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畑を始めてから、それまでより季節の変化に敏感になりました。畑とその周りには季節を告げるもの
がたくさんあるのです。まだ気温が低く、冬としか言いようのない頃から、春を強く感じさせてくれる
のが、カエルの卵と梅の花なのです。
車を駐めて畑へと歩く小道の途中に一本の白梅の木があります。毎年、1月末あたりからぽつぽつと咲
き始め、2月10日頃に満開となり、周りによい香りを漂わせます。どうして人間が「一年で一番寒い」
と感じるこの時期に花が咲くのか、いつも不思議に思います。
今でこそ梅に季節を感じるようになりましたが、当地に住むまでその存在を意識したことはありませ
んでした。北海道に住んでいた30数年の間、咲いている梅の花を見たことは一度もないのです。
調べてみると、北海道の観梅スポットは数が少なく、開花の時期も当地とは全く異なるのです。見頃
は5月で、桜より後に開花する場所もあるそうです。
今では、梅の花を見ると、「暖かくなる前に畑をちゃんと耕しておかなければ」と、焦るような気持
ちを抱くようになりました。
2016年の早春にも、梅の香りに急かされるように鍬を振るいました。春の植え付けに向けて、土をふ
かふかにすることを目指しました。
3月11日には、3度目のじゃがいもの植え付けを行なうことができました。この時の種芋は、メーク
イン6割と十勝こがね4割としました。やはり、メークインははずせません。
※ この記事は、NPO法人土といのち『お便り・お知らせ』2017年3月号より転載しました。