「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

抜け道の多い社会は良い社会 Long Good-bye 2024・07・10

2024-07-10 05:05:00 | Weblog

 

  76年余り生きてきて 、一体 何度 引越しを重ねてきたかと

 考えた 。三月の卒園を待たずに引越した幼稚園時代を含める

 と 、大学に入るまでに 、七回 引越した 。大体 親の自己都合

 による引越しである 。回数として多いのか少ないのかは 、

 わからないが 、転勤族の家庭なら 、ごく普通のことかも知れ

 ない 。社会人になってからは 、幼時の反動か 、50年間で

 たった四度しか引越していない 。サラリーマンなのに 、住

 居移転を伴う転勤すら経験していない 。

  そんなことを考えているときに 、思いだしたのが 、同世代

 の作家 、村上春樹さんの お若い頃の随筆 に出て来る 引越し

 の話 。

  今日の「 お気に入り 」は 、ふと 書き留めた いくつかの文章 。 

  引用はじめ 。

 「 引越しの良いところは 、何もかもを『 ちゃ
  ら 』にできることである 。近所づきあい 、
  人間関係 、その他もろもろの日常生活の雑事 、
  そういうのが全部一瞬にしてパッと消滅してし
  まうのである 。この快感はもう一度覚えると
  忘れることができない 。」         ( リセット症候群みたいなやつです )

 「 一九六九年の春のことである 。家具・荷物
  なんて殆どないから引越すのは実に楽だ 。
  布団と洋服と食器を車のトランクに放り込ん
  でしまえば 、それでもう準備完了である 。
  人生というのはすべからくこうありたい 。 」

 「 年をとってから思いかえしてみると自分がす
  ごくはりつめた青春時代を送ってきたような
  気がするものなのだが 、実際にはそんなこと
  はなくて 、みんな馬鹿なことを考えながらた
  らたらと生きてきたのである 。」

 「 現在の閉塞した社会状況はとても心配である 。
  抜け道の数が多ければ多いほどその社会は良い ( 閉塞した社会状況は 40年 、
  社会であると僕は思っている 。」        50年経った今も変わりはない )

  引用おわり 。

 「 当たり前の毎日は 、奇跡の積み重ねである 。」

   どこかで耳にして 、心に残った 、どなたかの言葉 。

   ひょっとして 、夢現の中で聞く 、朝のラジオ番組

  こころのともしび ?

   まさかとは思うが 、ありうる 。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする