ジュリエットオスカー634受信ブログ

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AMラジオ運用休止・FM転換・FM補完中継局(ワイドFM)を解説

2023年11月03日 19時17分25秒 | 時事
AMラジオの運用休止について正式に総務省・各放送局から発表されました。
今回は今までの経緯や言葉など解説したいと思います。

ラジオ局のうちAMラジオ局は送信設備の維持管理にコストがかかり
存続が難しいといったことから、コストが抑えられるFM放送への変更が要望されていました。

無線愛好者、放送マニアはご存じと思いますが、
AMラジオの送信所は広い土地と巨大なアンテナが要ります。
(首都圏だと戸田競艇場隣のTBSラジオや
西浦和駅近くの荒川沿いにNHKラジオの予備施設がある)
FMラジオの場合、出力規模にもよりますが
小規模ならCFM局のようにどこかのビルの屋上に八木アンテナを設置して
放送ができるわけです。

このようにAMラジオの事業者がFMラジオで放送を出すことに
移行する動きを「FM転換」と呼びます。
ただし、この「FM転換」は各放送事業者が経営判断で行うことになっているので、
いわゆる「国策」ではありません。
現に北海道のラジオ事業者などはAM放送の継続を発表している。

この「FM転換」が実現可能になった一つに地上波テレビ放送のデジタル化があります。
(2011年7月に大部分の都道府県でのアナログテレビが終了)
これによって90MHz~108MHzが使えるようになりました。
そこで、この周波数帯のうち90~95MHzを使い各地で
AM放送のサイマル放送をFM放送で行うようになりました。
これが通称「ワイドFM」です。総務省では「FM補完中継局」と呼んだりします。
あくまで法的にはAM放送の補完でFM電波を使っているので、
首都圏でいう墨田局といった親局に相当するFM補完中継局
(お役所は「主たるFM補完中継局」と呼ぶ)でもコールサインは与えられていません。

そして今回、来年2月から実証実験でAMの電波を止めて影響がどうだろうか?ということを
見定めます。特に問題がない場合、今回発表されている中継局はそのまま
停止されて再開はされない場合もあります。

最終的には2028年の放送再免許の時に中波標準放送事業者(要はAM放送局)から
超短波放送事業者(要はFM放送局)となり、法的には墨田局といった
「主たるFM補完中継局」が親局に昇格し、
残ったAM局は今とは逆に「補完AM中継局」として存続したり、
または廃止されたり(←これは放送事業者の判断による)するわけである。

われわれ視聴者が対策しなくてはならないのは、
FMラジオは76~108MHzまで対応しているラジオを準備するということである。
家庭においては新しく2000円程度のラジオを買うなど簡単に対応できると思うが、
問題はカーラジオなどです。最低でも上限は95MHzまで対応しているものと
交換することになります。
私の車のカーラジオはすで故障したので、数年前取り替えています。
https://blog.goo.ne.jp/tvdx5/e/0e772b3685bd9545390deaad0d8fa6e5

最後にワイドFMに対応しているラジオの例を挙げておきます

FMが108MHzまで対応しいる短波放送も聞けるラジオ


108MHzまでは対応していないが、ワイドFMの95MHzまでは
対応している短波も聞けるラジオ


2011年の地上波デジタルテレビ移行前に、テレビアナログ放送の音声
1~3chに対応していたタイプ(ちなみにこの1~3chが90~108MHzに対応する)


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