映画『石中先生行状記』
★★★★★ ★★★★☆
東宝 1950年 95分 モノクロ
監督 成瀬巳喜男
原作 石坂洋次郎
キャスト
三船敏郎
若山セツ子
池部良
杉葉子
「隠退蔵物資の巻」「仲たがいの巻」「千草ぐるまの巻」の三話構成といったオムニバスン人情喜劇。
それぞれ他起承転結がはっきりとしていてわかりやすく面白い。
青森の祭や風習なども巧みに盛り込まれ、東北も好きなわたしには興味深い。
好みとしては三つ目の「千草ぐるまの巻」
あらすじも東北の言葉も映像もキャストも風景も美しい。
冬至の男尊女卑的な立場や夜ばいや俗習から考えると「千草ぐるまの巻」は斬新で画期的。
1950年当時に作られた映画としては今現在では考えられないほど女性をいたわり大切に描いた心温まる秀作といえよう。
石中先生役の役者の目を少し大きくすれば、今の中村勘三郎丈そっくり。
娘が少し覗いて、顔だけ見て楽しそうに笑っていた。
石中先生役は宮田重雄。著名な洋画家で医学者だと言う。絵画やイラストを見てみたが、何でもこなす多才な人だと感じた。