これまた先週の事ですが、
沖縄市民ミュージカル「コザ物語」を観に行ってきました。
キジムナーフェスタなどで上演されるなど
それなりに歴史もあって聞いたこともあったのですが
(調べてみたら2010年~のようです)
機会がなくて、今回が初観劇。
脚本は島津与志さん!
そう、肝高の阿麻和利と同じあの方です。
作曲には太陽風オーケストラの松本さんなど
現代版組踊とこれまで少なからず縁があった方も
関わっています。
舞台は終戦直後のコザの町。
日本から切り離され、
アメリカの管理下に置かれた沖縄。
孤児になった子どもたちや女の子たちのために
福祉活動に従事した島マスさんをモデルに
繰り広げられる物語。
基地に侵入して糧を得ようとする戦争孤児、
それらを取り締まる沖縄の警察、
米兵相手に商売をする女性たち、
施しをするアメリカ兵たち、
支え合い、したたかに生きる沖縄の人々。
ちなみに反基地、反米の物語ではないです。
そんな単純なものではなく
基地や米兵と隣り合わせにあって作られてきた
あの時代のコザの街そのものを描いています。
終戦後の暗い感じではなく、
時にはユーモアも交えながら
物語は明るく、逞しく、そして元気に進んでいきます。
ミュージカルなので歌や踊りも満載。
現代版組踊が沖縄ミュージカルって称されることあるけど
要素は一緒だとしてもやっぱ違うな、
現代版組踊とミュージカル(笑)
子どもたちだけでなく大人も交えての
「市民ミュージカル」なのですが
舞台としてのレベルも全く見劣りせず
物語の世界にぐいぐい引き込まれて行きました。
日本語教育の場面、
新しい憲法の話の場面には
思わず涙が…。
母子の再会とかには泣かんくせに、
こういう未来に向かって歩きだそうとしていく人々の健気さや希望のシーンに弱い(^^;)
スクリーンが舞台両はじにあって
時々写真を映し出す演出もあったのですが
綾庭の宴みたく舞台背面に映し出せたら
舞台上と視点の方向が一致するからいいな~。
ま、でも設備的なこともあるでしょうね。
舞台美術も戦後コザの写真を組みあわせたもので
白黒でざらっとした感じが効果的でした!
また演出もよくて、
特に場面転換が絶妙だと感じました。
道具を片づけたり役者がハケるため「だけ」の暗転がない。
かならずどこかにつなぎがある。
流れがスムーズで隙がない。
だから見てるほうも気持ちが途切れない。
ヤギの効果もうま~く効いていたし(笑)
立川志ぃさー(元・藤木勇人)さんのプロの縁起も
いいスパイスになっていました。
(上級米兵役!)
現代版組踊みたいに
戦いがあったり誰かが死んだりと
ものすごくドラマチックで派手で華やかな展開
…という訳ではありませんが
そこに生きた人々の葛藤や逞しさを
すごく感じることができる舞台でした。
地域に誇りを持つ、地域に生きた先人を知る
と言う取り組みがどんどん広がっていますね。
今年は大阪公演もしてきたというコザ物語。
これからも応援していきたいと思いました。