

塩野 七生 (著)
20万部のベストセラーを全面改稿!
流入する異民族、広がる経済格差、しのび寄る衰退……すべてはローマに学べ!
「塩野ローマ史」のエッセンスがこの一冊に!
「ローマは一日して成らず」の格言を生んだ古代ローマが西欧各国の〈歴史の手本〉とされたのは、その一千年が危機と克服の連続であったからだ。
カルタゴとの死闘に勝ち抜いたあと長い混迷に苦しんだ共和政時代。
天才カエサルが描いた青写真に沿って帝政へと移行し、〈パクス・ロマーナ〉を確立したローマ帝国時代。
崇高と卑劣、叡知と愚かさ――かつて文豪ゲーテも言ったように、人間の営みのすべてを示してくれたローマは、われわれと同じ生身の人間が生きた国でもあった。まさに人間の歴史のすべてを凝縮しているのがローマ史だ!
古代ローマは、現代の日本人にとっても、まさに「人間の生き方」「リーダーシップ」「国のありかた」を学ぶ宝庫だ!
質問1 ローマは軍事的にはギリシアを征服したが、文化的には征服されたとはほんとうか?
質問2 ローマ人の諸悪なるものについて
質問3 都市と地方の関係について
質問4 富の格差について
質問5 宿敵カルタゴとの対決について
質問6 古代のローマ人と現代の日本人の共通点
質問7 〈パクス・ロマーナ〉とは何であったのか
質問8 ローマの皇帝たちについて
質問9 市民とは、そして市民権とは何か
質問10 多神教と一神教との根元的なちがいについて
質問11 ローマ法について
質問12 ローマ人の都市計画
質問13 真・善・美について
質問14 〈パンとサーカス〉とは何であったのか
質問15 自由について
質問16 奴隷について
質問17 〈イフ〉の復権はイエスかノーか
質問18 女について
質問19 蛮族について
質問20 なぜローマは滅亡したのか
●塩野七生(しおの・ななみ)
1937年7月、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。68年から執筆活動を開始。
流入する異民族、広がる経済格差、しのび寄る衰退……すべてはローマに学べ!
「塩野ローマ史」のエッセンスがこの一冊に!
「ローマは一日して成らず」の格言を生んだ古代ローマが西欧各国の〈歴史の手本〉とされたのは、その一千年が危機と克服の連続であったからだ。
カルタゴとの死闘に勝ち抜いたあと長い混迷に苦しんだ共和政時代。
天才カエサルが描いた青写真に沿って帝政へと移行し、〈パクス・ロマーナ〉を確立したローマ帝国時代。
崇高と卑劣、叡知と愚かさ――かつて文豪ゲーテも言ったように、人間の営みのすべてを示してくれたローマは、われわれと同じ生身の人間が生きた国でもあった。まさに人間の歴史のすべてを凝縮しているのがローマ史だ!
古代ローマは、現代の日本人にとっても、まさに「人間の生き方」「リーダーシップ」「国のありかた」を学ぶ宝庫だ!
質問1 ローマは軍事的にはギリシアを征服したが、文化的には征服されたとはほんとうか?
