みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

どんな業界でも

2006-05-10 01:03:06 | Weblog
そうだろうが、同じ業界といいうのは本当に狭いんだなと思うことが多い。
私も音楽業界に何十年もいるとつくづくそう思う時がある。今日の藤原道山さんのインタビューの現場でもそう感じた。

指定された世田谷のスタジオに予定時間より早めに行くと、まだ何かの撮影をしていた。NHKの番組の収録だ。藤原さんと先住明さんがゲストで料理を作っている。ああ、そういうことね、と思いながら、そっちは私の仕事ではないので、静かに収録が終わるのを待つ。そして、そちらが終わり、そちらのクルーが片付けをする間、藤原さんやマネージャー、そして千住さん、千住さんのマネージャーさんらに挨拶をすると、千住さんのマネージャーの女性が私の本を読んだことがありますと言う。まあ、たくさん本は書いているので、当たり前と言えば、当たり前の話しなのだけど、そういう現場でいきなりそういうことを言われると悪い気がしないというよりも、「ああ、私の本がこういう仕事の話しのつなぎとして役にたったんだナ」という風に思ってしまう。まあ、要するに、本にしてもCDにしても、世の中に出た自分の商品はすべて名刺の代わりになる。それを通して人とのコミュニケーションがスムースになるのであればそれに越したことはない。
千住明さんとは今日が初対面だが、真理子さんとは何回かお会いしているし、彼女のCDのライナーを書いたこともあるので、何か明さんとお会いしても初めてのような気がしない。
それに、藤原さんも、彼が来週共演する(来週だけでなく、武満徹の『ノベンバーステップス』でも共演するのだという)薩摩琵琶の友吉鶴心というアーティストを以前少しだけプロデュースしていたことがあって、いろんな雑誌に登場させたり、コンサートを企画したりもしたことがあった。そんなこんなを話したりしたが、一番話しがあったのが、藤原さんも私も小さい頃、現代音楽少年だったこと。
中学や高校の頃現代音楽にハマり、その後ロックやポップス、ジャズを聞き始める人間というのはそうザラにはいない。何か一人、自分以外の同類を見つけた感じがして、今日はけっこう嬉しかった。