを着用し、譜面台は2人で1台使用します。コンマスは水谷晃です

1曲目はショスタコーヴィチ「祝典序曲」です この曲はドミトリ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1954年にロシア革命37周年演奏会のためにボリショイ劇場の依頼により、わずか3日間で作曲したと言われています モスクワ・オリンピックでも使用されました

原田慶太楼の指揮で金管の晴れやかなファンファーレが鳴り響き、祝祭感と推進力に満ちた演奏が展開します 途中から2階正面のパイプオルガン下に10人のバンダ(ホルン、トランペット、トロンボーン)が登場し、いっそう華やかな演奏を展開します プレトークで原田氏が語ったところによると、この曲は当初演奏する予定はなかったのが、春に「題名のない音楽会」で演奏する予定がコロナの影響で実現しなかったので、今回のプログラムに入れることにしたそうです フェスタサマーミューザのフィナーレコンサートの冒頭を飾るのに相応しい選曲・演奏でした

2曲目はグリエール「ハープ協奏曲 変ホ長調 作品74 」です この曲はレインゴルト・マルケヴィチ・グリエール(1875-1956)が1938年に作曲、同年モスクワで初演されました 第1楽章「モデラート」、第2楽章「主題と変奏」、第3楽章「アレグロ・ジョコーソ」の3楽章から成ります

プレトークでの景山梨乃の話によると、この日に演奏するのは景山さん本人のハープとのこと いつもは楽団所有のハープを使用しているが、自分のハープを舞台で弾いてみたいと思ったとのことです グリーン系の衣装を身にまとった景山梨乃が登場、原田の指揮で第1楽章に入ります。冒頭からハープが入ってきたのは意外でした ひと言でいうと、非常に分かり易く親しみのある曲想の音楽で、耳に自然に入ってきます ハープの音色が美しく響きます 自席からは足の動きが見えるのですが、時に 白鳥が水面下で水かきをするように激しく動かします 華麗な演奏姿の裏では人知れぬ努力があるのですね 第2楽章冒頭、無伴奏で演奏される「主題」はとても美しく優美でした 主題に基づきいくつかの「変奏」がオケの伴奏を伴って演奏されますが、これがまた優雅で聴き惚れてしまいました 第3楽章もハープの魅力満載の演奏が展開しました

カーテンコールが繰り返された後、景山梨乃はル二エ「いたずら小鬼の踊り」を軽快に演奏、大きな拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半はリムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」です この曲はニコライ・アンドロヴィチ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)が「千一夜物語」を題材にして1888年に作曲、同年ペテルブルクで初演されました この曲の大きな特徴は固定楽想を用いていることです 冒頭現れる力強い「シャーリアール王の主題」と、ヴァイオリン・ソロが奏でる優美な「シェエラザードの主題」が全曲を通して登場し、各楽章を有効につないでいきます 第1曲「海とシンドバッドの船」、第2曲「カランダール王子の物語」、第3曲「王子と王女」、第4曲「バグダードの祭、海、青銅の士の立つ岩での難破、終曲」の4つの曲から成ります

原田の指揮で演奏に入ります。原田の指揮は明快で力強くメリハリが効いています オーボエ首席の荒木奏美、クラリネット首席の吉野亜希菜、ファゴット首席の福井蔵、フルート首席の八木瑛子といった木管群の演奏が素晴らしい そして、何より、水谷晃のヴァイオリン・ソロ、伊藤文嗣のチェロ・ソロが素晴らしい とくに水谷による場面ごとの弾き分けは見事と言うしかない演奏でした また、前半でソリストを務めたハープの景山梨乃の演奏も水谷の独奏ヴァイオリンとの対話が素晴らしかったです 金管楽器群は迫力の演奏でした 押し寄せ、うねる海の波を表した弦楽器群は渾身の演奏を展開しました 打楽器群は大地が裂けるばかりでした 彼らの持てる力を十全に引き出した原田慶太楼は、東響の次シーズンからの正指揮者として相応しい人材だと思いました

これをもって、今年の「ミューザの暑い夏=フェスタサマーミューザ」は終わりました 今年は新型コロナの影響で入場者限定(各公演600席)でのライブコンサートとライブ配信とによる変則的な開催となりました 私は11公演をミューザの会場で聴きました すべての公演が終わった今 思うのは、来年はどのような形で開催するのだろうか、ということです

 

     

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「真夏のバッハ Ⅴ 椎名雄一郎パイプオルガン・リサイタル」を聴く ~ 天羽明惠、長瀬正典も出演:フェスタサマーミューザ / 大林宣彦監督「花筐/HANAGATAMI」他の前売り券を取る

2020年08月10日 07時21分34秒 | 日記

10日(月・祝)。昨日午前、池袋Tデパートにテナントとして入居している家具・雑貨量販店Nにスリッパを買いに行きました モコタロを家の中で放し飼いにしているため、う〇こがペットシーツを敷いていないフローリングに散乱していて、たまにゆるいのがあって踏んづけるとスリッパの裏にこびりついてしまうのです あまりにもひどいので買い替えることにしたものです 店に行くとちょうど売場に娘がいたので社員割引で買ってもらうことにしました 「枕カバーもあまりきれいじゃないよね」と言われたので、これも社割で買ってもらうことにしました 3連休はコロナの影響で遠出する人が少ない反動でか、デパートに来るお客が多く混雑が激しくて、テナントで働く者にとってはコロナ感染が怖いと言っていました 「Go  To  トラベル」どころか「Go  To  デパート」になっているようです 困ったものです

その後、池袋の新文芸坐に寄って、15日(土)上映の「追悼・大林宣彦~永遠の魔法~戦後75年の夏に」の前売り指定券を取りました 内容は①「この空の花 長岡花火物語」(160分)、②「野のなななのか」(171分)、③「花筐/HANAGATAMI」(169分)の3本立てで、11時開演~20時20分終演(休憩含めて9時間20分)となっています このうち①はすでに1度観ましたが、この際、また観ようと思います

昨日の朝日朝刊「文化・文芸」欄に「大林宣彦 規格外の遺作 『海辺の映画館』-キネマの玉手箱」のタイトルで、監督の妻・大林恭子さんが大林監督の最新作(遺作)「海辺の映画館」の製作裏話を中心に語っています 「監督は毎回『次は軽い作品を』と言うけれど、そうなったためしがない(笑)。今回も、どんどんスケールが大きくなりました 体はつらかったでしょうが、妥協は全くしなかった。映画作りへの執念はすごかったです」という言葉が印象的です この映画も是非観たいと思います

ということで、わが家に来てから今日で2140日目を迎え、トランプ米大統領は8日、新型コロナウイルス感染症を巡る経済対策の与野党協議が行き詰ったとして、議会での合意を待たず、失業給付加算を減額した上で延長する大統領令に署名し、11月の大統領選に向けてアピールした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「法と秩序」を主張してたのは誰?  三権分立を無視する暴君大統領ここにあり

 

         

 

読売日響から9月3日開催予定の「第26回読響アンサンブル・シリーズ」公演に、予定通り来場するか、欠席するかの意向を聞きたいという内容の案内ハガキが届きました それによると、同公演は客席数を半数以下に減らして開催するため、予定通り来場するか欠席(返金か寄付)するかを8月15日までに返信ハガキで知らせてほしいというものです 来場希望者が客席数の半数(250名)を超えた場合は抽選となるとのことです。私は予定通り聴きたいので、「来場する」にチェックを入れて返信を出しておきました なお、出演者と演奏曲目に変更はないとのことです これ以外に3回公演があるので、同じような措置を取るのでしょうか

 

     

 

         

 

昨夕、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ参加公演「真夏のバッハ Ⅴ  椎名雄一郎パイプオルガン・リサイタル  ~  Back  to  Bach  鍵盤、菅、声の三位一体」を聴きました

自席は1C7列10番。センター左ブロック右から3つ目です 2階正面のパイプオルガンのほか、1階のステージには右サイドにリモート操作卓が、センターにはポジティブオルガンが設置されています

開演に先立ち、ミューザ川崎シンフォニーホール・オルガニストの大木麻理さんとオルガン製作者の横田宗隆氏によるプレトークがありました 女性スタッフがパイプオルガンの裏側にまわり、大木さんの解説に合わせてハンディカメラで無数のパイプをスクリーンに映し出します 大木さんが鍵盤を押すと、それに対応するパイプの前にかざした紙片が風でなびく様子が手に取るように分かります パイプは大小合計5248本もあるそうです パイプは長いもので5メートル、短いもので2センチだそうです またストップが71ありそれだけの種類の音色を出せる優れものとのことです パイプオルガンの裏事情をライブで解説してくれたこのプレトークはとても参考になりました。企画者に拍手を送ります

 

     

 

