今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)の著書「完本 文語文」から。
「大正デモクラシーは、今と同じく模倣をしりぞけて独創を重んじた。それまでは書画は臨模(りんも)といって手本の模写からはじめた。まねが出来れば一人前といった。大正時代は図画は自由画に、作文は綴方と称して、見たまま思ったままを書けと教えられた。手本に従うことは悪いことになった。
各人にオリジナリテがあるという考え方と、ないという考え方があって、私はないと思っている。もしあるとすればまねしているうちに自然にあらわれるものだと思っている。個性なんてちやほやされて出てくるものではない。」
(山本夏彦著「完本 文語文」文藝春秋社刊 所収)
「大正デモクラシーは、今と同じく模倣をしりぞけて独創を重んじた。それまでは書画は臨模(りんも)といって手本の模写からはじめた。まねが出来れば一人前といった。大正時代は図画は自由画に、作文は綴方と称して、見たまま思ったままを書けと教えられた。手本に従うことは悪いことになった。
各人にオリジナリテがあるという考え方と、ないという考え方があって、私はないと思っている。もしあるとすればまねしているうちに自然にあらわれるものだと思っている。個性なんてちやほやされて出てくるものではない。」
(山本夏彦著「完本 文語文」文藝春秋社刊 所収)