去った日曜日まで県博で開催されていた
「手わざ」展。
みなさま、見に行きましたか?
私は会期の最初の頃と、最後らへんと、
2度行って楽しみました♪
↑は、手わざ展で展示されていたものの中の一つ
「丁子風呂(ちょうじぶろ)」
丁子とは植物の名前で、
クローブとも言います。
香辛料として料理にも使われるので
聞いたことがある人もいるはず。
丁子は香辛料以外にも、
香料としても用いられていました。
丁子風呂は、
丁子の香りを出すための香炉、
つまりアロマポットのこと。
ワタシ、丁子風呂って最初に聞いた時、
菖蒲湯みたいに、丁子を浮かべた湯舟をイメージしてたよ(^^;)
同じ発想した人、ほかにもきっといるよね…?
東南アジア産の丁子は
貿易でしか手に入らない貴重なもの。
吉祥文様として王族の紅型にも描かれました。
(こちらも「手わざ」展より黄色地鳳凰蝙蝠宝尽青海波立波文様紅型袷衣装)
貴重で、日常にはない特別な香りは、
特異性や神霊性を演出し、
人々の感覚や嗅覚記憶に印象付けることができるため、
特別な空間、聖なる空間を演出したり、
着物に焚きしめたりもしていたのかもしれません。
参/『沖縄県史図説編』『ウチナー紀聞( 丁子風呂)』
もちろん、そんな貴重な丁子を使えたのは
王族や、神事を司る高級ノロたちだけだったことでしょう。
国王に、王妃に、聞得大君、王子や王女たち …
琉球王家がまとった特別な香り……
いったいどんな香りなのか、気になりますよね。
展示会では、丁子を実際に嗅げるコーナーも!
お!どれどれ?
くんくん…
…ん?
この独特な香り……
どこかで嗅いだような…?
もう一回…
くんくんくん…
…もう一回……
くんくんくん……
…あれ…
もしかしてこの香りって……
これか…?
正露丸。
そのものというより、
正露丸を少し薄くしたような感じ…
もしかして正露丸の成分に丁子が入っている?
と思って調べてみたけど、
そういうわけではないみたい。
正露丸の香りというのは
あくまで個人の感想ですが、
「丁子は正露丸のにおい」
って感じる人は一定数いるみたいです。
丁子は
香辛料、
香料、
そしてもう一つ、
生薬としても用いられていました。
生薬としての使用例の一つが「歯痛」。
正露丸も歯に詰めて歯痛止としての効用があり、
正露丸と丁子は成分的には共通点があるのかもしれません。
実際、丁子は歯医者さんの匂いって表現する人もいますね。
歯科治療薬には正露丸の主成分・クレオソートが使われているんだって。
ほら、やっぱり「正露丸」だ!
というわけで、
皆さんに分かりやすく伝わるように
琉球王家の香りは正露丸(仮)
…としておきます。