この日の公演はオール・J.S.バッハ・プログラムです ①トッカータとフーガ  ニ短調 BWV.565、②目覚めよと呼ぶ声あり BWV.645、③フルート・ソナタ 変ホ長調BWV.1031 から第2楽章「シチリアーノ」、④主よ、人の望みの喜びよ(カンタータ 第147番 BWV.147 から第10曲)、⑤幻想曲とフーガ  ト短調 BWV.542、⑥カンタータ第51番BWV.51から第1曲  アリア「全地よ、神に向かいて歓呼せよ」、⑦アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳から「ただあなたが共にいてくだされば」BWV.508、⑧ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ 第3番 BWV.1029から第1楽章、⑨無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調BWV.1007から第3曲「クーラント」、⑩装いせよ、おお愛する魂よ BWV.654、⑪前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV.552「聖アン」です

演奏はパイプオルガン=椎名雄一郎(⑨を除く)、サクソフォン=長瀬正典(③④⑥⑧⑨)、ソプラノ=天羽明惠(⑥⑦)です

椎名氏のあいさつによると、ヨーロッパ諸国では夏にバッハのオルガンコンサートを開催するのが通例になっているそうです それを日本でも、ということでしょう

1曲目はパイプオルガン独奏により「トッカータとフーガ  ニ短調 BWV.565」が演奏されました この曲はヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が作曲した作品の中でも筆頭に挙げられるほど有名なオルガン曲です 個人的には大学時代に喫茶店Hで聴いたストコフスキーによる管弦楽版の”迫ってくる”演奏が忘れられませせん

2曲目の「目覚めよと呼ぶ声あり BWV.645」はカンタータ第140番の第4曲に当たります オルガンでこの曲を聴くと、にわかクリスチャンになります

3曲目は「フルート・ソナタ 変ホ長調BWV.1031」から第2楽章「シチリアーノ」です 原曲はフラウト・トラヴェルソ(フルートの祖先)とチェンバロのために作曲されましたが、椎名氏の解説によると、「バッハ当時のフラウト・トラヴェルソと現代のフルートとは音色が違う。その意味では、19世紀に発明されたサクソフォンで演奏してもおかしくはない いろいろと試してみたが、サックスはパイプオルガンと相性が良いことが分かったので、今回オルガンと合わせることにした」とのことです 確かに、ソプラノ・サックスとパイプオルガンとの相性はバッチリでした

4曲目の「主よ、人の望みの喜びよ」はカンタータ 第147番 「心と口と行いと生活」BWV.147 に登場する第10曲の合唱曲です 心温まる曲想はソプラノ・サックスに良く合います

5曲目はオルガン独奏による「幻想曲とフーガ  ト短調 BWV.542」です 椎名氏の解説によると「この曲はヴァイオリン独奏の響きを想定して作曲された趣がある」とのことです またしても、俄かクリスチャンになりました

プログラム前半の最後は「カンタータ第51番BWV.51」から第1曲  アリア「全地よ、神に向かいて歓呼せよ」です この曲はソプラノ独唱により神への賛美を高い音域で歌い上げる超絶技巧曲です 椎名氏が1階ステージに下りてきてリモート操作卓に着き、長瀬氏が中央にスタンバイし、グリーン系の衣装に身を包まれた天羽明惠が登場、祝祭感に満ちたアリアを歌い始めます 超絶技巧曲のため息継ぎが大変そうですが、そこはプロです 技巧と美しい歌声で乗り越えます ソプラノ・サックスのソロも素晴らしい 実に楽しい演奏でした

 

     

 

プログラム後半の1曲目は「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」から「ただあなたが共にいてくだされば」BWV.508です 実はこの曲はバッハの作曲によるものではなく、ゴットフリート・ハインリッヒ・シュテルツェルのオペラ「ディオメデス、または罪なき勝利」のアリアだそうです 天羽明恵が白の衣装に”お色直し”をして登場、オルガン伴奏により伸びやかに歌い上げました それにしても、2曲を歌うために衣装を2着用意するというのもプロならではでしょうか ギャラがクリーニング代ですっ飛びそう ギャラ、そんなに安くないか

後半2曲目は「ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ 第3番 BWV.1029」から第1楽章をアルト・サックスとオルガンにより演奏します 「ヴィオラ・ダ・ガンバ」というのはエンドピンのない、脚で挟んで演奏するチェロみたいな楽器です。ここでソプラノでなくアルト・サックスを選んだのは正解です

続いて、「無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調BWV.1007」から第3曲「クーラント」がバリトン・サックスにより演奏されました 菅の長さはソプラノ・サックスの3倍あるそうです チェロに対応させる意図でバリトン・サックスを選んだのでしょうが、この辺は、同じサックスでも使い分けが見事です

次いでオルガン独奏により「装いせよ、おお愛する魂よ BWV.654」が壮麗に演奏されました

最後にオルガン独奏により「前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV.552『聖アン』」が演奏されました 椎名氏によると、この曲は当初演奏する予定がなかったそうですが、この公演のタイトルにあるキリスト教の教義「三位一体」を体現した作品を、ということで「変ホ長調」(♭が3つ)の曲で、3つの主題が絡み合うこの曲を演奏することにしたそうです 椎名氏が「三位一体(さんみいったい)であって、3密(さんみつ)ではありません」と解説すると、譜めくりの女性が後ろを向いて「先生ったらぁ、クックックッ」と苦笑している様子が垣間見られました

天羽明惠さんが2曲だけ~?と思っていたら、最後に3人が再登場して、アンコールにバッハのカンタータ「楽しき狩こそわが悦び」BWV.208(狩のカンタータ)の第9曲アリア「羊は憩いて草を食み」を演奏しました この曲はNHK-FMの「朝のバロック」のテーマ音楽として有名です 天羽明惠のソプラノ独唱も良かったし、穏やかな長瀬正典のサックスも素晴らしかったし、椎名雄一郎の通奏低音もしっかりと二人のソリストを支えていました

この日のコンサートは、プレトークをはじめプログラム全般の企画力、出演者のトークから演奏に至るまで、すべてにおいて素晴らしいパフォーマンスでした これが2500円(友の会2250円)というのはとても信じられないコスパです ミューザ川崎の良心を感じます 来年以降も是非続けてほしいと思います

 

     

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梅田俊明 ✕ 村治佳織・松岡裕雅 ✕ 日本フィルで レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲」、ベートーヴェン「交響曲第1番」他を聴く / タンパク質・塩分で夏バテ防止

2020年08月09日 07時24分36秒 | 日記

9日(日)。昨日の日経別刷り「NIKKEI  プラス1」のコラム「元気のココロ」に管理栄養士の安中千絵さんが「タンパク質・塩分で  脱・夏バテ」というテーマで書いています    超訳すると、

「この夏はコロナ禍による疲れもあり、つい口に涼を求めて冷たい麺類など糖質中心のメニューが増えたり、氷菓や飲み物でお腹を膨らませたりして食事がおろそかになる人も多いと思う    こうなると、心配なのがたんぱく質の不足だ 疲労感など夏バテ症状へとつながる。また、高齢者では要介護状態の一歩手前となるフレイル(虚弱)を誘発しかねない タンパク質を摂取しない時間が長く続くと筋肉のタンパク質が分解されてしまう。予防には食事と食事の時間が一番長く空く朝食に、たんぱく質の多い食材を欠かさないようにするとよい 忙しい朝は、冷たいまま食べられる笹かまぼこなどの練りもの、サラダチキン、スライスチーズ、温泉卵、納豆など『包丁いらず』の食材を常備しておくとよい。具もいっしょに調理できる炊き込みご飯などを活用してもよい また水分の取り方も気をつけたい 水分ばかりとって、汗で必要な塩分が排出されてしまうと、消化力の低下につながる 塩が胃や腸の消化液の材料になっているからだ。熱中症予防の水分補強には たんぱく質が手軽にとれる牛乳や豆乳、ドリンクタイプのヨーグルトもお薦めだ

そういえば最近、納豆を食べてないな 朝はパン食だし、夜はビールを飲むとご飯(米)を食べないから、納豆を食べる習慣がないのです 考えてみれば、ビールのつまみに納豆を食べてもいいし、パンに載せてトーストしてもいいし、食べ方はいろいろあるわけです さっそくビールといっしょに買ってこよう

ということで、わが家に来てから今日で2139日目を迎え、トランプ米大統領が、中国の動画投稿サービス「TikTok」の売却交渉を巡り、米連邦政府に売却益を支払うよう要求しているが、明確な法的根拠はなく、大統領の権力を振りかざした過剰介入に困惑や反発が広がっている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプは 大統領権限で何でも手に入ると勘違いしてんじゃね? まるでヤクザだ

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ参加公演「日本フィルハーモニー交響楽団」のコンサートを聴きました プログラムは① レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア  第3組曲」、②武満徹「虹へ向かって、パルマ」、③ベートーヴェン「交響曲 第1番 ハ長調 作品21」です 演奏は②のギター独奏=村治佳織、オーボエ・ダモーレ独奏=松岡裕雅、指揮=梅田俊明です

 

     

 

自席は1C5列38番、1階中央ブロック、実質的に最前列の右から3つ目です。位置的にはコントラバスが目の前です

1曲目はレスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア  第3組曲」です この曲はオットリーノ・レスピーギ(1879-1936)が16から17世紀に出版されたリュート曲をオーケストラのために編曲したものです 1917年に作曲した「リュートのための古風な舞曲とアリア 第1集」、1923年に作曲した「リュートのための古風な舞曲とアリア 第2集」、1931年に作曲した「リュートのための古風な舞曲とアリア 第3集」から選曲した3つの組曲の一つです 第1、第2組曲が管弦楽編曲で、この日演奏する第3組曲は弦楽合奏のために編曲されています 第1組曲「イタリアーナ」、第2組曲「宮廷のアリア」、第3組曲「シチリアーナ」、第4組曲「パッサカリア」の4曲から成ります

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンマスはアシスタント・コンサートマスターの千葉清加です 今回のフェスタでは7月28日の神奈川フィルのコンマスとして客員しました 演奏者は通常通り2人で1台の譜面台を使用します。マスクの着用はありません。指揮者だけがマスクをしています

弦楽奏者は、「イタリアーナ」「シチリアーナ」を中心に、どこか懐かしい音楽を優しい音色で届けてくれました   ピツィカートが爽やかに響きました

2曲目は武満徹「虹へ向かって、パルマ」です この曲は武満徹(1930-1996)が、スペインの画家ジョアン・ミロを追想して1984年にオーボエ・ダモーレとギターとオーケストラのために書いた作品です 「パルマ」はミロが晩年を過ごしたマヨルカ島の中心都市パルマ・デ・マヨルカ滞在中に描かれたことを示しています

ギター独奏の村治佳織が指揮者の左サイドに、オーボエ副主席奏者の松岡裕雅が右サイドにスタンバイし演奏に入ります 村治佳織は今回が3月に演奏して以来とのことです ギターはアンプで音を拡大するのでオケに音が埋もれる心配はそれほどありません 15分弱の短い作品ですが、全体的にドビュッシー風の浮遊感を感じさせる音楽でした 村治佳織を間近で見るのは初めてですが、私が知っている彼女は20代の若い時だったので、アラフォーの彼女は全く別の美女に見えました ギターのソロが素晴らしかったです アンコールに武満徹の「森の中で」から第1曲「ウエインスコット・ポンド~コーネリア・フォスの絵画から」を鮮やかに演奏し、会場いっぱいの拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲 第1番 ハ長調 作品21」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827年)が1799年から1800年にかけて作曲、1800年4月にウィーンのブルク劇場で自らの指揮で初演されました 第1楽章「アダージョ・モルト~アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァ―チェ」、第4楽章「アダージョ~アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

梅田俊明の指揮で第1楽章に入ります フルート、オーボエ、クラリネットといった木管楽器が素晴らしい演奏を展開します 第3楽章は「メヌエット」ですが、ベートーヴェンは第1番から実質的に「スケルツォ」を導入しています 第4楽章は冒頭の短いアダージョに続いてアレグロに入るとベートーヴェン特有の疾走感に満ちた演奏が展開します 弦楽器も管楽器もティンパニも軽やかです ベートーヴェンの交響曲と言えば、第3番”英雄”以降の作品に注目が集まりがちですが、どうしてどうして第1番も第2番も聴きごたえのある作品です この日の日本フィルの演奏はそのことを教えてくれました

梅田✕日本フィルは、アンコールにベートーヴェンのバレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲を軽快に演奏、満場の拍手を浴びました

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飯守泰次郎 ✕ 東京シティ・フィルでブルックナー「交響曲第4番」、ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲を聴く ~ フェスタサマーミューザ

2020年08月08日 07時21分35秒 | 日記

8日(土)。昨日、寝室用に使っているCDプレーヤーがまた故障しました DENONのDCD-50という小型のプレーヤーですが、CDを呑み込んだまま吐き出さなくなってしまいました 今回が3度目です 1回目は購入の11日後で、クナッパーツブッシュのウインナ・ワルツのCDでした 2度目はその17日後で、クルレンティスの「ドン・ジョヴァンニ」のCDでした そして3度目の今回はガーディナーとレヴィン(ピアノ)によるベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」のCDです CDを呑み込んだまま出てこないのに加え、他のCDも2回に1度は再生できないというオマケまでついています 購入後3か月以内に3度も同じ故障で修理に出さなければならないというのは明らかに欠陥商品です 文句を言っていても埒が明かないので、昨日午前中に重いプレーヤーをバスに乗って池袋のBカメラに持っていきました いくら保証期間内で修理代は無料と言っても、この不快感はお金に換算できません メーカーには真面目に修理してほしいと思います。仏の顔も三度です。これで最後にしたいと思います

その午後、川崎にコンサートを聴きに行くついでに、元の職場の旧友会(OB会)の会計監査をするため、久しぶりに内幸町のNPCビルの管理事務所を訪ねました 監査後、T専務とA監査役とよもやま話をしましたが、NPCビルは新型コロナウイルス感染者はゼロとのことでした 内外の要人を迎えて記者会見を行うビルなので、衛生面には普段から気をつけていますが、一安心しました

ということで、わが家に来てから今日で2138日目を迎え、ニューヨーク州のジェームズ司法長官(民主)は6日、銃所持の権利を主張し国内最強の政治圧力団体として知られる全米ライフル協会(NRA)で 幹部による資金流用などの不正が横行しているとして、協会の解散を求める民事訴訟を起こしたが、NRAは2016年にトランプ陣営の支援に3000万ドル(約31億円)を投じていることから、トランプ氏は「銃規制は自由・自立といった米国の価値観を損なう。NRAはテキサスに拠点を移すべきだ」と語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     銃を規制しないから銃撃事件が絶えないことをトランプは知りながら無視してる

 

         

 

昨日、夕食に「牛タン塩焼き」と「生野菜サラダ」を作りました    昨日は一日中忙しかったので手抜き料理にしました

 

     

 

         

 

昨夕、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ参加公演「東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団」のコンサートを聴きました プログラムは①ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲、②ブルックナー「交響曲 第4番 変ホ長調 ”ロマンティック” 」です 指揮は桂冠名誉指揮者・飯守泰次郎です

下の写真にもある通り、飯守泰次郎 ✕ 東京シティ・フィルのワーグナー&ブルックナーということもあり、チケットは完売です さぞかしオンラインによるライブ配信で我慢した人が多かったことでしょう 自席は1C6列18番。実質的に前から2列目のほぼセンターで、かなり良い席です

 

     

 

1曲目はワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲です 「タンホイザー」はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が1843年から45年にかけて作曲したオペラで、1845年にドレスデンで初演されました その後、1845年~46年、47年、60年~61年(パリ版)に改訂されています このオペラは、中世に実在したミンネゼンガ-の歌合戦を扱い、ウェヌス(ヴィーナス)の虜となった騎士で吟遊詩人のタンホイザーの罪が、領主の娘エリーザベトの純愛と死によって贖われるというストーリーです 序曲は、オペラ全体を集約したもので、序曲だけで物語が完結するような内容です

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び、弦楽器は12型で管・打楽器を含めて65人態勢です 東京シティ・フィルの楽団員は56人なので、第2ヴァイオリンの女性の首席をはじめ9人が客演奏者だと思われます。コンマスは戸澤哲夫氏です 弦楽奏者は2人で1台の譜面台を使用します。マスクの着用はありません

飯守氏がゆったりとした足取りで指揮台に向かいます 前回、飯守氏の指揮に接したのは6月26日の東京交響楽団への客演で、メンデルスゾーン「交響曲第3番」他を演奏した時ですが、その時は重々しい足取りでした この日のプレトークで音楽ジャーナリストの池田卓夫氏が「飯守氏は最近 脚の手術をされた」と語っていたので、そうだったのかと納得しました しかし、昨日はその時とは打って変わって、80歳とは思えないほど元気な様子だったので安心しました

飯守氏の指揮で演奏に入ります 東京シティ・フィルの演奏を聴くのは本当に久しぶりですが、冒頭のホルンが素晴らしい そして弦楽器陣が素晴らしいとあらためて思いました 戸澤氏率いるヴァイオリン・セクションはもちろんですが、特に素晴らしいと思ったのはヴィオラです とても8人で演奏しているとは思えないほど存在感のある演奏をします チェロ軍団も素晴らしい オケ全体を見て感じたのは、ベテラン奏者を中心に、実に楽しそうに演奏していたことです 「われらが飯守親父のもとで演奏できることほど幸せなことはない」といった表情で演奏しています。このことは凄く大事な事に思われます

 

     

 

プログラム後半はブルックナー「交響曲 第4番 変ホ長調 ”ロマンティック” 」です この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1874年に一旦完成し、その後1878年~80年(第2稿)に改訂を加え、1881年2月にウィーン・フィルにより初演されました 各楽章に中世ロマネスク時代への憧れを示す標題的内容があるとし、作曲者自身が「ロマンティック」と名付けました

第1楽章「躍動して、速過ぎず」、第2楽章「アンダンテ・クァジ・アレグレット」、第3楽章「スケルツォ~トリオ:速過ぎずに、いかなる場合も決してひきずらないで」、第4楽章「フィナーレ:躍動して、しかし速過ぎず」の4楽章から成ります

飯守氏の指揮で第1楽章が開始されます 冒頭、弦楽器のトレモロに乗ってホルンが主題を演奏します この演奏は良かったのですが、そのあとの管楽アンサンブルが乱れたのが惜しまれます この曲でもヴィオラ・セクションの健闘が光ります 首席フルートの竹山愛の演奏が素晴らしい 第2楽章は厚みのある弦が頼もしく響きました 第3楽章は狩のホルンが印象的でした また、中間部のレントラー風の舞曲における木管楽器群の演奏が冴えていました 第4楽章はうねる弦楽器、咆哮する管楽器、気持ちよく打ち込まれる打楽器の渾身の演奏が展開、ブルックナーの音の大伽藍を築き上げました

指揮台の上にはブルックナーの総譜が置かれていましたが、飯守氏はページをめくることはありませんでした   暗譜で振るとはいえ楽譜を手元に置くのは飯守氏のブルックナーに対する敬意の表れだと思います

1975年創立の東京シティ・フィルは、今年創立45周年を迎えましたが、この間メンバーも大幅に若返り、着実に充実期を迎えようとしています ここまで来るには過去に常任指揮者を務めた飯守泰次郎氏の力は計り知れないものがあったと思います

オケが客席に向けて全員で一礼しステージを去っても拍手が鳴りやまないため、飯守氏がカーテンコールに応えました 飯守氏の指揮でワーグナーやブルックナーが聴けることは、クラシック音楽愛好家にとって得がたい財産だと思います

 

     

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渡邉一正 ✕ 黒木雪音・阪田知樹・清水和音 ✕ 神奈川フィルで ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番、第4番、第5番」を聴く / 渋谷「名曲喫茶ライオン」 ~ 朝日の記事から

2020年08月07日 07時21分26秒 | 日記

7日(金)。昨日の朝日朝刊「第2東京面」の「ぶらりふらり」コーナーに「渋谷③ 多様な音楽 受け入れてきた街」という見出しの記事が載りました その中に、私が何度も通った「名曲喫茶ライオン」が紹介されていて懐かしく思いました 超訳すると、

「創業1926年。創業者の山寺弥之助が特注した高性能の巨大スピーカーから、深みと広がりのあるクラシック音楽が流れる 夫から経営を引き継ぎ、3代目店長を務める石原圭子さん(86)は『所蔵するレコードは5千枚以上はあります』と話す 午後3時と同7時にはレコードコンサートが開かれる 他の時間は客からのリクエストをかける 石原さんは『コーヒー1杯で1日過ごせるので、詰襟姿の学生さんで満員になったこともある。モーツアルトばかりリクエストするおじさんや、いつも決まった席でくつろぐ白ひげの男性などいろいろな方がいた』と懐かしむ 大声での会話や写真撮影は禁止されているが、時代にあわせてパソコンが使える席も設けた コロナ禍の中、席の間隔をとるなどして営業を続けている

この記事では紹介されていませんが、LPレコードのほか、CDもあります 私が最後に店を訪問した時はコーヒー1杯が500円でしたが、今はいくらなんだろうか? パソコンを使える席を設けた、というのは時代の流れを感じます コーヒーと一緒に運ばれる小さなパンフレットにはレコードコンサートの日時とプログラムが掲載されています 経験から言うと、リクエストは圧倒的に古典派~ロマン派が多いです。特に多いのはバッハ、モーツアルト、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトといったドイツ・オーストリア系の作曲家の作品です 最近はどうでしょうか?  道玄坂・百軒店にあるライオンを 久しぶりに訪ねてみようかと思います

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2137日目を迎え、米SNS大手フェイスブックは5日、学校の早期再開を目指すトランプ米大統領がFOXニュースのインタビューの中で、「子どもは新型コロナに対し実質的に免疫がある」などと主張したことについて、「新型コロナの誤情報に関するルールに違反した」として投稿を削除した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     学校や経済を再開させ 大統領選を有利にしようと 平然と嘘をつくのがトランプ

     

         

 

昨日、夕食に「鳥ももキャベツの味噌マヨガーリック」と「生野菜サラダ」を作りました 鶏もも~は砂糖をちょっと多めに入れ過ぎたようですが、まあまあでした

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ参加公演「神奈川フィルハーモニー管弦楽団」のコンサートを聴きました プログラムはベートーヴェン①ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15、②ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58、③ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73”皇帝”です 演奏は①のピアノ独奏=黒木雪音、②のピアノ独奏=阪田知樹、③のピアノ独奏=清水和音、指揮は渡邉一正です

 

     

 

このフェスタで神奈川フィルの演奏を聴くのは7月28日に川瀬賢太郎の指揮で聴いたドヴォルザーク”新世界より”他のコンサート以来です 自席は1C5列21番。5列とは言え、前の列はコロナ対策でつぶされているので実質的に最前列です。しかもど真ん中のピアノの正面です。抽選でこんな良い席が当たるとはラッキーです

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後方にコントラバスという並び 譜面台は1人が1台を使用します。コンマスは崎谷直人です

1曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が1794年から翌95年にかけて作曲(1800年改訂)、1895年にウィーンで初演されました 「第2番」よりあとに作曲されましたが、出版が8か月ほど早かったため「第1番」に数えられています 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・スケルツァンド」の3楽章から成ります

黄色を基調とした晴れやかな衣装に身を包まれたソリストの黒木雪音が登場、ピアノに向かいます 現在、昭和音楽大学ピアノ演奏家コース4年在学中で、数々の入賞歴があります

渡邉一正の指揮で演奏に入ります ソリストの演奏では、特に第2楽章「ラルゴ」のロマンティックな演奏が印象に残りました 将来が楽しみなピアニストです

 

     

 

15分休憩後の2曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58」です この曲は1805年から翌06年にかけて作曲され、1807年にウィーンのロブコヴィツ侯爵邸で私的に初演され、同年アン・デア・ウィーン劇場で公開初演されました この時期は、「交響曲第4番」「ピアノ・ソナタ”熱情”」「ラズモフスキー弦楽四重奏曲(全3曲)」などの傑作が次々と書かれた充実期でした 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「ロンド:ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

ソリストの阪田知樹は1993年名古屋市生まれ(とても27歳には見えない!)。2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位を獲得している実力者です 東京藝大を経て、ハノーファー音楽演劇メディア大学ソリスト課程ピアノ科に在籍しています

ソリストがピアノに向かい第1楽章がピアノ・ソロで開始されます 阪田氏の演奏を聴いていて感じるのは、感情の赴くままに演奏するというのとは真逆で、常に冷静沈着で知的な演奏を展開します 第1楽章のカデンツァはベートーヴェンが2曲書いていますが、阪田氏の弾いたのは超絶技巧で長大なカデンツァだったので、ロマン派以降の作曲家によるものだと思います 例えばゴドフスキ―とか このカデンツァも激しいなかにも冷めた目を感じる演奏でした 第2楽章冒頭はオケによる呼びかけと、ピアノの返答から開始されますが、神秘的なこの音楽による会話はよく映画で使われます 第3楽章は、一転推進力に満ちた音楽が展開します 阪田氏は抜群のリズム感で軽快に弾き切りました。個人的にはイチオシの若手ピアニストです

 

     

 

15分休憩後の3曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73”皇帝”」です この曲は1809年に作曲され、1811年11月にライプツィヒで初演されました 演奏者に任せるカデンツァを廃止するなど古典派協奏曲の枠を超えた壮大な作品です どうやら、ベートーヴェンは他人が自分勝手な解釈で演奏するカデンツァが我慢ならなかったようです 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・ウン・ポコ・モッソ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

1981年、ロン・ティボー国際コンクール・ピアノ部門優勝者の清水和音がピアノに向かい、第1楽章が雄大なピアノ・ソロで開始されます とにかくこの人の演奏はパワフルです ピアニストの中ではベテランの域に達しており、コンチェルトのレパートリーも多く、余裕さえ感じさせる演奏スタイルですが、演奏家にはいつも「いま作曲されたばかりの作品である」と思えるような新鮮な印象を与える演奏をしてほしいと思います 「言うは易く行うは難し」ということは分かっていますが

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新国立オペラ、ブリテン「夏の夜の夢」チケット申し込み / 山田洋二監督「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」&「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」を観る

2020年08月06日 07時18分56秒 | 日記

6日(木)。新国立劇場から「オペラ『夏の夜の夢』実施決定のお知らせと2020/2021シーズンオペラ公演特別先行販売のご案内」が届きました それによると、「新シーズン第1作目のブリテン『夏の夜の夢』を新型コロナウイルス感染予防・拡散防止への対応策を徹底した上で実施する 当初予定していたデヴィッド・マクヴィカー演出による舞台上演から『ニューノーマル時代の新演出版』に変更して上演する チケットの販売は2020/2021シーズンオペラセット券を申し込んだ人と、クラブ・ジ・アトレVISAゴールドカード会員を対象に、会員先行販売に先がけて特別先行販売期間を設ける」としています 私はオペラ・フルシリーズ継続のアトレ会員なので「特別先行販売」の対象となります。さっそく申込書に必要事項を記入して申し込んでおきました 本当はS席を申し込みたいところですが、チラシを見ると、海外からの歌手陣が複数含まれており、10月に来日できるかどうか分からないので、A席にしておきました

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2136日目を迎え、大相撲の幕内 阿炎(あび)は、不要不急の外出自粛を求める日本相撲協会の新型コロナウイルス感染予防ガイドラインに違反して、夜の接待を伴う店で会食していたことが明らかになったことに伴い、協会に引退届を提出したことが分かった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     コロナ禍 夜の接待を伴う店で 阿炎叫喚の大騒ぎをしたら 非難を阿炎るのは当然!

