若林 奮
飛葉と振動
うらわ美術館
なんとも、なかなか、
凡人には理解しがたい作品ばかりだった・・・
パッションの感覚は、この芸術家の突出さには、
20%ぐらいにしか満たないかもしれない。
不可視なものにかたちを与える試み。
自然の中の空気や水。
人や犬が吐く息。
それを鉄を用いた彫刻で表現する。
それらの作品は、
説明を読まなければ理解できない。
否、
説明を読んでも理解できない。
表現者の端部に触れられるぐらいのものだ。
このアーティストの作品群を、
丸ごと取り込めるようになるには、
どういった感覚を持てばいいのか見当もつかない。
「枠」をあえて与えて制作されている作品。
その枠は境界線に見えたり、隔たりに見えたりする。
「緑と鉄」
相容れないものを同居させようとする試み。
そこに調和が生まれているように感じることができない…
感覚を狂わされるような作品群だともいえる。
このアーティストが見ている世界と、
私が見ている世界は、
同じものを見ていたとしても、
全く別の捉え方をしているのだろう。