がじゅまるの樹の下で。

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今年の、百十~MOMOTO~

2019年01月14日 | ・現代版組踊レポ

現代版組踊舞台レビューについて

百十~MOMOTO~

2019年1月5日(土)

きむたかホール

出演/肝高の阿麻和利高校生メンバー・Team NEXT TAO

 

 

毎年の定期公演と定着した
"泣ける現代版組踊"殿堂入りの百十!

 

今年は2デイズで、
3人の百十踏揚役
(去年と同じチヒロさん・リサコさんと、現・百十踏揚役のエリカさん)
ということで、
どの公演も見ごたえのある悩ましい公演設定!

チヒロさんは抜群の安定感だろうし、
リサコさんは実際に「母」となっての初舞台に興味があったし
エリカさんは百十公演では初百十踏揚だし……

 

色々な事情で全部は見れなかったので、
キャストで選ぶというより、
自分自身の日程の都合だけを鑑みて、
土曜の夜公演観劇と相成りました。 

 

(奇しくも、ちょうど7年前のこの日1/5が百十の初演!

 

 

 

 

百十踏揚の幼少期、通称「ミニモモ」ちゃん。

これまではおてんばで強気なお嬢様って感じだったけど、
今回はセリフ回しが柔らかい感じで

同じセリフややり取りなのに
(賢雄をポカっともするし)
これまでのような
強気なおてんば感はそんなになくて

かわいらしい無垢なお嬢さん

って感じでした。

この感じ、好きです♡

 

 

 

大人百十踏揚はリサコさん。

元々おきれいで姫感抜群なのですが、
これまでよりも柔らかい雰囲気というか、空気を感じました。

母性ってやつかしら。

思徳との別れのシーンなどは
泣きの演技がもう演技じゃなくて、
嗚咽感や震えている感じがまさに迫真の…でした。

阿麻和利の霊が笛を吹き百十踏揚が踊るシーンでも
思戸に話しかけられて我に返ったとき、
涙を拭う仕草をしていたりと、
より百十踏揚の「想い」が伝わる百十踏揚でした。

 

 

 

思徳金も素晴らしかった!

これまでよりも仕草などにダダこね感が出てました。

百十踏揚との別れに「嫌だ!」ってハッキリ反発したり、
地団駄ふんだり、
百十踏揚と抱き合った後もさらにすがったり、
田場を振り払うのも1回ではなく何度もだったり。

お母さん大好きな子供感が最高に出てて、
だけど同時に意思の強さも感じられたりして
余計に涙を誘いました。

カーテンコール後の墓参りのシーンで
百十踏揚の気配を感じてふわっと笑顔になったあの感じに、

…涙。

このカーテンコール後の一連のシーン、毎回泣ける
(ワタシだけ?^^;)

 

 

 

賢雄は初キャスト。

鹿児島徳之島、結シアター手舞の卒業生。

つまり、県外(鹿児島)の子が、
琉球史に触れ、琉球史の武将を演じてくれました。

きっと他の沖縄のメンバーさんよりも
歴史の事とか、知らないことが多くて大変だったと思いますが、
よく演じ切ってくれたと思います。

2回目、3回目があれば
もっともっと深みがでてくるんだろうな(^^)

タイプとしては
武骨な武将(漢)というよりは、
イケメンさわやか系賢雄でした。

 

ところでいつも思うんだけど、
最期のシーンの殺陣はあの武器(薙刀的な)の関係で動きにくいんだろうか?

やたら太いしね、重いのかしら。

それとも逆に素材的にもろいから
壊さないように気をつけないといけないとか?

あのシーンは賢雄が追い詰められて
鬼気迫る迫力やスピード感がカギだと思うのです…。

なんだか動きにくそうというか
妙に気を付けて動いているように見えるんだよなぁ……。
(いや、気をつけないといけないんだろうけど)

やたらと叫ぶってのもアリだと思う。
まさに「鬼」になるってイメージ。

 

 

 

王妃に関しては前回書きつくしましたので(笑)

 

雑踏の中で母に気付くというシーンの
ストップモーションは前回はなかったような?

 

母の指輪?花?を拾った百十踏揚が
「私はもう大丈夫です」って独白があるんだけど、

個人的には、
あれだけの傷を負ったんだから「もう大丈夫」って言うのは早すぎない?
って思ってしまった。

今はまだ大丈夫ではないけれど、
(傷を抱えたまま)母のように強く生きていきたい
っていう後半のセリフだけでも良さそう。

そしたらその後の阿麻和利を想うシーンで
「大丈夫だと思ったけど、でも時々…」という説明もなくて済むし…☆

 

 

 

 

田場は現・阿麻和利君。
別に白髪とかそういう見た目ではなかったんだけど
「じいさま」感でてたな☆

どっしり、ゆっくりしたセリフ回しが
そう感じさせたのかな?

 

各登場人物について書きたいトコロですが
キリがないのでこれくらいにして、

今回の特記事項を2つ。

 

 

 

 

前回、最終公演だけ一瞬登場し、
私を呆然とさせた尚徳。

今回は出るかな?わくわく♪としてましたが、

開演前のアナウンスで2幕120分とあったので

尚徳の再登場を確信

 

1幕終了が近づき、
思戸の語りが入るころには、

内心
「しょぉ~とくっ♪しょぉ~とくっ♪
と尚徳コールをしていました(笑)

 

今回の登場はシルエットではなく、
顔もはっきりわかる舞台前方へ!

 

尚徳の恨み節と自害と衝撃音。

そして舞台後方には微動だにしないバックライトの金丸が!

 

わお!サスペンス!!!

 

尚徳はこのシーンだけの一瞬の登場なんだけど
その後の金丸に関係する重要な役どころだと思うので、
尚徳役も、しっかり「尚徳」という「人物」を理解し、
あのワンシーンでその全てを表現しきってほしい。

めっちゃ、濃い人物だから!
むしろ尚徳主人公で舞台作ってほしいくらいよ。

 

百十における尚徳、今後も要注目していきたいです!

 

…ただ、衣装は……

2幕の尚円衣装+ハチマチ+尚泰久の羽織の使いまわしで
正直妙な印象は否めなかったです

(簡単に新しく作れはしないだろうから
しょうがない部分はあるかもしれないけど、
今後、どうにかできたらいいな)

 

 

 

 

その尚徳シーンの後、休憩をはさんでの後半の開幕。

クーデターシーンがっつり!!

(でもやっぱり鬼鷲とかぶるセリフはナッシング)

 

個人的には、あのシーンの音楽やセリフの背後に
効果音として、もしくは生音声として

「オーサーレ!オーサーレ!」

の大合唱が重なってたら
最っ高だと思いました。

単なる戦とは違う、
集団心理感というか、クーデター感というか、異常感というか。

でると思うんだよね。

 

What's オーサーレ? → 

 

 

 

 

というわけで、
毎回進化していく百十~MOMOTO~。

今年もありがとうございました。

来年も楽しみにしています!

 

 

それでは、毎回のお約束を書いて〆にします!

サントラ発売希望です!!♡

願わくば「尚円王回顧譚」復活も!♡


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