 

         

 

昨日、夕食に「豚もやし炒めのおろしポン酢かけ」「生野菜サラダ」「キャベツと玉ねぎの味噌汁」を作りました。「豚もやし~」は、レシピには「もやしのひげ根を取る」と書かれていましたが、そんな流暢なことはやりませんでした 大根おろしを多めにしてポン酢をかけるとすごく美味しいです

 

     

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐で「男はつらいよ  寅次郎相合い傘」と「男はつらいよ  寅次郎夕焼け小焼け」の2本立てを観ました

「男はつらいよ  寅次郎相合い傘」は山田洋二監督による1975年製作映画(91分)で、シリーズ第15作目の作品です 第11作目「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」に次いで浅丘ルリ子がマドンナを演じます 物語は、東北のある田舎町で寅(渥美清)は、自宅から蒸発して放浪している兵頭謙次郎(船越英二)と出逢い、さらに函館でリリー(浅丘ルリ子)と再会した寅は3人で旅を続ける そこでリリーと喧嘩別れした寅は気になりながらも一人で柴又へ帰る 数日後、柴又を訪ねて来たリリーをとらや一家で大歓迎する 寅とリリーは夫婦気取りで街を歩くので二人は夫婦になるのではないかと噂が立つ ある日、さくらがリリーに寅との結婚について訊いたところ、リリーは承諾する ところがそのことを寅に伝えると「冗談だろう」と相手にしない。それを聞いたリリーは「そうよ、冗談よ」と寂しそうにとらやを去っていく

 

     

 

「男はつらいよ」シリーズは、タイトルが出る前に有名な「夢のシーン」があります この映画では、寅が海賊船のキャプテン・タイガー(寅)になって悪者を懲らしめるというストーリーですが、故郷のカツシカ島を懐かしむシーンでは「家路」=ドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界より”」の第2楽章「ラールゴ」のメロディーが流れます 山田監督は何気ないシーンでクラシックを有効に使っています 吉永小百合がマドンナを務めた「柴又慕情」ではヨハン・シュトラウス2世の「春の声」を、大原麗子がマドンナを務めた「噂の寅次郎」ではモーツアルトの「ピアノ協奏曲第23番K.488」を・・・・と挙げていったらキリがありません

この映画では、浅丘ルリ子演じるリリーが「女は守ってあげなきゃならないと思ってるなんて、男の思い上がりだよ」と啖呵を切るシーンがあります 山田監督は当時の時代風潮を掬い取って「自立した女性」をリリーに託したのです

この映画にはシリーズ屈指の名シーンがあります 兵頭が寅に旅先で世話になったお礼にと持参したメロンを、おばちゃんが寅を勘定に入れずに切り分けてみんなで食べているところに タイミング悪く寅が帰ってきて、「俺の分をもらおうか」と言って大騒ぎになる「メロン事件」です    寅が容赦なくおいちゃんやおばちゃんやさくらに「どうせ俺は勘定外だよ」と文句を言うので、怒ったおいちゃんが「そんなにメロンが食べたかったらこれで買って、頭からかぶりつけ」と怒鳴ってお金を投げつけます それに怒った寅がおいちゃんに掴みかかると、リリーが「情けないねえ。こんなに優しい家族に支えられているのに、メロン一切れぐらいで文句を言ったりして 本来なら、皆さんいつもお世話になっております。これはいただきものですが、私は結構ですので皆さんで召し上がってください、と言うのが筋じゃあないのかい」と啖呵を切ると、寅は「かわいげのない女だねえ」と言ってプイと出て行ってしまいます。このシーンは何回見ても可笑しくて、やがて悲しくなります

 

     

 

         

 

「男はつらいよ  寅次郎夕焼け小焼け」は山田洋二監督による1976年製作映画(109分)で、シリーズ第17作目の作品です マドンナは太地喜和子です

寅は場末の酒場で胡散臭い老人(宇野重吉)と出逢う。意気投合して家に連れて帰り泊める ところが、この老人はとらや一家を使用人のようにこき使うばかりで何もしない この老人はとらやを旅館と勘違いしていたのだった 世話になったお礼にと1枚の紙にサラサラと絵を描き、神田の大雅堂に持っていけば金になると言われ、寅が絵を店の主人に見せると7万円で買い取った 実は、この老人は日本画壇の第一人者・池ノ内青観だったのだ 数日後、青観が生まれ故郷の竜野へ市の招待で訪ねた時、偶然寅と再会した 寅は青観の代理で芸者ぼたん(太地喜和子)らと遊び歩く。そして寅は一人で柴又に帰った。夏がきて、ぼたんが突然とらやを訪ねてくる 苦労して貯めた200万円をある男に貸したまま逃げられたが、その男が東京にいるので会いに来たのだった 寅はいきり立つが、経営が解る隣の社長(太宰久雄)をぼたんに同行させて男に会いに行かせた しかし、男は大きな中華料理屋を経営しているが、店は妻名義で一銭もないと言って払おうとしなかった それを聞いた寅は烈火のごとく怒ったが、ぼたんは「その気持ちだけでうれしい」と涙を流す 寅は青観に事情を話して絵を描いて金にしようとしたが、青観は「金のために絵を描くことはできない」とはねつける 夏も盛りの頃、旅に出た寅はぼたんのいる竜野を再訪した。ぼたんの家に青観の絵が届けられているのを見た寅は、青観を罵ったことを詫びるために、東京の方角に向かって感謝の言葉を繰り返すのだった

 

     

 

この映画で何が凄いって、太地喜和子の半端ない演技力と存在感です そこにいるだけで周りがパッと明るくなるオーラがあります この映画で山田監督は、「真面目にコツコツと働いて貯めたお金を詐欺同然で奪って平然としている奴は許せない」というメッセージを発信しています また、人は外見で判断してはならないし、相手のことを親身になって考えてあげれば気持ちは通じるものだというメッセージも送っています

「男はつらいよ  寅次郎相合い傘」にしても「男はつらいよ  寅次郎夕焼け小焼け」にしても、何度観ても可笑しくて笑ってしまいますが、それと同時に、寅はなんと純粋で一途なんだろう、と泣けてきます 「笑いとペーソス」「可笑しくもあり、悲しくもある」それが「男はつらいよ」シリーズの魅力です

 

     

     

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久石譲 ✕ 豊嶋泰嗣 ✕ 新日本フィルでベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」、「交響曲第7番」他を聴く ~ フェスタサマーミューザ / コロナとインフルエンザの死者比較

2020年08月05日 07時20分58秒 | 日記

5日(水)。昨日の日経朝刊「経済教室」に大阪大学名誉教授・猪木武徳氏が「アフターコロナを探る㊤  相互理解・連携の衰弱一段と」というテーマで論考を寄せていました その中で、これまでの季節性インフルエンザと新型コロナの死亡者数の比較が国別に示されていてます。新型コロナの死者数はReal Clear Politicsが公表する7月末の数値で、季節性インフルエンザの死者数はCDCとWHOの数値とのことです。それによると、主要各国における①新型コロナによる死者数、②インフルエンザによる死者数は次の通りです

アメリカ ①156,747人  ②40,905人

ブラジル ①92,568人 ②16,910人

メキシコ ①46,688人 ②6,075人

英国   ①46,119人 ②13,879人

インド  ①36,551人 ②362,108人

イタリア ①35,141人 ②10,058人

フランス ①30,265人 ②9,199人

スペイン ①28,445人 ②8,091人

ドイツ  ①9,224人 ②16,876人

中国   ①4,634人 ②91,814人

インドネシア ①5,131人 ②59,453人

日本   ①1,006人 ②38,951人

韓国   ①301人  ②7,146人

これを見ると、新型コロナとインフルエンザによる死者数の関係は国によって大きく異なることがわかります アメリカをはじめブラジル、英国、イタリア、フランス、スペイン、メキシコなどは新型コロナの死者数がインフルエンザのそれを大きく上回っています その一方、新型コロナの死者数が1万人以下の国~中国、インドネシア、日本、韓国ではインフルエンザの死者数の方がはるかに多い結果となっています これを見ると、日本は新型コロナばかりに目を奪われている訳にはいかないのではないか、と思ってしまいます

