講演会 ★
TPPの現況と行方 ★ を聞いて
―TPPおそろしや-(※TPPとは環太平洋連携協定のこと)
「TPPの現状と行方」という講演会が、7月13日、かるぽーとであった。
講師は高知大学人文学部教授・岩佐和幸氏(専門―地域経済、国際農業経済)。
山地酪農を愛する会の主催。
話は多方面にわたり内容豊富だったが、話を理解するための自分の基礎知識がごくわずかだったため、うまくまとめることができません。
そこで、印象に残った事柄を並べてみます。
TPPが成立すると日本を始め他の参加国も国民にとってはたいへんなことになると感じた次第です。
TPPの交渉範囲は投資・通信・金融・環境・労働など21分野にも及び、農業はその1分野に過ぎない、非常に幅広い内容。投資・金融分野が特に危険で、国民の資産がうばわれるだろうとのこと。
それらの交渉が秘密のうちに進められている。国会議員にさえ内容が知らされない。これは危険なこと。
参加12ヶ国で政治・経済的な法的規制が同一になるため、国境をこえて活動する多国籍企業には都合がよくて有利になる。その反面、各地域で活動する中小企業・住民には不利益。最大の受益者は多国籍企業。
多国籍企業が自分に不都合な法律や規制を政府や自治体に対し撤廃させることができる(ISDS条項による)。 つまり、国家主権の侵害と国民主権の侵害、民主主義の喪失につながる。
(※ISDS条項とは“投資家”対“国家”間の紛争解決条項のこと)
「農林漁業の壊滅的打撃 → 関連産業衰退 → 地域経済の陥没 → 村・地域の空洞化と東京への一極集中」という事態が予想される。
危険な食べ物が流入する。遺伝子組換え作物の表示義務化ができなくなる。(不使用との表示も禁止される)
医療の営利産業化と公的医療への侵食。医師や看護師など医療スタッフの流出と地域医療の危機。
マレーシアやアメリカ国内でも反対運動の盛り上がりがあり。国対国の対立ではなく、1%の推進派と99%の反対派の対立。
【結論】
日本でもTPP交渉に関する情報開示を要求することから始めて、最終決定の権利を国民の手に取り戻そうということでした。
それと、地域主権を基礎とした地域循環経済、小規模農業を再構築していくことが大事。
もう一つ、対外的にはアメリカ従属をやめて、アジア各地域との友好的な連携が必要とのこと。
経済だけでなく社会協力(教育・医療)や環境対策の協力など。
以上、講演のまとめでした。
TPPをおし進める人たちの主張している新自由主義(市場原理主義)やグローバリズムというものは、結局、多国籍企業や国際金融資本にとってのみ有利な政治・経済体制なのでしょう。
1%の人が99%の人から収奪するための道具と言えるかな・・・。
「土といのち」も何ができるか話し合ってみましょう。
文責:木田正博(土佐山G)