前回安里大親清信の若い頃の伝承を紹介しましたが、
晩年、金丸と絡んでくる頃の伝承もあります。
有名な話なのですが
まだブログではちゃんと書いてないので
紹介しておきましょう。
*
ある日、清信が安里橋の東側を通り過ぎようとすると、
白髪の老人に出会った。
一礼すると、老人もそれにこたえ、
自分の家へと招いた。
それは林の中にあり
それはそれは素晴らしい建物で
まるで蓬莱島のようであった。
そこには二人の老人が碁をし、
子どもが茶を沸かしていた。
清信は不思議に思って
礼を言ってそこを去る時
印として馬の鞭を置いて行った。
翌日、再びそこに行ってみると
何もなく、誰もいなかった。
ただ、林の中に鞭が置かれているだけなのだ。
清信はただただ神秘を感じ
そこを去った。
後日、月の美しい夜にそこを通ると
またあの老人に出会った。
そして別れる時、
老人は清信に金塊を与えて言った。
「あなたとは不思議な縁がある。
ここを開拓して家を建てなさい」
老人はそういう言い残すと
風のように消え去った。
清信がその土地を改めて見てみると
とても良い場所であったので
家を建て、竹の垣根を作った。
そして悠々自適の生活を送った。
*
その頃、金丸は御鎖之側の役職に就いており
首里と那覇とを往来していた。
ある日、清信は家の前を金丸が通るのを見て
ひざまずいて言った。
「あなたには、ただならぬ高貴の相が表れています。
いつか必ず人の上に君臨するでしょう」
さらに後日、清信は
金丸が那覇から帰るのを待ち、
宴を設けて接待し、
わざわざ君主の席を作って
そこに座るように促した。
金丸がそれを断ると、清信は言った。
「あなたは普通の人ではないのです。
なぜ断るのですか」
これにはさすがの金丸もドン引き(゜□゜;)
…とは書いてませんが、
金丸はそれを聞くと驚いて立ち上がり
袖を払って出て行った。
清信はそれを敢えて止めようとはせず、
金丸を見送ろうと門外に出た。
金丸が馬に乗ろうとしたまさにその時、
金丸の足首がちらリズム
そこに見えたのは
ナント!
黄金のアザだったーーーっ!!!
清信はまたまたひざまずいて言った。
「ほら、前も言ったではありませんか。
あなたには高貴な相が出ていると。
なぜあなたは信じないのですか。
この痣を見るに、やっぱり間違いありません!」
参/「球陽」
訳参/「琉球の英傑たち(大城立裕著)」
(まじめに書くの疲れてきたから後半ふざけました(笑))
ちなみに清信が不思議体験をし
家を建てて住んだ場所は
今の崇元寺の所だと言われています。