雨過天晴

ジャズとホークスとファッションなどなど
興味のあることには片っ端から手を出して
そして時々飽きます

レイリ

2022-02-14 | 
新年2回目の投稿

しばしばブログより離れております
本を読んだり、他のSNSをやってたり
ライブには行けてないです

ぼちぼちと過ごしていますが、ここのところ漫画にもハマっていました
お約束のワンピースもキングダムもようやく最新話まで読みました
あと進撃の巨人もさっぱり知らなかったのですが全部読みました

さてそんな中でグイッと引き込まれた作品が『レイリ

 
既に完結していて全6巻
2019年第3回さいとう・たかを賞受賞作品です

戦国期、長篠の戦いから物語は始まります
戦いで敗北し逃げ落ちていた岡部丹波(元信)が、織田の首狩り隊の巻き添えにあって家族を失った少女を救います
この娘が主人公となるレイリです

岡部丹波の元で成長し、剣の腕を磨きつつ、先に亡くなった家族の後を追うべく死地を探していたレイリですが、岡部丹波を訪ねてきた土屋惣三(昌恒)に見いだされ、武田勝頼の嫡男 信勝の影武者として仕えることになります

もちろんレイリの存在はフィクションではあるのですが、史実をうまく取り込みつつ、死に急ぐ少女の成長ぶりと武田家の滅亡の流れを描いています
また今までほとんどドラマや本では描かれない武田信勝像が面白い

原作の岩明均は寄生獣で名を馳せていますが、アレキサンダー大王の書記官エウメネス
を描いた『ヒストリエ』も面白いですよ

 
不定期ながらブログも更新していこうと思います


逆ソクラテス

2021-02-19 | 
今日はやたらと人と話す時間が多くて。
もともとおしゃべりな方ではあるのですが、コロナの兼ね合いもあり、それほど口数もなかった中よく話しました。
色んな人と会話をすると、それだけ頭を使います。
怠けがちなワタシの頭も少しはシャキッとしたのではないでしょうか。

さてようやく読了しました。
伊坂幸太郎『逆ソクラテス』。

 
早々と購入していたのですが、他にもドサッとストックがあって、主に歴史モノだったのですが、そちらにのめり込んでてすっかり手をつけずじまいでした。

ですが、読み始めたらあっという間に読了。
やはり伊坂作品にはワタシを吸い寄せる魅力が多々あるようです。

本作は主人公が子どもたちの5篇からなる短編集。
子どもの目を通して、世間の人々が「普通」と思っていることは果たしてみんなにとって「普通」でありえるのか、当たり前のことは本当にアタリマエなのか。
アタリマエが生み出す偏見や弊害があるのではないか。
派手な印象はないながらも、自分を振り返ることができる作品だと思います。

伊坂本人曰く、子どもを主人公にするのは難しいとのことですが、彼の作品を振り返ると結構子どもが主人公であったり、子どもをキーパーソンに据えたりしている作品が多いんです。
チルドレン」「サブマリン」のシリーズしかり、「フーガはユーガ」しかり。


 
 
まっさらの画用紙を子どもの中に据え置いてみたり、もしくは子どもに内在する残虐性を表に出したり、ワタシには伊坂本人が言ってるよりも子どもを扱うのがウマいのではないかと思います。
同世代の作家で道尾秀介がいて、彼の作品も子どもをテーマに扱うことが多くて、そういった作品と自作との比較なのかもしれませんが、それは取り扱い方の差であって、作品の登場人物としての子どもはかなり面白く描けているのではないでしょうか。

とても面白かったです。
色んな作品を振り返っていたらまた過去本を再読したくなりました。


セトウツミ

2021-01-06 | 
新年早々面白いマンガに出会いました。


 
サブタイトルは
「この川で暇をつぶすだけのそんな青春があってもええんちゃうか」

その通りに高校2年生の瀬戸と内海が川沿いの階段でただひたすらにダベるマンガ。
ただ彼らの会話はそんじょそこらの漫才師よりよほど面白い。
絶対相手よりしれっとウマいこと言ってやろうとする姿勢はシュールを一周通り越してゴリゴリに笑かしにかかっていて、ハマったときにはついつい声を出して吹いてしまいます。





元サッカー部のホープで先輩と揉めて部活を辞めた瀬戸(ボケ)と、常にクールでどうにもならないことはどうもしないクラスでも孤高の塾通い内海(ツッコミ)。
同じ学校で同じ学年でありながらお互いのことを知らず、ばったり川沿いの階段で出会って意気投合。
アツい青春とはかけ離れていつつも、なぜか川沿いに集まってダラダラとウマいことを言う2人を見ると、こんな青春もありやなぁ、と思ってしまいます。

