悩む力

2025年02月19日 12時19分27秒 | 社会・文化・政治・経済

 
あなたは100年前の漱石と同じ壁にぶつかっている!悩みぬいて強くなる著者初の生き方本
情報ネットワークや市場経済圏の拡大にともなう猛烈な変化に対して、多くの人々がストレスを感じている。
格差は広がり、自殺者も増加の一途を辿る中、自己肯定もできず、楽観的にもなれず、スピリチュアルな世界にも逃げ込めない人たちは、どう生きれば良いのだろうか?
本書では、こうした苦しみを百年前に直視した夏目漱石とマックス・ウェーバーをヒントに、最後まで「悩み」を手放すことなく真の強さを掴み取る生き方を提唱する。現代を代表する政治学者の学識と経験が生んだ珠玉の一冊。生まじめで不器用な心に宿る無限の可能性とは?

[著者情報]
姜尚中(カン サンジュン)
一九五〇年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。
東京大学大学院情報学環教授。専攻は政治学・政治思想史。
著書に『マックス・ウェーバーと近代』『オリエンタリズムの彼方へ』『ナショナリズム』『東北アジア共同の家をめざして』『日朝関係の克服』『在日』『姜尚中の政治学入門』 『愛国の作法』『ニッポン・サバイバル』ほか。共著に『ナショナリズムの克服』『 デモクラシーの冒険』ほか。
 
「悩む力」にこそ、生きる言葉への意思が宿る。
 
在日韓国偉人として国籍や民族の問題に悩み「私」とは何者かを問い続けてきた。
 
その姿勢は年齢を重ねても変わらない。
すると周囲から「若い」と言われることが増えた。
「青春のときの要素をいまだにもっているからでしょう」
 
 

『草枕』を紐解く?

■ 【分り易い?分かり難い?】
著者は、九つのテーマの元に現代社会の抱える問題
(競争社会、危ういセーフティーネット、拡大する格差社会など)に苦悶する人々への「悩む力」が持つ意味を分り易い言葉で展開しております。

「分り易い」とは言っても、「微睡」、「沈淪」、「'眼」、「桎梏」などや「レイトカマー」、「アンビヴァレント」、「エートス」など難しい語彙は出てきますが?

■ 【漱石とウェーバープラス著者の体験】
九つのテーマとは、(実際の章立てとは違いますが、分り易く書くと次の具合です。)
自我・金銭・情報通・青春・宗教・労働・愛・自殺・老い
これらについて、凡そ、90年前に亡くなった文豪・夏目漱石、社会学者・マックス・ウェーバ^らの著作を手掛かりに、自らも迷える体験を交えて展開しております。

■ 【九テーマは、『智・情・意』】
上記の九つのテーマは、順不同で前後の繋がりも不明で、大変分かり難い章立てになっております。

しかし、本書では引用の無い漱石作品『草枕』の冒頭に出てくる有名なフレーズにある『知・情・意』に当て嵌めると、それぞれのテーマを選んだ理由も納得出来そうです。参考までに、「草枕」の冒頭を次に引用してみます。

「山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」

■ 【セカンドライフは、アートだ!】
正に「草枕」の舞台は、漱石の郷里であり、著者の郷里なのです。

(本書を著作する動機は、「草枕」では?)更に、「草枕」の上記の文章は次のように続きます。

「住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。」

これは、著者が終章で、自分の第二の人生は役者或いは、映画監督になりたいものだという発露を示唆するフ
レーズではないでしょうか?