そう思っていたら、同じ日経の社会面に「インフル・コロナ同時検査を 感染症学会提言 冬の流行に備え」という見出しの記事が載っていました 超訳すると、

「日本感染症学会は3日、冬に新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの双方が流行した場合の望ましい診療方法などをまとめた提言を発表した 診療にあたる医師に対し、発熱やせきなどの症状がある患者では両方の可能性を考慮し、できるだけ両方の検査を実施することを推奨した 医療関係者や高齢者へのインフルエンザワクチンの接種も促している。新型コロナやインフルエンザのおそれがある患者に対しては、その地域の新型コロナの流行状況や患者の直近2週間の行動履歴から、新型コロナに感染しているリスクが通常より高いかどうかを判断すべきと記した

新型コロナにしてもインフルエンザにしても、対処法は共通しているので、われわれ一般市民が罹患しないためには、普段から 頻繁な手指の消毒やマスクの着用などを心がけることが重要だと思います

ということで、わが家に来てから今日で2135日目を迎え、トランプ米大統領は3日の記者会見で新型コロナウイルスの新規感染状況について「スペイン、ドイツ、フランス、オーストラリア、日本、香港は感染が短期間で再び急増している。日本は6倍になった」と語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     誰が考えたって 米国の感染症拡大を棚に上げて 政権批判を回避しようとしている

 

         

 

昨日、夕食に勝浦市在住の大学時代の友人S君が送ってくれた秋刀魚を塩焼きにして、「生野菜サラダ」「ジャガイモと玉ねぎの味噌汁」を作り、買ってきた「ヒラマサの刺身」と一緒に食べました 秋刀魚がとても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ参加公演「新日本フィルハーモニー交響楽団」のコンサートを聴きました プログラムは①久石譲「Encounter  for  String  Orchestra」、②ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」、③同「交響曲 第7番 イ長調 作品92」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=豊嶋泰嗣、指揮=久石譲です

豊島泰嗣氏は1986年に桐朋学園大学を卒業と同時に新日本フィルのコンマスに就任、1997年からは同楽団とともに九州交響楽団のコンマスを兼任し、現在は新日本フィルのソロ・コンサートマスターを務めています 久石譲氏は「風の谷のナウシカ」以降の宮崎駿監督全作品ほか数多くの映画音楽を手掛け、日本アカデミー賞優秀音楽賞など国内外で受賞歴が多数あります 今年9月から新日本フィルの Conposer in Residence and Music Partner に就任予定です

開演に先立ち、ヴァイオリン=チェ・ムンス、ビルマン聡平、ヴィオラ=篠崎友美、チェロ=植木昭雄の4人によりショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第8番ハ短調」の演奏がありました ペラ1枚の曲目解説によると、この曲は「反ファシズムと第2次世界大戦で亡くなられた方への哀歌」であり、4人は「コロナ禍の犠牲になられた方々へ捧げたい」としています 全5楽章から成りますが、続けて演奏されます。4人は静謐、緊迫、諧謔、厳粛が凝縮された各楽章の音楽を、極限までの集中力で演奏しました 素晴らしい曲、素晴らしい演奏でした

 

     

 

さて本番です。自席は2RB2列5番。弦楽奏者のみ配置に着きます。オケは12型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります 譜面台は1人1台を使用し、全員マスクを着用しています

1曲目は久石譲「Encounter  for  String  Orchestra」です 久石氏は国立音楽大学作曲家時代にミニマル・ミュージックに出逢い、研究を進めたといいます この曲は、まさに弦楽オケによる変拍子のミニマル・ミュージックでした

2曲目はベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1805年に作曲、同年アン・デア・ウィーン劇場で初演されました この時期は、「交響曲第4番」「ピアノ協奏曲第4番」「ピアノ・ソナタ”熱情”」などの傑作が次々と生まれた時期で、ロマン・ロランは1804年からの10年間を「傑作の森」と呼んでいます 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ロンド」の3楽章から成ります

管楽器とティンパニが加わり、総勢54人態勢となります ソリストの豊嶋泰嗣氏と指揮の久石譲氏が登場、さっそく第1楽章に入ります ティンパニの4連打に導かれる長いオケの序奏に続いて独奏ヴァイオリンが入ってきます 前半はあまり調子が良くなかったのか、ヴァイオリンが鳴り切っていないように感じます 一方、オケは良く鳴っています クラリネットの重松希巳江、ファゴットの河村幹子が素晴らしい オーボエも素晴らしいと思ったら、1985~1990年に新日本フィルの首席オーボエを務め、東京藝大でも教鞭を執った小畑善昭氏が客演していました 金子亜未、古部賢一の首席二人の相次ぐ退団は大きい いつまでも客員に頼っているわけにはいかないでしょう。どうする、新日本フィル

さて、今回の演奏の聴きどころは第1楽章終盤のカデンツァです ベートーヴェンはこのヴァイオリン協奏曲をピアノ協奏曲に編曲していますが、今回演奏されるカデンツァは、そのピアノ協奏曲に編曲する際にベートーヴェン自身が作ったカデンツァをもとに久石氏が再構築したものです 豊島泰嗣の独奏ヴァイオリンが演奏を始め、しばらくすると植木昭雄のチェロが呼応し、さらに川瀬達也のティンパニがリズムを刻みます いつものヴァイオリンのみのカデンツァを聴き慣れている耳にはちょっとした違和感を感じますが、遊び心に満ちた楽しいカデンツァです この三重奏カデンツァで豊島氏もペースを取り戻したようです オケの万全のフォローと相まって素晴らしい演奏でした 第2楽章、第3楽章へと豊島氏は調子を上げていきました テンポ感の良い久石氏の指揮のもと新日本フィルの面々は分厚い弦を中心にしっかりとソリストを支えました

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲 第7番 イ長調 作品92」です この曲は1811年から翌12年にかけて作曲、1813年にウィーンのルドルフ大公邸で私的に初演され、同年ウィーン大学講堂で公開初演されました 一時期、日本で一世を風靡したテレビ番組「のだめカンタービレ」のテーマ音楽として有名になった曲です 音楽の3要素=リズム、メロディー、ハーモニーのうち、リズムを強調した作品で、ワーグナーは「舞踏の神化」と呼びました 第1楽章「ポコ・ソステヌート~ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「プレスト」、第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」の4楽章から成ります

久石氏の指揮で第1楽章が開始されます ゆったりとした「ポーコ・ソステヌート」から「ヴィヴァーチェ」に入ると、途端に超高速テンポで駆け抜けます この曲でも木管楽器が絶好調です 久石氏は第1楽章が終わると、間を置かずに第2楽章に入ります。「アレグレット」ですが、やはり若干速めのテンポで演奏します 第3楽章は指定通り「プレスト」で駆け抜けます 速いなあと思っていると、第4楽章に入るとそれに輪をかけて超高速で突っ走ります 私が一番良かったと思うのは、終楽章のフィナーレのチェロとコントラバスの重低音です 今回のオケの配置ではコントラバスは左サイドの壁を背にして演奏するので、音が直接跳ね返って聞こえてくるので迫力十分です このフィナーレを含めて、この楽章は「怒涛の快進撃」とでも表現すべき凄まじい演奏でした

私はこれまでこの曲を何度も聴いてきましたが、全楽章を通じてこれほどの高速テンポは初めてです 「久石譲=となりのトトロ」のイメージがすっかり覆されたコンサートでした

 

     

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バッハ・コレギウム・ジャパンでJ.S.バッハ「マタイ受難曲」を聴く ~ 櫻田亮、加来徹、森麻季、青木洋也、渡辺祐介にブラボー!:4月10日の第137回定期演奏会の振替公演

2020年08月04日 07時20分44秒 | 日記

4日(火)。昨日の日経朝刊のコラム「こころの健康学」に認知行動療法研修開発センターの大野裕氏が「不安には『役に立つ心配』を」というテーマで書いていました 超訳すると、

「新型コロナウイルスへの感染が判明した人の数が増えてきて、今まで以上に不安を感じるようになっている人も多いだろう 心配な気持ちが強くなってきたときは、それが役に立つ心配なのか、それとも役に立たない心配なのかを考えてみると良い 役に立たないというのは、『いつになったら新型コロナは終息するのだろう』といった、解決に結びつかないような心配だ いつ終息するかは、感染症の専門家でも予測することができない。私たちは不安なときほどはっきりした結果を求めたくなる しかし、考えてみれば、私たちの生活で確実なことはまずないと言ってよい 翌日何かしようと計画を立てたとしても、それができるかどうかは翌日になってみないとわからない 計画通りにできない可能性を考えても役に立たない。もし心配だったら、計画通りにいかないときにどうするかを考えておくようにするのが普通だろう このように、良くない可能性が現実に起きたときの対応策を考えるようにするのが、役に立つ心配だ 新型コロナウイルス感染症でも、終息するかどうかという予測不能のことで思い悩むのではなく、終息まで長引いたときや終息したときにどうするかを事前に考えておくと、心配が、次につながる役に立つものになる