全8巻。
最後はそれまで読んでて全く気づかなかった伏線を見事に回収。
ちょうど良い話の長さで素晴らしい作品。

2013年から2017年の間に連載されていたそうで、実はテレビ東京でドラマ化、そして映画化もされていたそうです。
まーったく知りませんでした。
大体週刊少年チャンピオン連載って相当中々なもんですよ。
気付きませんって。
でも映像化されたということはそれだけ世の中にインパクトを与えていたのでしょう。
いや、もう少し早く出会っていたかったな。
もったいない。

昨年から今まで読んでこなかった、または知らなかったマンガの掘り起こしをしているのですが、その中で発見した作品。

青春を描く新たなバイブルとして表彰しても良いんじゃないでしょうか。





漫画漬け

2020-11-09 | 
このところのブログの更新が遅くなっていたのは事情が2点ありました。

1点目、資格試験を受けていました。
ワタシも休んでいる中でせっかくなら復帰後使える、もしくはその後の人生で使える資格を取っておこうと。
何かと武器を持つことは丸腰で行きていくよりも遥かに生きやすい。

で2点目。
漫画読んでました。
いっぱい。



・「鬼滅の刃」

 
・「キングダム」


・「亜人」

 
・「Blue Giant Supreme」

 
・「グラップラー刃牙」

 
・「BAKI」

 
いずれも人気のある(あった)漫画なんですけどね、はっきりいって現実的なのは「BLUE GIANT SUPREME」くらい。
あとは皆人間離れして戦ってばかり。
面白いのは面白いんですが、読後のやりきれなさは残ってしまいます。
その点「BLUE GIANT SUPREME」は爽やかですねー。

超人系の戦う漫画を読み続けるにはこういう頑張る系(命ははらない)を読みつつ和らげながらが良いですね。

久しぶりに漫画三昧の1週間でした。

ジャズ
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光圀伝

2020-08-06 | 
読了しました。
沖方丁『光圀伝』。

 
 
以前から気になっていた作品でした。
徳川光圀公。

TVで隠居後に助さん格さんを伴って悪人を成敗していくのはよく見ていましたし、最近だと湊川の合戦で亡くなった楠木正成の墓碑「嗚呼忠臣楠子墓」を書いたことを知りました。
まあTVでのご活躍は多分なフィクションとは知っていましたが、この本で描かれている水戸光圀公の功績を改めて知り感慨深いものがあります。

要約はWikipedia等見ていただければ分かりますが、江戸時代の初期という戦国の世から知見の世に移りゆくさまにおいて、すごい賢人だと思います。
文武を極め、当代随一の歌も読める。
とても西村晃じゃないですよ。

沖方さんのストーリーの組み立て方、展開の速さ、登場人物のキャラクターの作り込みいずれも素晴らしい。
『天地明察』同等以上の作品かもしれません。
 
 
すごく内容の濃い作品でした。

こういう人物の話を読むに連れ、何とか彼の「脳」を残せていたらなーと現実離れしたことを思ってしまいます。
もちろん彼の想いは「歴史の中で生きた人を残す」という一点で、彼の知の一部は「大日本史」を作ることで現代まで残っていますし、歌人としての光圀公の作も多く残っています。
しかし彼の全てを残すためには「脳」を残して分析することが一番なんじゃないのかな。
今AIとかで人間の脳に成り代わることを研究されていますが、そのうち亡くなった人の脳がAIと組み合わせることで、光圀公の思想というのがもっと明確になったりしないのかな。

これも昔から個人的に思っていた、「俺が死んだら俺の思い出とか全部消えるんだよね」っていうちょっと死後の悲しい結果を踏まえていたりします。
オレの脳とAIをつないでくれたら、オレの脳が意識をもって娘や孫にも話しかけられるんじゃないのか。
・・・・・ルパンの世界観ですね笑

もしそんな技術ができてもオレなんかより残すべき知の巨人たちは大勢いるのでワタシに回ってくることはないんでしょうが、体がなくとも人の世を更に良いものにするためには過去の偉人の知恵をそのまま重ねていけばタイムロスすることなく進めることができるかも。

・・・・なんてことまで考えさせてくれるような光圀伝でした。

ぜひご一読を。


ジャズ
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楠木正成

2020-07-22 | 
ようやく読了。
北方謙三『楠木正成』。

 
 
