昨日、浜松での干し野菜講座終了後、
私は帰り道である磐田市に寄り、
トマトのハウスを見学させていただきました。
1棟に2000株の桃太郎ヨークが植えられているこの光景は、
緑のすがすがしさとともに、静かな迫力を感じます。
同じ圃場で育っても、樹の表情はさまざま。
そんな中で高糖度トマトに育つものは
・茎が細いもの
・ベースとなるグリーンが濃いもの
こちらをご覧ください。
実の上に小さなこぶのような実が付いているのが
わかりますか?
これは、1段目のトマトに表れやすい症状です。
1段目にできるトマトは、9月の中旬に花を咲かせます。
ということは、
花芽が付くのは、その1か月前。
高温時に付く花芽は奇形になりやすいのだそうです。
でも、味には何の問題もありません。
これから寒くなると、
夜だけハウス内を加温します。
日射量が少ない時期にゆっくり育てることにより、
栄養が蓄積され、甘みものってきます。
糖度が高いということは、
実が締まって小ぶりになり、その分、皮は硬くなります。
高糖度トマトが好まれるようになってから、
夏野菜であったトマトの旬は
春先へと変わっていきました。
でも、この旬の変化は
消費者の好みだけによるものとは言い切れません。
雨に弱いトマトはハウス内で作られますが、
近年の猛暑では、ハウス内の温度が異常に上がってしまい、
特に静岡のような暖地では、栽培が難しくなりました。
夏トマトの産地が、北海道や岐阜の高冷地というのも
これで納得がいきますね。
「トマトの葉って、とても良い匂いがするんですよ。」
と、生産者さん。
真似をして、葉を指でこすり合わせるように触ってみると、
ものすごく安らぎを感じる香りが・・・。
「あれ、この香り、何かに似ていませんか?
食べたことがあるような気がします。」
と、私。
一番近い香りは、セロリの葉・・・でしょうか?
「収穫したてのトマトは、ヘタからもこの香りがするんですよ。」
ヘタの香りを楽しみ、硬めの皮にかぶりつき、
中から流れ出る甘い果汁と出逢う・・・。
今月下旬から始まる収穫が、待ち遠しくなりました。