雨過天晴

ジャズとホークスとファッションなどなど
興味のあることには片っ端から手を出して
そして時々飽きます

月と蟹

2015-02-26 | 

遂にたどり着きました。

道尾秀介の『月と蟹

 

月と蟹 (文春文庫)
道尾 秀介
文藝春秋

 

道尾秀介渾身の一作であり、第百四十四回直木賞の受賞作。

 

道尾氏の作品はこれまでも結構読んでいて、個人的に感じるところがあるのですが、それは人がどのように生きて行くのかを追い求めているところなのかなと言うところです。

この作品でも小学生の少年少女たちが、彼らの短い人生の中で、身の回りに起こるどうして良いのか分からない、モヤモヤとした感情の持って行き場所を探すのが主題になっています。

全体を通して、主人公達のちょっとした絶望感は、大人からすればそれは時間なり、自分の成長における変化なりで捉え方も変わってくるのだろうけど、子供の世界は大人のそれよりも身動きが取れる範囲に限度がある。

その子供から大人へと成長していくなかでのもがき・苦しみ、それが道尾作品には満ちている。

特に本作はトリックミステリーとは違い、その子供たちの心の変化を見事に表現している作品だと思います。

 

思えば『向日葵の咲かない夏』『龍神の雨』『シャドウ』など少年少女を主人公に置いた作品も多く、その主人公達がとても淡くて脆い。

そんな危険で複雑な心情を、もしかすると自分が幼少期に思っていていて、当時の語彙力では整理できなかったものを、今大人になって解決しようとしているかも知れない。

そんな思いを持って愛でるように拝読しました。

 

直木賞受賞作品。

侮れないです。

 

ちなみに直木賞受賞作で読んだことがあるのは

 

つかこうへい『蒲田行進曲

蒲田行進曲 (角川文庫 緑 422-7)
つか こうへい
KADOKAWA

高村薫『マークスの山

マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)
高村 薫
早川書房

重松清『ビタミンF

ビタミンF (新潮文庫)
重松 清
新潮社

 

の3冊でした。

まだまだ読まないといけない本がありそうです。

 

 

さて、明日からは時短勤務ながら出社することになりました。

また病気が再発して、出社できなくなることもあるのかも知れませんが、当座足元を見てプラプラと出社することにします。

 

 

 

 

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ラットマン

2015-02-24 | 

立て続けに読了しました。

道尾秀介の『ラットマン』。

 

ラットマン (光文社文庫)
道尾 秀介
光文社

 

道尾秀介ファンであるものの、有名どころをまだ読んでいませんでしたが、読み始めるや、あっという間に読み終えてしまいました。

主人公の姫川の過去にあった悲劇、そして現在において姫川の前で起こる悲劇に対して、ストーリーを追いかけて自分なりに展開を解いていこうとするのですが、まー見事なまでに裏をとられました。

ミステリーって人の思い込みをウマく突くところが肝だったりするんですが、本作はまさにそれ。

「ラットマン」って、心理学では有名な下記の絵。

 

 

上の段で右端の絵はメガネをかけたおじさんに見えるけど、下の段ではネズミに見える。

人は思い込みによって同じ絵を違うモノに見てしまう。

 

清々しいほど見事に作者の手の上で転がされました。

 

 

さて話は変わり、現実の話。

明日は産業医の面談。

ウマくいけば明後日から仕事に復帰する予定です。

それ自体はいいことなんですが、休みを利用してピケティの『21世紀の資本』を読もうと手に入れたのに、ついついミステリー三昧。

 

21世紀の資本
山形浩生,守岡桜,森本正史
みすず書房

 

いつ読もうかな・・・。

分厚い本の前にすでに挫けてる。

 

 

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火星に住むつもりかい?

2015-02-23 | 

本日読了。

伊坂幸太郎の新作『火星に住むつもりかい?

 

火星に住むつもりかい?
伊坂 幸太郎
光文社

 

以下、オフィシャルサイトから。

_____

あの、正義って何でしょう。

住人が相互に監視し、密告する。危険人物とされた人間はギロチンにかけられる――身に覚えがなくとも。交代制の「安全地区」と、そこに配置される「平和警 察」。この制度が出来て以降、犯罪件数が減っているというが……。今年安全地区に選ばれた仙台でも、危険人物とされた人間が、ついに刑に処された。こんな 暴挙が許されるのか?そのとき! 全身黒ずくめで、謎の武器を操る「正義の味方」が、平和警察の前に立ちはだかる!

