必ず勝つことだ

2024年05月04日 10時49分31秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼深い慈悲と人間性をいかに育むかである。

▼どんな苦境にも寄り添い、励ましてくれる友人がいることが、大きな救いである。

▼「まず自分自身が変わることだ」

▼「始めることは、全体の半分を成し遂げたに等しい」

▼未来は若者たちに託すほかない。

新しい生命の力が、新しい世紀を開き、素晴らしい時代を創るのである。

▼光は闇を恐れない。

光を持つ人は、何も恐れない。

闇に生きる人は心も暗い。

闇は光を塞ごうとする。

しかし、光は立ち止まらない。

▼人間には、立ち上がるべき時がある。

戦わなければならない決定的な時が必ずある。

その「時」逃さず、時に適う行動を起こすことだ。

そして必ず勝つことだ。


利根輪太郎の競輪人間 希望の星

2024年05月04日 09時51分02秒 | 未来予測研究会の掲示板

競馬・競輪は、「未来予測」である。

これは、自称「希望の星」の若さんの持論であった。

彼は、皆の「希望の星」を目指していたのだ。

「本命も当てるし、穴も当てる、若さんは<天才>と違うか」と荻さんが感嘆するように、競輪仲間に言う。

過去を語ると空しいくもあるが、若さんは伝説の勝負師「西豪」を崇拝していた。

麻雀もプロ並みに強いのである

その西が、42歳の若さで逝ってしまう。

末期の膵臓がんであっのだ。

西は豪快で気っ風の良い男で、女にもてていた。

美しく響く低音の声をして、如何にも男らしい男であった。

大学時代は合唱団に所属していたそうだ。

元は自衛隊員の医官であり、階級は2佐だつた。

医官とは、医師の資格を有する陸・海・空自衛隊の幹部自衛官のこと。一般的な軍隊の軍医に相当する。

競馬と競艇で得た金で、仲間を引き連れて、銀座、赤坂のナイトクラブで飲んでいた。

日本酒は飲まないで、ブランデーやワインを好んでいた。

彼こそがまさに皆の「希望の星」の存在だった。


創作 新聞配達

2024年05月04日 04時07分08秒 | 創作欄

太田修は、37年もの間、新聞配達を続けた。

実は彼は「40年間は頑張りたい」と友人たちに決意を語っていたのであるが、あと2軒の時、道で倒れてしまったのだ。

まさかのアクシデントだった。

しばらく道の草むらに横たわっていた。

倒れたのが、コンクリートの道路でなくて幸いした。

午前8時に隣に住む友人の春川治夫に頼んで、自動車で5分の近隣の病院へ連れて行ってもたった。

「貧血ですね。輸血が必要、即入院です」医師のレントゲン撮影と薬剤師らによる血液検査で異常が判明したのだ。

「どういう、ことですか?」

「たぶん、大腸がんです。柏のがんセンタ―を紹介します」

「待ってください。いったん家へ戻ります」

「ダメですよ」検査技師の声が威圧的だったので、「帰ります」と修は態度を硬化させると会計をすまして院内を飛び出すようにして出たのである。

「がん、そんなはずない」彼は道すがら腹立たしくなってきた。

そして、翌日には納得ができずに、歩いて30分の総合病院へ向かった。

内視鏡検査のために、下剤を飲む。

さらに、大腸内をすべてきれいにするために、大量の液体を飲むのである。

院内を「歩いてください」と看護師が言うのだ。

これが実に苦しいのである。

同じように、大量の液体を飲んだ外来患者と「苦しいもんですね」言い合って院内の通路ですれ違う。

その後、トイレへ駆け込み排便する。

30分後には、横たわる枕もとのモニターで自らの大腸の映像を見せられる。

大腸内の奥へ奥へ、正確には上部へ内視鏡は向かっていく。

そして医師は最上部で手を止めると「これですね」と画像を凝視する。

「これが、大腸がんです」

「そうですか」修は画像の黒い影に愕然として納得するほかなかった。

腫瘍は上行結腸に巣くっていたのである。

もしも、大腸がんで入院し、手術をなければ、修は新聞配達を続けていただろう。

実に忌ま忌まし思いであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


奇縁

2024年05月04日 01時14分23秒 | 創作欄

奇縁というべきであろうか?

2か月前に、大島悟は、取手西口の駅ビルの前でその男と遭遇した。

「当たったかい?」男は声をかけてきたのだ。

角刈りで、長身である。

どこか異質な感じがしたのだ。

翌日、その男と取手競輪の1階で顔を合わせた。

笑顔であり、口を開けた前歯が4本ほどない。

「生活保護を受けているんだ。5日の支給日まで、2日の我慢だ」と打ち明ける。

「ガソリンスタンドの傍のアパートに住んでいるんだ。家賃は2万7000円。あんたは、どこに住んでいるの?」

「取手駅の東側、徒歩20分」

「そうか、俺は徒歩10分だ」

「酒が飲めないのが辛いな。自炊で飯は食っている」

ちなみに、市役所へ行き事情を話すとコメが貰えるそうだ。

悟は同情してコンビニで、紙カップの酒2個を買いに行き、男に渡した。

「酒飲みなので、酒がないのは寂しいね」悟が言うと「あんたとは、ウマが合いそうだな」と男は笑顔満面となる。

その男は、「生活保護費が入った。これ受け取ってくれ」と1000円札出すので「いいよ」と受け取りを断ると「いいから、俺の気持ちなんだ」と相手は引き下がらないので、受け取る。

「パチンコもやるんだ。金がなくなる。タバコも吸う、タバコにも金がかかるな」

「パチンコはやめたら。競輪だけにした」

「そうだな」男は真顔となる。

「刑務所に39日、入った。集団生活は嫌だな」男は刑務所帰りなので角刈りなのかと悟は思ってみた。

「宇都宮に家があるが、山の中で住むのは嫌だ」男は俯いた。

<君子危うきに近づかず>悟はそんな想念を抱くが、競輪の帰りに駅ビルのコンビニの前で男に出会ってので、串焼き4本、レバーとつくねを買い、さらに25度の焼酎2本を渡す。

悟は椅子に座り、紙カップの日本酒を飲む。

「好きな酒にありついて、ありがたいな、あんたとは、本当にウマがあうな」男は焼酎をあおるように飲む。

その男は、5日後には、生活費を遣い果たしていた。

「今度は、5月2日の保護費支給日だ。それまでの我慢だ」

悟は、男と会うたびに、日本酒2個買って男に渡す。

「生活費出たら、3000円渡すよ」男は真顔である。

「金はいらない。酒飲み同士のほんの気持ちなんだ」競輪仲間の姿を見たので悟は車券の検討を始める。