アメリカ大統領の権威をどん底に貶め、世界を自国中心主義による混乱に巻き込んだトランプは、まさか大統領選で再選されないだろうな・・・というのは「役に立たない心配」なのでしょうね こればかりは アメリカ国民の良心を信じるしかないようです

ということで、わが家に来てから今日で2134日目を迎え、菅義偉官房長官は3日の記者会見で、新型コロナウイルス感染が拡大する中、今月のお盆の帰省に関し「国として県をまたぐ移動を一律に控えてくださいと言っているわけではない」と述べ、「慎重に考えないといけない」とした西村康稔経済再生担当相の前日の発言を軌道修正した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     感染者が急増しようが死者が出ようが「Go  To  トラブル」の経済最優先だもんね

 

         

 

昨日、夕食に「豚の生姜焼き」「生野菜サラダ」「キャベツの中華スープ」を作りました 生姜焼きは、薄切りロースを使いました。隠し味にマヨネーズを入れましたがとても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、正午から東京オペラシティコンサートホールで、バッハ・コレギウム・ジャパンのJ.S.バッハ「マタイ受難曲」を聴きました これは当初4月10日に開催される予定で延期となった「第137回定期演奏会」の振替公演です 新型コロナ対策の観点から①正午開演の部と②18時30分開演の部に分けて、各公演800名に限定して開催することになったものです 当初予定されていた海外からの歌手陣はコロナによる渡航制限により入国できなくなったことから、オール・ジャパンで臨むことになりました

出演は、福音史家=櫻田亮(テノール)、イエス=加来徹(バス)、ソプラノ=森麻季、松井亜希、アルト=青木洋也、久保法之、テノール=中嶋克彦、谷口洋介、バス=浦野智行、渡辺祐介、管弦楽・合唱=バッハ・コレギウム・ジャパン、指揮=鈴木雅明です

「マタイ受難曲」は簡単にいえば「マタイが著したとされる福音書の記事を歌詞としたイエス・キリストの十字架上の死を描く音楽」です この作品は1727年にライプツィヒで初演され、その約100年後の1829年にメンデルスゾーンがバッハの死後初めて公開演奏会で復活演奏して、19世紀におけるバッハ再認識の端緒となりました

通常は指揮者の前方の左右にソリストがスタンバイし、その後方に管弦楽が配置され、コーラス陣は最後方に横一列でスタンバイします それが今回は、指揮者の前にソリスト陣が横並びでスタンバイし、その後方の列にコーラス陣が配置され、最後方列に管弦楽(フルート、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、ヴィオローネ)の2つのグループがオルガンを中心として左右対称に横一列で弓なりに配置される形をとり、チェロの2人が中央前方にスタンバイします 演奏者はチェロを除き、演奏する出番になると立奏する形をとります コーラス陣とソリスト陣の間には約1メートル間隔で飛沫拡散防止のための透明なアクリル板が立てられています 私は2000年からバッハ・コレギウム・ジャパンの定期会員になっているので、毎年のように「マタイ受難曲」か「ヨハネ受難曲」を聴いていますが、コロナ禍の中、今回のような変則的な形で演奏を聴くのは初めてです

いつもはロビーに長い列ができる「プログラム冊子」の販売はありません その代わりに、ステージの2階正面のパイプオルガンの左右スペースに日本語の字幕スーパーが出ます これは(いつもプログラム冊子を買わない)私にとっては とても良いサービスだと思いました さらに、再調整された自席は定期会員席のすぐ近くだったのでラッキーでした

 

     

 

今回の公演で一番素晴らしかったのは、エヴァンゲリスト(福音史家)を歌った櫻田亮です 彼は何度かこのパートを歌っていますが、今回は今まで以上に磨きがかかって、この受難曲の劇的効果を高めていました 次いで良かったのはイエスを歌った加来徹です イエスに相応しい威厳のあるバスで、表現力が素晴らしかったです 3番目に良かったのはソプラノの森麻季です ノンビブラートによる透明感のある美しい歌唱で、聴衆を魅了しました この人は、オペラを歌わせても、歌曲を歌わせても、そして今回のような宗教曲を歌わせても、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれます

アルトを歌った青木洋也は一段と巧くなりました 鈴木雅明氏が根気よく起用しているのが大きいと思います また、ユダ&ピラトを歌った渡辺祐介は力強く存在感のある歌唱を発揮していました

管弦楽のソロでは、オーボエ&オーボエ・ダカッチャの三宮正満、フラウト・トラヴェルソの菅きよみ、前田りり子、ヴァイオリンの若松夏美、高田あずみが  それぞれ歌手を引き立てながら、素晴らしいソロを展開していました

前半=約1時間15分、休憩20分、後半=約1時間45分のコンサートでしたが、最後のコラール「哀悼と安息」を聴きながら、「今年もバッハへの旅が終わったな」と感慨深いものがありました つくづくバッハの偉大さを再認識するとともに、コロナ禍の現在こそ バッハが求められているのではないか、と思ったコンサートでした

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尾高忠明 ✕ 戸澤采紀・佐藤晴真・田村響 ✕ 東京フィルで ベートーヴェン「ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲」、チャイコフスキー「交響曲第5番」を聴く ~ フェスタサマーミューザ

2020年08月03日 07時20分17秒 | 日記

3日(月)。わが家に来てから今日で2133日目を迎え、安倍首相は1日、いつもの小さめの布マスクではなく、鼻から顎まで覆うタイプの白いマスクに替えて首相官邸を訪れた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     マスクから顎がはみ出ていると 顔が広い ではなく 顔がデカい と勘違いされるし

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ参加公演「東京フィルハーモニー交響楽団」のコンサートを聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲 ハ長調 作品56」、②チャイコフスキー「交響曲 第5番 ホ短調 作品64」です 演奏は、①のヴァイオリン独奏=戸澤采紀、チェロ独奏=佐藤晴真、ピアノ独奏=田村響、指揮=尾高忠明です

 

     

 

自席は2RB6列3番です。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びです 管楽器を含めて55人編成です。指揮台の手前にピアノが、その左サイドに独奏ヴァイオリン用の譜面台が、その右奥に独奏チェロの演奏台が設置されています。楽団員は1メートル強のソーシャルディスタンスを取っていますが、弦楽器は2人で1台の譜面台を使用します。コンマスは近藤薫。全員マスクの着用はありません

ヴァイオリン独奏の戸澤采紀は第85回日本音楽コンクール最年少(15歳)優勝、2017年ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリンコンクール第2位(最高位)ほか、数々のコンクールで入賞しています ちなみに 父上は東京シティ・フィルのコンマス戸澤哲夫氏です

チェロ独奏の佐藤晴真は2019年ミュンヘン国際音楽コンクールのチェロ部門で日本人として初めて優勝したほか、数々のコンクールで入賞歴がある22歳の俊英です

ピアノ独奏の田村響は2007年ロン・ティボー国際コンクールにおいて弱冠20歳で第1位となり、全国のオーケストラと共演を果たしています

プレトークで尾高氏が語ったところによると、ある人から「ソリスト3人の年齢を合わせても あなたの年齢に届かないんじゃないか」と言われたそうです   それほど3人は若いということです

1曲目はベートーヴェン「ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲 ハ長調 作品56」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1803年から翌04年にかけて作曲されたと言われていますが、いったい誰のために何の目的で書かれたのかが明らかになっていません 楽譜の出版が1807年で、初演が1808年と 作曲から時期が遅れているのも不可思議です 個人的な考えを言えば、ヴァイオリンとチェロとピアノの3人の演奏者がいて、彼らを想定して書いたのではないかと思います 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゴ~アタッカ」、第3楽章「ロンド・アラ・ポラッカ」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の戸澤采紀、チェロ独奏の佐藤晴真、ピアノ独奏の田村響と指揮者の尾高忠明が配置につき、さっそく第1楽章に入ります 低弦による第1主題、第1ヴァイオリンによる第2主題に続いて、独奏チェロが入り、次いで独奏ヴァイオリンが、そして独奏ピアノが続きます 各楽器の独奏とともに、3つの楽器のアンサンブルが素晴らしく、オケとのやり取りも楽しく聴けました 第2楽章では冒頭の独奏チェロの歌心に満ちた叙情的な演奏が素晴らしく、次いで演奏される独奏ヴァイオリンが透明感があって爽やかで、最後に加わるピアノ独奏が明快に鳴り響きました 切れ目なく入る第3楽章でもチェロが主導して堂々たる演奏が展開します 尾高氏指揮による東京フィルは3人のソリストをしっかりサポートし、軽快かつ明快な演奏を展開しました