日本史の授業で軽く流して聞いた程度の知識しかなく、足利尊氏と戦って戦死したくらい。
しかし「大楠公」の名で戦国武将、江戸期の学者、維新の志士達、そして庶民まで広く支持されたと聞くに連れ、どのような人物だったのか知りたかった。
また現在の大河ドラマ「麒麟がくる」で室町時代末期を扱っていることから、そもそも室町時代とは何だったのか、室町幕府はどのように成り立ったのか、楠木正成本人もさながら時代背景を追ってみたかった。

鎌倉幕府を倒幕するために後醍醐天皇に加担し、幕府軍2万5千に対し300名で対決、三ヶ月半ほどの籠城戦を戦い抜いたそうです。
その後ともに倒幕した足利尊氏と後醍醐天皇が対立し、いち早く天皇側の劣勢に気付きながらも、最後まで忠誠を尽くし戦った武将。
私利私欲のない正義と忠誠の心。
これに支持が集まったのです。



北方謙三は楠木正成の男意気をこれでもか、と描いています。
また単に戦闘、政争だけではなく当時の芸能文化にも触れています。
もちろんノンフィクションとは言えないでしょうが、非常に緻密に正成の生き様を調べて書かれているように思います。

日本史に関して言えば、どうしても戦国時代のほうが描かれるケースが多く、ワタシ自身も興味を持ち続けていましたが、その前の時代を知ることで改めて戦国時代が訪れた背景が少しわかった気がします。

北方謙三の室町時代シリーズは非常に面白く、現在は『道誉なり』で婆娑羅大名 佐々木道誉を読んでいます。


 
もちろん楠木正成も登場しますし、足利尊氏に対してより深く描いています。
他にも『悪党の裔』では楠木正成と親交のあった赤松同心を扱っています

 
 
今ワタシの中では室町ブーム・北方ブームがキテいます。

コロナ騒ぎが収束したら神戸・湊川や千早赤阪村界隈を散策したいと思います。

ジャズ
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本に学ぶ

2020-06-05 | 
緊急事態宣言以来自宅にいましたので、本をいっぱい読んでいました。

何冊かはブログでもご紹介しました。
歴史モノばかり。

今回のトップ画は『楠木正成』。
 
オトコ北方謙三です。
現代でもその信者が多い楠木正成。
ワタシもジムに通う時に芦屋の方で国道2号線沿いに大楠公戦跡碑が立っていたりしてて気になっていました。
悲運の武将楠木正成を読むのなら、やはりココはオトコ北方でしょう。
これから読みますが愉しみです。

ちなみに今読んでいるのは珍しくエッセイです。
しかも三島由紀夫。
『不道徳教育講座』


 
これが面白い。
まだ読んでる途中だけど、噺家さんが書いたかのような感じ。
ユーモアあふれる表現。
でもしっかりした純文学の人。

また読後に改めて感想を上げたいと思いますが、ちょっと三島由紀夫にハマる予感。


ジャズ
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殿さま狸

2020-05-21 | 
今日大阪は京都・兵庫とともに新型コロナウイルスの緊急事態宣言を解除されました。
前進しましたね。
一歩一歩。

ワタシの行きつけの飲み屋さんは大喜びでした。
ずっと我慢の子でしたからね。
とりあえず営業時間を伸ばせて喜んでます。
明日くらいに飲みに行きたいなぁ・・・・。
ただウイルスとは別に個人的に反省中なのでまだ行けないか。

さて読了しました。
ハマってしまった箕輪諒の『殿さま狸』。

 
写真にある通り、主人公は蜂須賀家政。
秀吉を支え続けた蜂須賀小六正勝。

往々にして2代目というのはなかなか難しい。
家ごと没落する2代目も少なくない中、家政は臆病でひねくれてて、ただしかし自分で考えて考えて考え抜いて行動に移す武将だった。
偉大なる父の七光りで得た成果を良しとせず、本当の自分の成果を求めていく様はとても2代目のボンボンとは思えません。

秀吉の四国平定の後、父に代わりに得た領地阿波。
余所者に対する国人の反乱も多い、治めづらいとされていた阿波を如何にして豊かな国へと変えていけるのか、その政治力はとても武辺だけで鳴らした武将ではありません。

しかし時代は変わっていく。
偉大な父は亡くなり、そして父が支え続けた秀吉も亡くなる。
そして大狸の家康が牙をむく。
東西一大決戦となる関ヶ原。
豊臣家譜代の家臣と言ってもよい蜂須賀家は東につくのか西につくのか。
家政の決断力と狸っぷりが発揮されます。

非常に読後の爽快感を味わえる作品でした。
ワタシも以前Yuさん小さい頃に徳島へは何度もキャンプに行ったり、義母が藍が好きということで藍住町や近隣の脇町に連れて行ったりしていて、結構徳島好きなんですよね。
吉野川がよく氾濫することから、氾濫地によく育つ藍を一大産業にしたのも家政。
その辺りのちょっとした自分の知識もこの本を読み進めるのに役立ってくれました。