質問2 ローマ人の諸悪なるものについて
質問3 都市と地方の関係について
質問4 富の格差について
質問5 宿敵カルタゴとの対決について
質問6 古代のローマ人と現代の日本人の共通点
質問7 〈パクス・ロマーナ〉とは何であったのか
質問8 ローマの皇帝たちについて
質問9 市民とは、そして市民権とは何か
質問10 多神教と一神教との根元的なちがいについて
質問11 ローマ法について
質問12 ローマ人の都市計画
質問13 真・善・美について
質問14 〈パンとサーカス〉とは何であったのか
質問15 自由について
質問16 奴隷について
質問17 〈イフ〉の復権はイエスかノーか
質問18 女について
質問19 蛮族について
質問20 なぜローマは滅亡したのか
●塩野七生(しおの・ななみ)
1937年7月、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。68年から執筆活動を開始。
70年、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』で毎日出版文化賞を受賞。この年よりイタリアに在住。81年、『海の都の物語』でサントリー学芸賞。82年、菊池寛賞。88年、『わが友マキアヴェッリ』で女流文学賞。
99年、司馬遼太郎賞。2002年にはイタリア政府より国家功労勲章を授与される。07年、文化功労者に。『ローマ人の物語』は06年に全15巻が完結。『ルネサンスの女たち』『ローマ亡き後の地中海世界』『十字軍物語』『ギリシア人の物語』など著書多数。
著者は、「哲学科を出たにsじては<何ごとも頭から信じないで疑うこと>しか学ばなった」と謙遜しているそうだ。
また「歴史は私にとって、研究する対象ではなく、ともに生きる相手なのである」と言う。
古代ローマ人と現代日本人の共通点は、入浴好き、温泉好き、部屋の内装、肉より魚を好む、企業化の才能が傑出している。
ローマ人には、独創性がない。
日本人は、欧米の真似事が多い。
物事を実用化したり、洗練したする能力では、ローマ人と日本人は断然にすぐれている。
それが「企業化の才能」と著者は指摘する。
その企業化の背景には、誠実という美徳がある。
誠実さとは「嘘をつかない」「ごまかさない」ということであり、現代の日本人はこの美徳を忘れているのではないだろうか―本村二東京大学名誉教授
2000年に出た新書の23年ぶりの改稿とのことである。
宣伝は全面改稿となっているが、著者は改訂版と書き、何が書かれているか、にしか関心がない人はわざわざ買うことはないと書いている。
それでも気にはなるので、旧版と改訂版の違いを調べる目的で購入し、質問1から順に比べながら読んでいった。
しかし、この作業は質問11の終わりまできて、見事に挫折した。
改訂版の質問11の最後が、日本国憲法前文に対する罵倒に書き換えられていて、作業を続けるのが馬鹿馬鹿しくなってきたからである。
で、質問10までの範囲での検討。
○字は旧版より大きい。
○ローマ人の会話が、旧版の「です」「ありませんね」「られます」等から、改訂版では「だ」「ない」「られる」等になっている。
○内容の大きな変更はないようだが、細部で直されているところはある。
宣伝は全面改稿となっているが、著者は改訂版と書き、何が書かれているか、にしか関心がない人はわざわざ買うことはないと書いている。
それでも気にはなるので、旧版と改訂版の違いを調べる目的で購入し、質問1から順に比べながら読んでいった。
しかし、この作業は質問11の終わりまできて、見事に挫折した。
改訂版の質問11の最後が、日本国憲法前文に対する罵倒に書き換えられていて、作業を続けるのが馬鹿馬鹿しくなってきたからである。
で、質問10までの範囲での検討。
○字は旧版より大きい。
○ローマ人の会話が、旧版の「です」「ありませんね」「られます」等から、改訂版では「だ」「ない」「られる」等になっている。
○内容の大きな変更はないようだが、細部で直されているところはある。
たとえば質問6のはじめのほう、旧版「裸の交き合いがローマ文明とともに姿を消したのは、キリスト教の影響と思います。
裸体が人間の最も真なる姿であるとは、ギリシャ・ローマ時代の考え方であったのですから」。
