詩人の怠惰

2017年11月15日 16時05分49秒 | 社会・文化・政治・経済
人口に膾炙した「コペルニクス革命」
膾炙とは周知-広く知れわたっていること。
地球中心説(天動説)
太陽中心説(地動説)
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「私はあえて詩人の怠惰を責めたい。実際に、1956年の日本で、詩を書いて食っている詩人はいない。それが詩を孤立させている理由にほかならない」
詩人・谷川俊太郎さん
詩人の貧困を当たり前とする姿勢が、実は詩の貧困になでつながっているのではないか-と問題指摘し、現代詩に苦言も呈した。

また、抽象的過ぎる詩、つまり分かりにくい詩は、読者から遊離していくのではないかと。
一方、作詞は曲を付けて売れて、作詞家は貧困ではなくなる。
ある意味で皮肉でもある。
理想は、皆が歌いたくなる作詞であり作曲である。沼田利根

偶然にも馬券が的中

2017年11月15日 15時17分50秒 | 創作欄
場で牛の内蔵を収集する。
資源開発の名目で、牛の内蔵を飼料として加工し、再利用する。
農協の中にはそのような仕事もあったのだ。
木村徹の父親晋三は、集金業務のために品川方面にあった場へ出向き、その日の集金を終えた。
晋三の耳に<悪魔の誘い>が蘇る。
「大井競馬場に来なよ」
大井町の酒場で出会った村田という競馬のコーチ屋である。
「私にも、幸運が巡って来たかも知れない」半信半疑ながら、村田という得体の知れない男のダミ声に誘引されてしまったのである。
晋三は過去に大井競馬場に何度も足を踏み入れていた。
「世の中には、裏があるだろう。極限られた人にだけ馬主や廐舎関係者の極秘の情報も流れるだろう」
そのようなことを晋三は単純に想いながら競馬場に電車で向かった。
競馬のコーチ屋は目ざといもので、10分もしない内に声を掛けられた。
「社長、来んだね」鋭い目つきが緩んでいる。
「ああ、仕事中だけど来てしまったよ」晋三は後ろめたさから、周囲を見回した。
顔見知りに会わないとも限らない。
「次の5レースだけどね。2枠から買いなよ。親しくしている馬主の馬だ出る。勝負がかかっていて馬主も来ている」
新聞で確認すると、無印であった。
「人気を落として置いて、今日が勝負さ。分かるだろう」
確かに、1番人気で、5着、7着と2度負けが続いている。
この日は、各上の馬が2頭出走しているので、さらに人気を落として5番人気であった。
コーチ屋は姿を消した。
別のカモを探しに行ったのだ。
いい加減な情報を10人に流すと誰かが馬券を的中させるかもしれないとの胸算用である。
的中したら情報料として、半額か3分の2をせしめる魂胆であった。
偶然にも晋三が買った2-8の馬券が的中したのである。
7630円の配当で3000円も買っていた。
「社長、オメデトウ」
払戻場に張り付いていた村田が背後から声を掛けた。
そして、強引に紙幣の約半分をもぎ取るようにしたのだ。
有無を言わさぬ強引さであった。
晋三はその日は次のレースには手を出さず、逃げるように大井競馬場を抜け出し、新宿の農協へ戻って行く。



ネットで心開く若者

2017年11月15日 14時25分19秒 | 沼田利根の言いたい放題
匿名性の高いネットの世界。
それなのに、知らない人に会いに行く。
街中で見知らぬ人に声をかけられ、抵抗なく着いて行くだろうか?
だが、着いて行く人もいるから、事件に巻き込まれる。
大久保清の連続殺人がそのことを物語っていた。
相手に悪意があれば、同じである。
何時の時代も<悪意は偽装できる>のだ。
問題は、警戒心というより、<想像力>の欠如である。
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「一方で若者たちは、ネットで心を開きがちだ。短期で多くの犠牲者が出た理由でり、ネットとの距離感を教えなければ、同様の事件が続くおそれがる」
新潟清陵大学教授・碓井真史(まふみ)さん
今ほど容易に標的を見つけることができる時代はない-と指摘する。




<命>が最優先される社会に

2017年11月15日 12時22分07秒 | 社会・文化・政治・経済
人は生きているだけで価値がある。

<命>が最優先される社会に。

<高齢者の運転は危ないのか?>
統計から見れば、高齢者の事故より、若い世代の事故が多い。
メディアで派手に高齢者の運転は危ないから、免許証を取り上げても仕方がない-という論調が広がっている。
これはとんでもない暴論だ。
統計を調べると、現実は依然として高齢者よりも、若い世代の事故率の方が高い。
また、年を取るとブレーキとアクセルを識別できなくなうような誤解が広がっているが、大きな原因は慌ててしまうから。
これは加齢にかかわらず、誰でも起こり得る現象だ。
老いをポジティブに捉える<新しい哲学おようなもの>が必要だ。
若い世代は、核家族化が進んだ時代に生まれ、お年寄りと生活したり、触れ合う機会がない。
<リアルなお年寄り>を知らないで、ニュースやメディアに登場する高齢者が、お年寄りのイメージの典型になっている。
若者とお年寄りが交流できる場が、もっと必要だ。
若い人には、<今>を一生賢明に生きることが大切。
でも、<今のことだけ>を考えるのはやめよう、と伝えたい。
精神科医・和田秀樹さん

大井町の酒場

2017年11月15日 11時47分08秒 | 創作欄
木村徹が競馬を覚えたのは29歳のときである。
ギャンブルで不祥事をおこした父親の過去を忘れることができない。
大手企業の関連会社に勤務していた父の晋三は徹が10歳の時に、人員整理の対象となり退社を余儀なくされた。
それが転落人生の引き金となる。
その後の生活の糧になるはずだった退職金を競輪、競馬に注ぎ込んでしまった。
当然、夫婦喧嘩が絶えない家庭に陥る。
子どもの前で、父親に向かって「死んでしまえ!」と罵る母親の鬼の形相を見て徹は幻滅する。
父親は心が優しく、幼児の頃から本を読み聞かせてくれたので、母親より父が大好きであった。
母キクは婦人雑誌などを読んでいたが、一度も本を読んでくれないばかりか息子の甘えを許さないような頑なさがあった。
厳しく育てることが賢母である、と思い込んでいたのだ。
江戸時代か明治時代の母親像を本んなどで知り、それを丸噛じりしたようであった。
夫に対する良妻像をも実践してきたのに、それが脆くも崩されたので怒りが収まらない。
徹は必然的に母親のような女性を敬遠してきた。
だが、父親に対しては侮蔑する感情が涌かなかった。
父親の6度目の就職先は農協であった。
東京都内にも農家があり、農協があったのだ。
その頃は父親のギャンブルは収まっていたが、残り火が存在していたのだ。
居酒屋で隣合わせをした男が、いわゆる競馬のコーチ屋であったのだ。
「明日、大井競馬場に来なよ。儲けさせてやる。俺、場主や廐舎関係者と昵懇なんだ。今日は俺のおごりにさせてくれ、どんどん飲みなよ」
大井町の酒場であった。
流しの歌手がやってきて、「村田さんお願いします」と男に声をかけた。
男は、古賀政男の曲を3曲流しに歌わせた。
歌好きの父親は、男の勧めで流しのギターで1曲歌った。
「社長、歌うまいね」とコーチ屋の男は上機嫌となった。

11月14日(火)のつぶやき

2017年11月15日 03時27分42秒 | 医科・歯科・介護