会場いっぱいの拍手に3人は、フォーレの「3つの歌」から第1曲「夢のあとに」を抒情的に演奏し再度大きな拍手に包まれました

 

     

 

プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲 第5番 ホ短調 作品64」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1888年にわずか3か月で作曲、同年ペテルブルクで初演されました 第1楽章「アンダンテ~アレグロ・コン・アニマ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ・コン・アルクーナ・リチェンツァ」、第3楽章「ワルツ:アレグロ・モデラート」、第4楽章「フィナーレ:アンダンテ・マエストーソ~アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

この作品の大きな特徴は、①冒頭の重々しい「運命主題」が各楽章のどこかに登場すること、②第3楽章に「スケルツォ」でなく「ワルツ」を用いていること、③冒頭の暗いテーマが終楽章では勝利の音楽として登場することーです

弦楽器は14型に拡大し、管楽器も大幅に増員され、72人規模のフル・オーケストラ態勢になります これでも楽団員数日本一の139名を擁する東京フィルからすれば約半数です ステージ後方に陣取ったトランペット、トロンボーン、チューバの各演奏者の間には、飛沫拡散防止のための透明なシートが下げられています

尾高氏の指揮で第1楽章に入ります 冒頭のアレッサンドロ・バヴェラリによるクラリネット独奏が素晴らしい その後のトランペット、トロンボーンをはじめとするブラス・セクションの咆哮が半端ない 厚みのある弦も素晴らしい 自席からはヴィオラ首席・須田祥子さんの背中が見えるのですが、身体全体を使ってエネルギッシュに弾く躍動感あふれる演奏姿を見ていると、もし彼女が反対側の第1ヴァイオリンの位置にいたら 間違いなくコンマスを務めていただろうと思います 彼女の背中を見ているだけでもこのコンサートは面白いと思います

第2楽章冒頭における高橋臣宣によるホルン独奏は安定感抜群で素晴らしい演奏でした N響の福川伸陽、読響の日橋辰朗とともに日本のオケを代表するホルン奏者だと思います 第3楽章は優雅なワルツです 第4楽章は第1楽章の暗いテーマが勝利のテーマに変貌して登場します 同じメロディーを明暗書き分けるところがチャイコフスキーの真骨頂です 金管楽器群の咆哮、負けずにうねる弦楽器、ここぞというタイミングで打ち込まれるティンパニ、最後はパワフルな勝利の行進曲で曲を締めくくりました

大きな拍手に尾高氏はマイクを持って登場 コロナ禍の中での来場へお礼を述べた上で、「コロナで死去した志村けん氏、岡江久美子さんは、我々に警鐘を鳴らすために犠牲になったのではないかと思うと口惜しい」として、コロナで犠牲になった人々へ哀悼を捧げる意味を込めて、チャイコフスキー「弦楽のためのエレジー”イワン・サマーリンの栄誉のために”」(1884年作曲)をアンコールに演奏しました しみじみと心鎮まる音楽でした

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高関健 ✕ 群馬交響楽団でベートーヴェン「交響曲第4番」「交響曲第2番」を聴く ~ フェスタサマーミューザ / 「テレワーク」 o r 「リモートワーク」?

2020年08月02日 07時26分42秒 | 日記

2日(日)。昨日の朝日朝刊のコラム「ことば / サプリ」で「テレワーク」が取り上げられていました   超訳すると、

「『テレワーク』はギリシャ語の『遠い』に由来する tele と、work (働く)を組み合わせたもの    1970年代から米国で使われ始めた。日本テレワーク協会によると、『在宅勤務』と、勤務地以外の拠点で働く『サテライトオフィス(SO)勤務』、それに移動中やカフェなどでの『モバイルワーク』の3つの働き方を指す言葉だとのこと 研究職の社員が働きやすいようにと、1984年にNEC(本社:東京都港区)が東京・吉祥寺にSOを設置したのが、日本のテレワークの草分けと言われている バブル崩壊とともに都市近郊型SOは閉鎖が相次ぎ、90年代後半からテレワークの中心は在宅に移っていった。一方、海外では『リモートワーク』という呼び名の方が主流で、『テレコミューティング』や『リモートワーキング』なども使われている 『テレワーク』が日本で定着しつつある背景について、同協会の國井昭男副会長は『官庁がこの言葉を使って政策を推進したことが、要因の一つではないか』と推測している

telephone(電話)、television (テレビ)、telescope(望遠鏡)、telegram(電報・電文)など、みな同じ語源ですね

ということで、わが家に来てから今日で2132日目を迎え、プラスチック製レジ袋の有料化がすべての小売店に義務付けられて8月1日で1か月になるが、コンビニ大手3社では、客がレジ袋を辞退する割合が、有料化前の3割から7割超に跳ね上がった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       ゴミ出しに便利なレジ袋がなくなって  ゴミ袋を買わなければならなくなったよ

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ参加公演「群馬交響楽団」のコンサートを聴きました プログラムは①ベートーヴェン「交響曲 第4番 変ロ長調 作品60」、②同「交響曲 第2番 ニ長調 作品36」です 指揮は群馬交響楽団名誉指揮者・高関健です

群馬交響楽団というと、高崎の市民オーケストラが群馬交響楽団へ成長する創成期を描いた、今井正監督・岸恵子主演による1955年製作映画「ここに泉あり」が脳裏に浮かびます 今では、昨年9月にオープンしたばかりの「高崎芸術劇場」をホームとして活躍する楽団員61名のプロオーケストラに成長しています

ミューザ川崎のツイッターによると、群馬交響楽団の面々はコロナ感染防止の観点から公共交通機関を利用せず、貸し切りバスで川崎入りしたそうです また、今回がコロナ自粛後の初コンサートとのことです

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります 弦楽器は10型で管・打楽器を含めて76人態勢です。隣席との間は1メートル強のソーシャルディスタンスをとりますが、弦楽奏者は2人で1つの譜面台を使用します。マスク着用はありません 管楽器と弦楽器の間には飛沫拡散防止のための透明なアクリル板が設置され、万全の態勢で臨みます

1曲目はベートーヴェン「交響曲 第4番 変ロ長調 作品60」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1806年に作曲、1807年3月にウィーンのロプコヴィッツ侯爵邸で私的に初演された後、同年11月にウィーンのブルク劇場で公開初演されました プレトークで高関氏が解説していたとおり、この時期(ベートーヴェン35歳の頃)は「ピアノ協奏曲第4番」、「ラズモフスキー弦楽四重奏曲」全3曲をはじめとする傑作が次々と生まれていった時期にあたり、高関氏の言葉を借りると「書き直し部分が少なく、快調に書き進めていった」ようです

第1楽章「アダージョ~アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

コンサートミストレスの伊藤文乃さんの合図に合わせてチューニングが行われ、高関氏が登場します。いつもの眼鏡をかけていません 本人がプレトークで語ったところによると、「眼鏡をかけてマスクをして指揮をすると眼鏡が曇ってくるので外してみた すると何とかなると思うようになったので、これからは眼鏡なしで指揮することにした」とのことです。これは譜読みの熱心な高関氏だからこそ譜面が見えなくても指揮が可能なのだと思います

第1楽章は冒頭のゆったりしたテンポによる音楽から アレグロに移ると一気呵成に駆け抜けていきます フルート、オーボエ、クラリネットを中心とする木管楽器群がとても生き生きとした演奏を展開しています ホルンも安定しています。第2楽章は一転、弦楽器群の美しい演奏が印象的です 第3楽章では冒頭の木管楽器のアンサンブルが素晴らしかった 第4楽章では再び快速テンポで推進力に満ちた演奏を展開しました

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲 第2番 ニ長調 作品36」です この曲はベートーヴェンが1801年から翌02年にかけて作曲、1803年にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました この時期は難聴が進行し、1802年10月には「ハイリゲンシュタットの遺書」(遺言書)が書かれるなど、苦悩の中から希望を見い出そうとしていた時期に当たります 第1楽章「アレグロ・モルト:アレグロ・コンブリオ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

高関氏の指揮で第1楽章に入ります 冒頭のオーケストラ総奏による決然とした音楽から、アレグロに入ると快速テンポに移り、木管群が歌います 第2楽章は弦楽器のアンサンブルが冴え渡ります 第3楽章、第4楽章は「ハイリゲンシュタットの遺書」など微塵も感じさせないエネルギッシュで推進力に満ちた演奏が繰り広げられます 演奏を聴きながら、ベートーヴェンは遺書(遺言書)を書いたことで、ある意味 吹っ切れたのではないか、と思ったりしました

アンコールは、この「第2番」と同じ頃に作曲された「プロメテウスの創造物」序曲が軽快に生き生きと演奏されました 最後まで渾身の演奏で楽しませてくれた群馬交響楽団の皆さんの、今後のご活躍をお祈りします

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