同じ行動をするのでも、「ああ、またか、いやだな」と思ってするのか。
「よし、また福運をつけるか」と行動する。
その小さな「差」が、人生を大きく変えていく。百八十度も変えていく。
それを教えたのが法華経であり、一念三千の法理である。
心は目に見えない。見えないその心の法則を完璧につかんだのが仏法である。
「一念三千」は、私たち凡夫が成仏するための原理を示した変革の法理です。
中国の天台大師(智顗)が、『摩訶止観』の中で説きました。
「一念」とは、私たち一人ひとりの瞬間瞬間の生命のことです。
「三千」とは、「諸法」すなわち、すべてのものごと、あらゆる現象・はたらきをいいます。
この一念に三千の諸法が具わっており、一念が三千の諸法に遍く広がることを説いたのが一念三千の法理です。
一念三千の法理は、最高の心理学であり、心の科学、心の医学である。
感謝と喜びは福運を増す。愚痴と文句は幸運を消す。
弘教においても、「人を救いたい」「妙法のすばらしさを教えたい」という「心」のままの行動に、偉大なる福徳があふれてくるのである。
「心こそ大切」。これこそ至言中の至言である。
人間は弱いもので、ふつうは、すぐに「愚痴」「負け惜しみ」「焼きもち」「落胆」となってしまう。
しかし、信心している人は、そこが違う。「愚痴」が出なくなる。「文句」を言わなくなる。すっきりと、自分自身に生きる「強さ」ができる。その人の心は「感謝」で満たされる。
よく、都会の人は田合に憧れ、田舎の人は都会に憧れる。独身の人は結婚に憧れ、結婚した人は独身に憧れる。人間の心理には、そういう面がある。
しかし、幸福は「遠いところ」にあるのではない。「今、ここ」の現実との戦いによって、幸福は勝ち取っていくべきである。
自分の地域についても、「よきところ、よきところ」とたたえ、感謝する心が、「自信」と「勢い」をつくっていく。「喜び」を広げていく。