 

『自由になったから、見えにくくなったものがある。』

姜尚中さんが現在NHK教育(ETV)のシリーズを拝見しております。 そのなかでこの本が度々紹介されるので興味を持ち、購入してみました。

私は30代半ばで、壁に突き当たっております。 現状から抜け出す為、何かを得られるのではないかと思い読み進めました。  ざっとであれば、3時間程度で読み終えることができると思います。 

本書は自由を手にした現在の人々が直面している淋しさ・孤独についての本であると理解しました。

正直なところ、前半はあまり面白くありませでしたが、P. 97の『「信じる者」は救われるか」の章から最後までにいくつか参考になることが書かれていました。 最終章『老いて「最強」たれ』は普段の姜さんのイメージから大きくかけ離れた夢が語られていたので、驚きと同時に楽しい気持ちになりました。

現時点で80万部も売れているそうですが、80万人に役に立つ内容ではないと思います。

この本がきっかけで何かを始めていくことができた方もいると思いますが、特に目新しい考え方が示されているわけではないので、社会が変わるきっかけになる、とまではいかないように思います。

異常に売れたのは、もしかすると姜のルックスと、韓流ブームのおかげなのかもしれませんね。。。

***

P. 53 『彼らに共通しているのは、みな時代に対してなにがしかの不満を持ち、不満を持ちながら、どこかあきらめているということです。 そして、彼らはみな、世の中で幅をきかせている資本主義というものに疑問の目を向けながら、同時にどこか達観したところがあります。 つまり、「金次第の世の中というのは汚いものだ、いやなものだ」と思いながら、同時に「そうは言って、時代の趨勢であり、やむをえない」とも思っているわけです。』
P. 63 『結局は漱石たちと同じように、できる範囲でお金を稼ぎ、できる範囲でお金を使い、心を失わないためのモラルを探りつつ、資本の論理の上を滑っていくしかない―と言ったら、平凡過ぎるでしょうか。』
P. 85 『時代は不幸な方向に向かっている。 その流れを変えることはできない。 自分も所詮はこのなかで生きていくしかない。 そうは言っても、どうしたらいいのかわからない。」

日本はこれだけ酷い状況なのに、例えば革命でもやらかそうという人間はほぼ皆無ですね。 皆醒めている。 しかも、「心を失わないためのモラル」すらないのでますますめちゃくちゃな社会になっていくのでしょう。

***

P. 100 宗教とは『個人が属している共同体が信じているものだったのです。』『ゆえに、「私は何を信じたらいいのかという問い自体が生まれてきません。』
P. 136 『不自由だからこそ、見えていたものがあった。 自由になったから、見えにくくなったものがある。』

その通りですね。

P. 123 『社会での繋がり』とは『(ねぎらいのまなざしを向けること)』。
P. 156 『相互承認のなかでしか、人は生きられません。 相互承認によってしか、自我はありえないのです。』

これは姜さんの独自の表現だと思いました。 “アテンション”などという妙なカタカナ語は使わない方が良いと思いますが。

***

なお、私は17年くらい前、大学生だったころに立教大学で姜さんの国際政治学の授業を受けたことがあります。 あの調子で低い声でぼそぼそとお話になっていたので、おそろしくつまらない授業でした。(苦笑) 後にこれだけ有名になるのであれば、サインのひとつも頂いておけばよかったです。
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考え尽くされたhow to liveだ

重苦しいとの予想に反し、突き抜けていた。明快な結論にかんしゃしたい。
生きる本質に迫る本!

悩むことが生きること。勉強になりました。

 

心が震えました。

先の3か月は人生で経験したことがないほど、辛く苦しい日々でした。
どうして私ばかりこんなにも苦しいのだろうと悩み、
生きている意味がよくわからなくなってきてました。

しかし、この本を読むと「それでもいい」、「悩むことは正しい」と
肯定されてすごく気持ちが晴れやかになりました。

今も悩んでますが、前向きな気持ちになれました。

難しい言葉が多いですが、かみしめて読み進めています。


買って後悔しました。

難しいことを、誰にでもわかる文章で書くのが本当に頭がいい人だと思います。
悩む力」とは乖離した内容

TVで作者の理路整然とした話し方に共感を覚え購入したが
あまりに夏目漱石に関する内容に終始しており表題の「悩む力」はどこに?という疑問が読中、読後ともあり正直がっかりした。



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