_____

 

少しブラックユーモアな世界観です。

こちらに伊坂幸太郎のインタビューが掲載されています。

かなり盛り込んでますね。

メディア操作や告げ口社会、強権警察にスーパーヒーロー。

最後は伊坂幸太郎作品ならではのどんでん返し。

 

伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい?」|30秒|光文社

 

伊坂幸太郎ファンの期待は裏切らないです。

 

 

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Mein Beethoven

2015-02-22 | 音楽

私の好きなジャズ・レーベルACTの新年新譜から。

独のベーシスト、ディーター・イルグの『Mein Beethoven』。

タイトル通りベートーヴェンをフューチャーした作品です。

 

Mein Beethoven
Imports
Imports

 

1. Pastorale
2. Ode
3. Fuge
4. Return to Ulster
5. Arietta
6. Dankgesang
7. Sturm
8. Hammerlos
9. 109
10. Adagio
11. Allegro
12. Soldier's Dream
13. Mond und Schein

Dieter Ilg(b)
Rainer Böhm(p)
Patrice Héral(ds)

 

クラシックをジャズに、というのは結構ありますが、本作はかなりしっかりした作り・アレンジになっていると思います。

ディーター・イルグを知らなかったのですが、ACT繋がりで購入して正解。

クラシック好きな方にも是非聴いていただきたい一枚。

Dieter Ilg "Mein Beethoven" album trailer


この1曲を選ぶとすれば、やはりラスト13曲目の「月光」。

儚いメロディーが素敵です。

 

 

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良い日

2015-02-21 | 遊び

いや、今日は良い日だった。

 

まず本が面白かった。

 

街角で謎が待っている がまくら市事件 (創元推理文庫)
秋月 涼介,北山 猛邦,越谷 オサム,桜坂 洋,村崎 友,米澤 穂信
東京創元社

 

特にラストの米澤穂信の章が良かった。

どうやら今回登場したのは彼のシリーズの登場人物らしい。

これは次に繋がるな。

読み終えてその足で新たに伊坂幸太郎の新作を購入。

 

火星に住むつもりかい?
伊坂 幸太郎
光文社

 

なかなか良い題材。

途中まで読んでいますがラストが愉しみ。

 

そして。

穴があいちゃったチェスターフィールドコート。

無事リペア完了。

ほぼほぼ分かんないくらいにきれいに仕上がってくれました。

 

そしてそして。

トートバッグを購入しました。

 

 

A4がゆったり入るくらいの大きさで丁度いいサイズ。

これまで持っていたトートバッグがへたれてきていたので代替わり。

前任のバッグは明日古着屋に引き取ってもらおうと思います。

 

そしてそしてそして。

後輩(♀)が無事出産したとの連絡。

お目目ぱっちりのお嬢さん。

後輩も母となっていい顔をしていました。

 

そしてそしてそしてそして。

会社の同期が娘を連れて東京から大阪に遊びに来てくれました。

同期の娘と我が家のYuさんは同い年。

赤ちゃんの頃に一緒に写真を撮ったりしていました。

二人とも大きくなって初めて会いました。

Yuさんはシャイなので話は弾みませんでしたが、でも二人が顔を合わせたことに両家の父は大喜び。

 

・・・ということで今日はとても良い一日を過ごしました。

 

 

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晴れた日は謎を追って がまくら市事件

2015-02-18 | 

読了しました。

晴れた日は謎を追って がまくら市事件

 

晴れた日は謎を追って がまくら市事件 (創元推理文庫)
伊坂 幸太郎,大山 誠一郎,伯方 雪日,福田 栄一,道尾 秀介
東京創元社

 

面白かったです。

何と言っても大好きな作家の伊坂幸太郎と道尾秀介が名を連ねているわけですから読まない訳が無い。

 

舞台はどっかで聞いたことのあるような蝦蟇倉(がまくら)市。

ここでは不可能犯罪が非常に多く発生している。

その解決のため警察署の捜査一課の中に不可能犯罪係なる係があるほど。

本作ではこの街で発生した5件のケースをそれぞれの作家が描いていきます。

作家のカラーがよく出ていて、道尾秀介の章では悲壮感漂う雰囲気が溢れ、伊坂幸太郎の章では少しコミカルに、伯方雪日の章ではいわゆるミステリーの基本のような形で、といった具合。

舞台が同じであるので、それぞれの作家を伏線としているところもあって、それを拾い出すのも面白い。

ということで、続編の次作も手に入れました。

 

街角で謎が待っている がまくら市事件 (創元推理文庫)
秋月 涼介,北山 猛邦,越谷 オサム,桜坂 洋,村崎 友,米澤 穂信
東京創元社

 

ここで挙げられた作家の作品は全く読んだことありません。

この一冊を機に、ってこともありそうで愉しみです。

 

幸か不幸か時間はあるので、すぐ読み終えるでしょう。

 

 

