がじゅまるの樹の下で。

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琉球の霊能者、安里大親清信

2015年01月26日 | ・琉球史散策/第一尚氏

 

「物呉ゆすど 吾が御主!」
(金丸こそが王にふさわしい)

と大演説をうって
クーデターの引き金を引いたのが
ご存知、安里大親清信(あさとうふやせいしん)

護佐丸の兄ちゃんらしいというのは
既に紹介済み。
(→  

その安里大親ですが、
彼は不思議な力、つまり霊力を持っていて
まだ役人だった金丸に王の印を見ていた…
というのは有名ですが、

若い頃もなかなかの
ぶっとびエピソードが残っているので
今日はそちらを(やっと)ご紹介。

 

23歳の頃、清信は明国に渡ります。
その理由は
『中国皇帝の病を霊力で治すため』

なんでも長く病気でふせっていた皇帝が
"琉球の霊力者を招いて治療させよ"
という神からのお告げをいただき、
白羽の矢がたったのが清信だったのです。

明国に向かう船の上で、
彼は流星を見て突然泣き崩れます。

「妻の星が落ちた」

つまり、琉球に残していた妻が死んだ、と。

しかし引き返すこともできず、
明国についてから、妻の訃報が届いたのであります。

 

 

さて、皇帝の元を訪れた清信は
皇帝の脈をとり、
胸部、腹部、背部と診察をし、

目を閉じて心の中で何かを念じると、
目を開けてこう告げました。

「陛下のご病気は何も重い病気ではありません」

もちろん、周りの者たちは信じられません。

清信は続けます。

「まず、皇帝が毎日使っている枕の中を調べてください」

側近が皇帝の黄金の枕を割り砕いてみると、
数万匹の白ひげを生やしたゴキブリが
うようよと動き回っていた。
(ぎゃー!!Σ(゜д゜;))

「次に、陛下が座っている所にある大黒柱を
取り外し、割り砕いて燃やして下さい」

その通りにすると、
今度は数万匹の白ひげを生やした白アリが出てきた。

「次に、陛下が毎朝使っている手洗い鉢の台石を
打ち砕いて下さい」

台石の空洞部分から出てきたのは
白ひげを生やした数十匹のムカデであった。

「これらのものが、陛下の精(しい)を喰っていたのです」

これらの動物がみんな死ぬと同時に
皇帝の病気はけろりと治った。

 

 

ってゆーか、
霊力云々じゃなくて衛生指導じゃん?

 

…というツッコミはお約束ね。

 

病が治った皇帝は恩に報いるため、
妻を亡くして落ち込んでいた清信に
自分の姪との結婚を勧めた。

清信はこれを受け、娶りますが
ああ、何と言う因果か、

琉球に帰る船の中で、
彼女もまた死ぬのでありました。

 

参/「 安里大親清信伝(※護佐丸一統繁栄記 内 25-)」
伊波盛誠著/1988/月間沖縄社

 

ちなみに、ワタシの上司は
安里大親の子孫らしいです。

(子孫の名乗り頭は「清」)

 

 

イラストの安里大親、
琉球戦国列伝で描いたのとちょっと髭をアレンジ。

近世琉球でナウかった
「五髭」にしてみた(笑)

元ネタ↓ (クリックでジャンプ☆)


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