がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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琉球王家は、アノ香り…!?

2020年03月19日 | ・琉球/沖縄、徒然日記

 

去った日曜日まで県博で開催されていた
「手わざ」展。
みなさま、見に行きましたか?

私は会期の最初の頃と、最後らへんと、
2度行って楽しみました♪

 

↑は、手わざ展で展示されていたものの中の一つ
「丁子風呂(ちょうじぶろ)」

丁子とは植物の名前で、
クローブとも言います。

香辛料として料理にも使われるので
聞いたことがある人もいるはず。


丁子は香辛料以外にも、
香料としても用いられていました。

丁子風呂は、
丁子の香りを出すための香炉、
つまりアロマポットのこと。

 

ワタシ、丁子風呂って最初に聞いた時、
菖蒲湯みたいに、丁子を浮かべた湯舟をイメージしてたよ(^^;)

同じ発想した人、ほかにもきっといるよね…?

 

 

東南アジア産の丁子は
貿易でしか手に入らない貴重なもの。

吉祥文様として王族の紅型にも描かれました。
(こちらも「手わざ」展より黄色地鳳凰蝙蝠宝尽青海波立波文様紅型袷衣装)

 

 

貴重で、日常にはない特別な香りは、
特異性や神霊性を演出し、
人々の感覚や嗅覚記憶に印象付けることができるため、

特別な空間、聖なる空間を演出したり、
着物に焚きしめたりもしていたのかもしれません。

参/『沖縄県史図説編』『ウチナー紀聞( 丁子風呂)』

 


もちろん、そんな貴重な丁子を使えたのは
王族や、神事を司る高級ノロたちだけだったことでしょう。

 

国王に、王妃に、聞得大君、王子や王女たち …

 

琉球王家がまとった特別な香り……
いったいどんな香りなのか、気になりますよね。

 


 

展示会では、丁子を実際に嗅げるコーナーも!

 

お!どれどれ?

 

くんくん…

 

…ん?

 

この独特な香り……
どこかで嗅いだような…?

 

 

もう一回…

 

 

くんくんくん…

 

 

…もう一回……

 

 

くんくんくん……

 

 

 

 

…あれ…
もしかしてこの香りって……

 

 

 

 

 

これか…?

 

 

 

 

 

 

正露丸。

 

そのものというより、
正露丸を少し薄くしたような感じ…

 

もしかして正露丸の成分に丁子が入っている?
と思って調べてみたけど、
そういうわけではないみたい。

 

 

正露丸の香りというのは
あくまで個人の感想ですが、

「丁子は正露丸のにおい」

って感じる人は一定数いるみたいです。

 

丁子は
香辛料、
香料、
そしてもう一つ、
生薬としても用いられていました。

生薬としての使用例の一つが「歯痛」。

正露丸も歯に詰めて歯痛止としての効用があり、
正露丸と丁子は成分的には共通点があるのかもしれません。

 

実際、丁子は歯医者さんの匂いって表現する人もいますね。
歯科治療薬には正露丸の主成分・クレオソートが使われているんだって。

ほら、やっぱり「正露丸」だ!

 

 
というわけで、
皆さんに分かりやすく伝わるように

琉球王家の香りは正露丸(仮)

…としておきます。


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