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Break Stuff

2015-02-16 | 音楽

まだまだ寒い日が続きますね。

まだコートを手放せないです。

東北の方では吹雪いていたらしいですしね。

フィールドチェスターコートをリペアに出しているので、ダッフルコートが活躍中です。

もう少ししたらスプリングコートの登場ですかね。

 

さて本日のジャズのご紹介。

ECMからヴィジェイ・アイヤーの新譜で『Break Stuff』。

 

Break Stuff
Ecm Records
Ecm Records

 

1. Starlings
2. Chorale
3. Diptych
4. Hood
5. Work
6. Taking Flight
7. Blood Count
8. Break Stuff
9. Mystery Woman
10. Geese
11. Countdown
12. Wrens

Vijay Iyer(p)
Stephan Crump(b)
Marcus Gilmore(ds)

 

前作はジャズでは珍しい弦楽四重奏との演奏だったため、かなり独特な雰囲気でしたが、本作はピアノトリオ。

ACT時代からのトリオで、bがステファン・クランプ、dsがマーカス・ギルモア。

勝手知ったるトリオです。

ECMにトリオで移りましたが、演奏自体はACT時代より若干マイルドというか落ち着いた演奏になっています。

これはこれで新たな試みだと思います。

低温でじっくり聴かせる演奏が愉しめます。


VIJAY IYER TRIO: Break Stuff (Album EPK)

 

とりあえず休暇が続いているので、ジャズを聴くことと本を読むことがどんどん進みます。

まずは日常のペースを掴めるように努めます。

 

 

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おチョコさま

2015-02-14 | そのほか

本日はバレンタインデー。

ウクレレのレッスンで女性陣からおチョコさまをたんまり頂いてまいりました。

 

奥さんとYuさんからもおチョコさま。

ありがたく頂戴いたしました。

 

そしてトップの写真のベレー帽を頂きました。

人生初ベレー。

 

 

仏バスク地方で1840年から170年以上も続く老舗のベレーブランドLAULHERE社のコットン・ベレー。

コンパクトな形で、あまりきっちりベレー然としていないので、これなら初心者の私でもいけそう。

ありがたや、ありがたや。

 

そういえば昨日の記事でぼやいていたコートの裏地の件。

バイヤーさんのところに持っていってリペアしていただくことになりました。

多分1000円、2000円の世界でリペアできるのでは?との初見。

助かる~。

1万円とかしたらヤダな・・・と思っていたので。

 

ありがたや、ありがたや。

 

 

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ショック

2015-02-14 | そのほか

お気に入りのチェスターフィールドコートの裏地が破けていました。

 

5,6cm四方くらい。

良く見るとその周りの生地も少しへたってます。

買って1年ちょい。

自分の中では清水の舞台から飛び降りるくらいに、悩んで悩んで買ったコート。

ヘビーローテーションで着ていたとはいえ、こんなにへたるものかな・・・。

 

すぐにショップの店員に電話して、布当てなのではなく、できるだけきれいにリペアして欲しい旨伝えました。

明日もっていくので、しばし入院となりそうです。

 

かなりのショックです。

 

 

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明日はウクレレのレッスンですが、身に入らないでしょう。

ウクレレ終了後、速攻もっていこうと思います。

まだまだ頑張ってもらいたい逸品。

リペアしてでも着続けたいです。

 

 


北条早雲 悪人覚醒篇

2015-02-13 | 

読了しました。

富樫倫太郎の『北条早雲 悪人覚醒篇

 

北条早雲 - 悪人覚醒篇
富樫 倫太郎
中央公論新社

 

以前読んだ『早雲の軍配者』の前段とでも言うべき、北条早雲の大名への成り上がりを描いた作品になります。

『篇』とあるように、本作では伊豆に乗り込むところで終わっています。

 

というかその前の『北条早雲 青雲飛翔篇』を読んでいないので、こっちを先に読まないと。

 

北条早雲 - 青雲飛翔篇
富樫 倫太郎
中央公論新社

 

北条早雲こと伊勢新九郎はなかなか謎の多い人物だったらしく、その享年も89歳だとか64歳だとか言われています。

本作では後者の説をとっている模様。

検地をおこない、重い税制を廃して四公六民の租税とし、自国の民が新田の開発を頑張り、国の収入を上げる施策を行ったり、病が流行った際には、村々に、無料で薬を提供したりなど、民に慕われる人物だったようです。

早雲寺殿廿一箇条を起こして、その中で「上下万民に対し、一言半句であっても嘘を言ってはならない」と言っているあたり、応仁の乱前後の荒んだ時代に新しい当主像を確立しています。


これは大河ドラマにしても良いくらいだな。

次は真田幸村なので、その次くらい。


次が楽しみな一冊です。


 

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