これはね、いい本ですよ。
そのうちこの本をベースに大河ドラマにしてもいいくらい。
オススメです。


ジャズ
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AKIRAを観る

2020-04-26 | 
何しよっかなーと考えて、そうだ!と手を打つ。

久しぶりに『AKIRA』観よう。

 
 
2020年東京五輪開催と偶然が一致し、しかも中止になる(現実はいまのところ延期)あたりまで一致したと話題になったAKIRAです。
これ、ワタシが中学生の頃に話題になり、高校生の頃に映画化されました。
中学生にはストーリーが難しいところもありつつ、若者による反乱という側面を自分たちに当てはめようとしても当てはめられないところが、自分自身の創造力の無さであったり、反骨心の無さであったり、そういった力不足を痛感したアニメでした。
なんで当時この本知ってたのかな?と思ったら、近所の金持ちのボンが漫画持ってたんでした。
彼はなかなかおもしろい人物でしたね。
ムーとか読んでいたし、エアガンをやたら持っていたし、そういえばAKIRAと並行して「ブレードランナー」も好きでしたね。

 
いち早くデッカードブラスターのエアガンをいち早く入手するあたりさすがボン。
でも結構仲良かったですよ。
彼の家の中でエアガンぶっ放してお互いの顔に当てたりして親から怒られたこともあったような。

話が脱線しましたが、AKIRA。

1988年に東京に新型爆弾が使用され、第三次世界大戦が勃発したところから物語が始まります。
そして31年後の2019年(去年!!)暴走族グループのリーダー金田とその仲間の鉄雄はせっかく大人たちが再建している街や秩序にちょっと歯向かう若者だった。
軍の研究所に収容され、過度の人体実験により新たな「力」に覚醒した狂気の鉄雄。
鉄雄は自らの「力」の謎に近づくべく、地下深く眠る軍の最高機密であるアキラに接近する。

ということで、戦争からせっかく立ち直ってきたところに、金田や鉄雄、「力」をもつアキラやキヨコなどの子どもたちが大人が作った街や秩序を破壊していく。
ヒエラルキーの崩壊。


82年に始まった漫画とはとてもじゃないけど思えない。
大友克洋、恐るべし。

大友作品でいうと、上述のボンが『気分はもう戦争』も持っていましたね。

 
あー久しぶりにコレも読みたい。


ジャズ
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最低の軍師

2020-04-18 | 
昨晩のこと。

2,3日前に友人がZoom飲み会やろう!!と誘ってくれたので、パソコンの前に座っておりましたが、東京事変がライブ映像を一気にYoutubeにアップしてくれたため、それずっと見てたら参加するのを忘れてしまいました。
グループLINEもいつもうるさいので非通知にしていたので全く気づかず。
そこそこ楽しめたそうで良かった良かった。
まあ次回参加するべ。

さてまたもや箕輪諒作品を読了しました。



 
箕輪作品にドハマリしていますが、やはりこれまでなかなか物語化されてこなかった歴史や人物に光を当ててくれるのが面白いのです。

今回の作品は上杉vs北条の関東での戦い「臼井城の戦い」が舞台。
北条氏康支配地域の臼井城に総勢一万五千といわれる上杉軍が攻めてくる。
臼井城の兵は二千ほど。
後ろ盾となる北条家からの援軍は、わずか二百五十余。
圧倒的戦力差に臼井城主原胤貞及びその家来は上杉と戦うのか降伏するのかで紛糾する。
そんな中北条側の武将松田孫太郎は一人の易者を軍師と立てる。。
その軍師が本作の主人公白井浄三だった。
彼は想定外の奇策を編みだす知性とハッタリも意に介さない口の旨さで、城内を一つにまとめて上杉の大軍との戦いに挑む。

上杉の大軍を率いるのは幼き頃に一緒に過ごした河田長親。
これまたなかなか歴史小説では登場してこない人物。
箕輪作品では白井や河田などの歴史上の人物を、その出自など不明なところを逆手に取って、うまくストーリーを仕立て上げるその匙加減が絶妙なところ。
本作でもシレッと将軍が絡んできたり、当時力をもっていた三好勢が出てきたり。
このフィクションがモノクロの歴史に色を染めてくれます。

まいったな。
箕輪作品にハマりすぎ。
あと2作は絶対読む。
その後は新作を待たないといけない・・・。

まあ小説もいいけど、復帰に向けて仕事の本も読んでいかないとね。


ジャズ
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