改訂版「裸の交き合いがローマ文明とともに姿を消したのは、キリスト教の影響による。裸体は人間の劣情を刺激するとして嫌ったのはキリスト教だが、裸体こそが人間の最も真で美しい姿であるとは、ギリシャ・ローマ時代の考え方であったのだから。」
○旧版も改訂版も、設定としては、古代ローマに迷い込んだ著者の質問に対して、古代ローマ人が、ローマ帝国の滅亡や、帝国主義戦争まで答えるのはおかしいが、まあ、しゃれのようなものだろう。
○改訂版の質問20の最後に、重要な追加がある。
○旧版も改訂版も、設定としては、古代ローマに迷い込んだ著者の質問に対して、古代ローマ人が、ローマ帝国の滅亡や、帝国主義戦争まで答えるのはおかしいが、まあ、しゃれのようなものだろう。
○改訂版の質問20の最後に、重要な追加がある。
旧版では質問に答えるだけで終わるが、改訂版では、暇を持て余して著者の質問に答えていた古代ローマ人が、最後に、自分は、夏が終わると、対蛮族の最前線基地のドナウ沿岸に派遣される予定と言い出すのである。
意味ありげなラストである。
本書は2000年が初刊で、2023年6月に改訂版として発刊されました。
紀元前3世紀から紀元後1世紀にかけてのほぼ300年間、元老院階級と呼ばれていたローマの指導者層が子弟の教育を託していた家庭教師は、ギリシア人の独占市場と言ってよかった。
ローマ人は、地中海世界全域の覇者になって以後も、自分たちの言語を強制するよりも、これまでのように自分達の方がバイリンガルであり続ける道を選んだ。
ローマ人は、地中海世界全域の覇者になって以後も、自分たちの言語を強制するよりも、これまでのように自分達の方がバイリンガルであり続ける道を選んだ。
ローマ人の最も優れた資質は、自分たちローマ人だけですべてをやろうとしなかった点である。
プルタルコスはローマ興隆の要因は敗者でさえも自分たちと同化する彼らの生き方にある、と断言している。
ギリシア・ローマの宗教は多神教、ユダヤ教キリスト教は一神教。
プルタルコスはローマ興隆の要因は敗者でさえも自分たちと同化する彼らの生き方にある、と断言している。
ギリシア・ローマの宗教は多神教、ユダヤ教キリスト教は一神教。
ギリシア・ローマの神々には、人間にどう生きるかを指示する役割はなく、自分で考えて努力しながら生きる人間をサポートするだけが役割だった。
反対にユダヤ教やそれから派生したキリスト教の神は、人間に、どう生きるかを指示する存在だ。
援助するのではなく、命令し、従わなければ罰を下す神です。
そして後にローマはコンスタンティヌス帝の時代にキリスト教を国教と定めます。
人間の行為の正し手を、ユダヤ人は宗教に求め、ギリシア人は哲学に求め、ローマ人は法律に求めた。
人間の行為の正し手を、ユダヤ人は宗教に求め、ギリシア人は哲学に求め、ローマ人は法律に求めた。
正し手を宗教に求めても哲学に求めても限界があるが法律であれば解決できる。
しかし、ローマ人が子弟教育に必要と考えた教養科目に法律は入っていないそうです。
それで、著者はローマの法律は「学校で学ぶ類いの知識ではなく、日常的な知恵であったのかもしれない」と述べます。
下水道の完備、公衆浴場の完備でローマ人は大規模な疫病の流行を長い間知らずにいきてゆけた。
貧しいことは恥ではないが、貧しさに安住することは恥である、とはギリシアのペリクレスの言葉であるが、これはギリシア・ローマ時代の考え方であった。
下水道の完備、公衆浴場の完備でローマ人は大規模な疫病の流行を長い間知らずにいきてゆけた。
貧しいことは恥ではないが、貧しさに安住することは恥である、とはギリシアのペリクレスの言葉であるが、これはギリシア・ローマ時代の考え方であった。
しかし、キリスト教の教えでは貧しいことは善である、となり、これによりローマ人の価値観の動揺は避けられなかったのではないか、と著者は記します。
ローマが滅びたの要因は多々あるが、結局のところローマ人の気力の衰えに帰すのではないか、と著者は架空のローマ人に語らせてこの書を終わらせます。
ローマについての多くの事柄を学べる裨益するところ多大な愉しい本です。
ローマが滅びたの要因は多々あるが、結局のところローマ人の気力の衰えに帰すのではないか、と著者は架空のローマ人に語らせてこの書を終わらせます。
ローマについての多くの事柄を学べる裨益するところ多大な愉しい本です。