2007/07/01
「頭の弁誦じたことなど思いだし世の中のこと煩わしくなる()」
「しばらくは尚侍の君にも便りせず時雨降るころ音沙汰があり()」
「木枯らしの吹くにつけつつ待ちし間におぼつかなさのころも経にけり(#155)」
「待ちしかど木枯らしが吹くようになる耐えられぬほど時をへだてり()」
「あひ見ずてしのぶる頃の涙をもなべての秋のしぐれとや見る(#156)」
「逢えなくて流す涙をただ単に秋の時雨と貴方は見るか()」
「中宮は院の法事や御八講の支度であれこれ気遣いをする()」
「御国忌に大雪降りて中宮に差し上げになる懐かしむ歌()」
「わかれにし今日は来れども見し人にゆきあふほどをいつと頼まん(#157)」
「ながらふるほどは憂けれどゆき廻りけふはその世にあふここちして(#158)」
「亡き後は憂鬱なれどめぐりくる祥月命日逢う心地する()」
「中宮の御八講あり10日過ぎありがたきさま例えようなし()」
「法華経をわが得しことは薪樵菜摘み水汲み仕えてぞ得し(拾遺集、行基作)」
「結願の日に仏前に宣言す中宮自身の出家の趣旨を()」
「月の澄む雲居をかけて慕ふともこのよの闇になほや惑わん(#159)」
「出家して清い世界を目指しても子どものことがなお気にかかる()」
「大方の憂きにつけては厭へどもいつかこの世を背き果つべき(#160)」
「発心をしたけど髪を引かれたりいつになったら割りきれるやら()」