高額な医療費の自己負担額に上限を設ける制度について、政府は14日、長い期間治療が必要になった場合には上限額を引き上げない修正案を示しました。
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14日午後5時ごろ、厚労省。
福岡厚労相
「お時間を割いていただいてお越しいただいたこと、心から感謝申し上げます。ありがとうございます」
厚労相が頭を下げて迎えた相手は、がん患者らの団体です。
福岡厚労相
「相当悩みに悩んだ結果を今日はお伝えできればということで、お越しいただいた」
悩んだというのは、政府が“見直し”を進める「高額療養費制度」についてです。医療費の自己負担額に上限を設ける仕組みで、超えた分は税金や保険料から支払われているため、政府は、現役世代の保険料の増加を抑えようと、今年8月から自己負担額の上限を引き上げる方針です。
例えば、年収650万円の30代の人が、月100万円の医療費がかかった場合、8月以降は、現在の上限額8万100円程度よりも8100円ほど引き上げられます。また、引き上げは段階的に行われ、2年後には今と比べて月5万円以上も増えることになります。
この“見直し”に患者団体から、「治療を断念せざるを得ない」などと、反対の声が上がっていて、野党からも…
立憲民主党 野田代表(14日)
「難病・がんを患っている現役世代の負担を上げるやり方。財源の見つけ方として間違っている。阻止しなければいけないと思っている」
石破首相は、今後の対応について…
自民党 石破首相(衆・本会議、14日)
「提案の修正を含め対応いたしてまいります」
今回、その“修正案”が患者団体に示されたのです。内容は…
福岡厚労相
「多数回該当の見直しを凍結し、据え置くことをお伝えした」
多数回該当は、今もある仕組みで、患者が直近12か月以内に3回、自己負担額の上限を超えた場合、4回目から、負担額の上限が下がるものです。
先ほどのケースで例えると、「多数回該当」になると、月の上限額が8万100円程度から、4万4000円程度に。“修正案”では、今後、上限額を引き上げても「多数回該当」の額は変えないということです。この“修正”に患者団体は…
患者団体
「長期にわたり継続して治療を受ける患者の負担は非常に大きい。この部分の負担軽減について、配慮は率直に感謝したい」
一方で…
患者団体
「全体として見た場合、引き上げ幅が大きい。いったん凍結を求めざるを得ない、不十分だと言わざるを得ない」
立憲民主党なども、今回の修正案では不十分だとし、自己負担額の引き上げ自体を凍結すべきと主張しています。
(2月14日放送『news zero』より
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